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2025年9月18日木曜日

(2672) 外交の基本が崩れた

 「米政府はイスラエル軍が16日に発表したパレスチナ自治区ガザ最大のガザ市での地上侵攻を事実上容認した。」(日本経済新聞) … とんでもないことが起こっています。

 これまで外交における日本の主張は、

     法の支配

     力による現状変更を容認しない

     価値観を共有する国が協力する

でしたが、トランプ大統領が、全てを破壊しようとしています。これが良いか悪いかを議論しても、トランプ大統領を翻意させるのは無理でしょう。これを前提として、我が国は今後どのような方針で、国際社会の中で生き延びていくのか、国の存亡にかかわることを今の政治家は取り上げません。

 自民党の内輪もめで政治を停滞させてはいけないというのはその通りだが、停滞させずに何をするかというと、ガソリン税。もっと緊急で大切な議論があるでしょう。

 戦争には、二つあると考えています。仕掛ける戦争と、仕掛けられる戦争です。日本は、どう考えても今後、仕掛ける戦争なんてできません。今の自衛隊では能力不足でできないし、能力を高めたとしても、中国に太刀打ちできません。それなのに戦争というと、日本に「仕掛ける戦争」をさせないことばかりに向かい(無意味です)、その結果「仕掛けられる戦争」への対処が絶望的な状態になっています(深刻な反作用です)。

 いま世界を見ると、「仕掛けられた戦争」で惨状になっています。「法の支配」「力による現状変更を容認しない」「価値観を共有する国が協力する」をアメリカが放棄すると、日本が「仕掛けられる戦争」に巻き込まれる危険性がますます高まります。

 ウクライナは、戦略核を放棄し、ロシアと条約を結び、その結果クリミアを奪い取られ、ロシア軍が侵攻して国内の東部・南部は破壊しつくされています。領土の割譲を認めることは、「軍事力がある国は、他国に攻め込んで占領すれば、それを法的に認める」ことを意味します。トランプ大統領は、戦争を止めさせると言いながら、戦争の火種をまいています。

 一方、戦争を遺棄し支配を許すことは、日本がチベット、ウルグアイ、内モンゴルになることを意味します。日本の富は全て中国が持ち去り、日本人は奴隷状態になります。奴隷とまでいかなくても、少なくとも自由意志は、失います。日本人全体(中国に内通する者は除く)が貧困にあえぎ、中国人の為に単純労働を強いられます。中国が必要とする技術は、すべて持ち去られるので、単純労働で生活を支えるしかありません。チベット、ウルグアイ、内モンゴルの現状を直視するなら、容易に想定できる情景です。残念ながら「見たくないものは見ない。あってほしくないものは存在しないことにしておこう」という人には、見えません。

 戦争絶対反対という人は、何故、ロシア、イスラエル、アメリカを非難しないのでしょうか。また、南シナ海で島を奪い取り武装化し、尖閣諸島で戦争をしかけようとしたり(漁船に扮して尖閣諸島を盗ろうと着々と準備しています)、軍拡を進めて台湾を占領すると言ってはばからない中国に異議を申し立てないのでしょうか。核武装、ミサイル開発を進め、戦争を盾に他国を脅かし続けている北朝鮮を諫めないのでしょうか。戦争を起こすのは彼らで、日本ではありません。核軍縮を押し続ければ、世界は平和になるのでしょうか。戦争のない世界をつくるために、どのような戦略があるのでしょうか。戦争を無くすために効果的なことは、何もしていないように見えます。

 戦争絶対反対と言わなくても、日本は仕掛ける戦争はしないし、できません。彼らは、日本を弱体化し、他国の侵略を招くことを目的としているのでしょうか(気づかぬまま他国の手先になっている?)。それとも、日本が大嫌いで、蔑みたいのでしょうか。

 与党でも野党でもいい、「法の支配」「力による現状変更を容認しない」「価値観を共有する国が協力する」が崩れても、その状況でも日本を守る為にはどうすればよいか、真剣に考えて欲しい。

(2671) 保守を一本化すべきか

 自民党の総裁選は、5者に絞られるようです。小林氏も立候補し、一本化を期待していた高市氏支持者はがっかりしたようです。でも、これでよいと私は思います。同じ保守といっても、小林氏の支持者と、高市氏の支持者は、重なっていない人たちも多いようです。無理に一本化しても、内部でこじれるだけでしょう。

 参政党の神谷氏に自民党の保守層を奪われたという嘆きも聞こえてくるが、それは自民党がだらしないからで、身から出た錆です。注目すべきは、高市氏が集められないような保守を集めていることです。日本維新の会が保守だと言うのは分かるが、労働組合に支持基盤のある国民民主党が保守票を獲得したという、分かりにくいことが起こっています。保守だと各々が主張しているが、その内容は、共通する部分もあるだろうが、ずいぶん違っているところが多そうです。少なくとも、「保守=外国人排斥」といった単純な決めつけでは、保守を説明できません。

 各々の内容はよく把握できていませんが、現在は、保守を旗印に、それぞれが得意とする領域で保守の数を増やそうとしています。大きさの固定した一つのパイがあるのではなく、保守というパイを増やそうとしている段階で、だから、拙速に一本化を図らない方が良いでしょう。パイを奪い合うより、独自努力を重ね新たな領域を拡大し、パイ全体を大きくすることを考えるべきでしょう。パイがある程度大きくなった段階で、共通するものは何か、違うものは何かをよく整理し、違うところもあることを前提とし、一本化する。政権を取りに行くのはそれからでしょう。

 今、自民党は、与党半数割れの中で、国会運営をしなければなりません。茂木氏、林氏、小泉氏は、各々野党にもパイプをもち、各々が違う形で与党半数割れを凌ごうとしています。どのやり方が良いか、私にはわかりませんが、ここをうまく乗り越えられそうな人が、次期総裁になればよいのではないでしょうか(何をしでかすか心配もあります。石破氏でこりました)。石破氏のように、「塾際重ねながら」言いなりにならないように、いかにコントロールするかです。高市氏が総理大臣になると、自己主張して、袋叩き似合って、動けなくなるでしょう。高市氏は今回は、立候補して主張することにより「お仲間を増やす」ことに専念するのがよいと思います。

 最後になりましたが、立憲民主党の枝野氏までが保守だと自ら主張しています。本当に、保守とは何かが、さっぱりわからない時代になりました。保守が良いとか悪いとかではなく、好ましい保守とは何か・好ましくない保守とは何か、保守をどう定義すべきか(これまで保守はこう定義されてきたが、このように定義を変えよう、でもよい)、あるいは、保守の良いところは何か・悪いところは何か、そのあたりの議論が深まっていくといいなと思います。

 保守が良いと決めつけて一方的に推奨する話も、保守が悪いと決めつけて一方的に非難する話も、私は聞く気が起こりません。保守に、良い面と悪い面の両方あると思います。

(2670) アンパンマンの人気の秘密

 朝の連続テレビ小説「あんぱん」も、放映時間残り少なくなりました。なぜ評判の悪いアンパンマンが人気を博すようになったのか、興味をもちながら見ています。ヒントは、「言葉をまだ知らない幼児がアンパンマンを気に入っている」という八木さんの指摘なのでしょうか(私の孫も大好きです)。

 崇さんは、言葉で伝える能力が高いのに、「ボオ氏」では、言葉を封印し、絵だけで勝負し、成功しました。

 言葉でコミュニケーションができない子が、お母さん等からの受け取れるメッセージは表情でしょう。子供が最初に描く人間の姿は、ほとんどが顔で、そこに手や足がヒョロヒョロとついています。人気のある女優さんは8頭身ぐらいが多いようだが、漫画のサザエさんの登場人物は3頭身とか4頭身ぐらい。小さい子が見えている人間像と近いのでしょう。

 崇さんは、言葉を知らない子供たちが表情から受け取るメッセージを理解し、その子供たちに絵でメッセージを伝え、ちゃんと伝わっているのではないでしょうか。

 後は、キャラクターの多さ? これからを楽しみにしています。

 因みに、AIの見解は、

 アンパンマンが人気の理由は、赤ちゃんや幼児が好む「丸い形」と「明るい赤色」のキャラクターデザイン、発音しやすく覚えやすい名前、「アン・パン・マン」というリズムの良いフレーズ、そして、空腹の困っている人に自分の顔を分け与えるというストーリーの「分かりやすさと深いメッセージ性」にあります。また、登場キャラクターの多さ、繰り返し見られるストーリーパターン、親からの信頼感も人気の要因です。

(2669) 【参議院選挙(15)】

※ 原稿を書いたが、掲載が漏れていました、今更ですが、アップしておきます。 

 野村修也氏は、X (旧Twitter)上で(2025/07/29)、「かなり大雑把にまとめることが許されるならば」と前置きしたうえで、現在の日本の主な政治主張を4つに大別しています。

① 左派(戦後民主主義が旗印、日米安保反対、憲法9条改正反対、天皇制反対、侵略戦争の謝罪、社会主義・共産主義を支持)

② リベラル(大きな政府、社会保障の拡大、個人主義、LGBTQ支援、フェミニズム

③ 保守(小さな政府、日米安保支持、憲法9条改正、女系天皇反対、自虐史観からの脱却)

④ 右派(反グローバリズム、自主憲法制定、家族・集団の尊重、道徳重視)

 前置きにあるように、このようにきれいに分類できるかというと疑問だが、キーワードを丁寧に拾い上げていると思います。キーワードをとりあえず整理するには役立つでしょう。

 ただ、キーワードが多くあり過ぎてなかなか理解できないとともに、各政党の中に矛盾したものを抱えている状態で、各個人にとっては、キーワード(1)については○○党だか、キーワード(2)については△△党ということもあり、困ってしまいます。

 以下は、私の意見

(1) 国民民主党が①を切り捨てたことにより、①は立憲民主党の総取りになりまし。自民党嫌いの②も立憲民主党に行くしかありません。立憲民主党は圧倒的に有利だと思うが、参議院選挙で苦戦しました(選挙区では議席を維持できたが、比例代表では大幅に後退しました)。その理由の一つは、世界情勢を見ていると①の主張が危うい、非現実的であることがはっきり見えてきたこと。もう一つは、岩盤支持層の団塊世代全員が後期高齢者に突入して、人口が減ったり、投票にいけなくなったりしてきたこと。この二つの要因が大きいのではないでしょか。もしもそうなら、衰退傾向は続くでしょう

(2) ③保守と④右派は、政治主張としては、分けるほど違っていないでしょう。憲法9条改正と自主憲法制定が対立しているように見えるが、大きく見ると今の憲法のままではいけないという点で、一致しています。なお、日米安保に関する主張も現在は異なっています。いずれも、参政党が票狙いで極論を言っているだけなので、参政党などが現実を見据えていくと、③と④はあまり違わなくなると思います。

(3) 自民党は、矛盾する②と③とを抱え込みながらも、延命してきました。ところが安倍総裁が強くなって、②が不満を抱えました。その反発か、岸田総裁がLGBT法案を強行し、石破総裁が政治資金事件にからめて露骨に安倍派潰しをしました。③が我慢の限界に達し、票が大幅に参政党などに流れました。石破総理は続投する意向なので、自民党の解党もありえるのではないでしょうか。それを支持する人たちが、自民党の外に沢山いそうです。石破総理は、その人たちと結託しようとしているように見えます

(4) 参政党は、無責任に発言できる立場だったので、受けやすい発信ができました。日米安保を解消して自力で日本を守るのは不可能だし、自主憲法改正で2/3の支持を得られません。善良な外国人を排斥したり、差別したりすることなく、日本人ファーストを進めなければなりません(独立国である以上「日本人セカンド」でないことは当然)。日本の総人口に占める外国人の割合は、2050年ごろに1割になり、国の予測より大幅に前倒しになる可能性がある、という報告もあります。少子化は確実に進むので、外国人と共存しなければ、日本はもちません。そのためにも、いびつになっている外国人政策を正常化していかねばなりません。参政党がどう変わっていくか、どう現実的になっていくか、見守る必要があると思います



2025年8月5日火曜日

(2668) 【参議院選挙(15)】

 野村修也氏は、X (Twitter)上で(2025/07/29)、「かなり大雑把にまとめることが許されるならば」と前置きしたうえで、現在の日本の主な政治主張を4つに大別しています。

   左派(戦後民主主義が旗印、日米安保反対、憲法9条改正反対、天皇制反対、侵略戦争の謝罪、社会主義・共産主義を支持)

   リベラル(大きな政府、社会保障の拡大、個人主義、LGBTQ支援、フェミニズム

   保守(小さな政府、日米安保支持、憲法9条改正、女系天皇反対、自虐史観からの脱却)

   右派(反グローバリズム、自主憲法制定、家族・集団の尊重、道徳重視)

 

 前置きにあるように、このようにきれいに分類できるかというと疑問だが、キーワードを丁寧に拾い上げていると思います。キーワードをとりあえず整理するには役立つでしょう。

 ただ、キーワードが多くあり過ぎてなかなか理解できないとともに、各政党の中に矛盾したものを抱えている状態で、各個人にとっては、キーワード(1)については○○党だか、キーワード(2)については△△党ということもあり、困ってしまいます。

 

 以下は、私の意見

(1)  国民民主党が①を切り捨てたことにより、①は立憲民主党の総取りになりまし。自民党嫌いの②も立憲民主党に行くしかありません。立憲民主党は圧倒的に有利だと思うが、参議院選挙で苦戦しました(選挙区では議席を維持できたが、比例代表では大幅に後退しました)。その理由の一つは、世界情勢を見ていると①の主張が危うい、非現実的であることがはっきり見えてきたこと。もう一つは、岩盤支持層の団塊世代全員が後期高齢者に突入して、人口が減ったり、投票にいけなくなったりしてきたこと。この二つの要因が大きいのではないでしょか。もしもそうなら、衰退傾向は続くでしょう

(2) ③保守と④右派は、政治主張としては、分けるほど違っていないでしょう。憲法9条改正と自主憲法制定が対立しているように見えるが、大きく見ると今の憲法のままではいけないという点で、一致しています。なお、日米安保に関する主張も現在は異なっています。いずれも、参政党が票狙いで極論を言っているだけなので、参政党などが現実を見据えていくと、③と④はあまり違わなくなると思います。

(3) 自民党は、矛盾する②と③とを抱え込みながらも、延命してきました。ところが安倍総裁が強くなって、②が不満を抱えました。その反発か、岸田総裁がLGBT法案を強行し、石破総裁が政治資金事件にからめて露骨に安倍派潰しをしました。③が我慢の限界に達し、票が大幅に参政党などに流れました。石破総理は続投する意向なので、自民党の解党もありえるのではないでしょうか。それを支持する人たちが、自民党の外に沢山いそうです。石破総理は、その人たちと結託しようとしているように見えます

(4) 参政党は、無責任に発言できる立場だったので、受けやすい発信ができました。日米安保を解消して自力で日本を守るのは不可能だし、自主憲法改正で2/3の支持を得られません。善良な外国人を排斥したり、差別したりすることなく、日本人ファーストを進めなければなりません(独立国である以上「日本人セカンド」でないことは当然)。日本の総人口に占める外国人の割合は、2050年ごろに1割になり、国の予測より大幅に前倒しになる可能性がある、という報告もあります。少子化は確実に進むので、外国人と共存しなければ、日本はもちません。そのためにも、いびつになっている外国人政策を正常化していかねばなりません。参政党がどう変わっていくか、どう現実的になっていくか、見守る必要があると思います



2025年7月28日月曜日

(2667) 【参議院選挙(14)】

 自民党の大敗により、参議院では与党が過半数割れに陥りました。その一方、自民党が大敗したにもかかわらず、憲法改正を主張する党の議員数がさらに増え、改憲勢力は3分の2以上を維持しています。

 

改憲勢力=自民党+国民民主党+公明党+日本維新の会+参政党+日本保守党

参院選前 170 = 114+9+27+18+2+0

参院選後 180 = 101+22+21+19+15+2

 

 では、憲法改正に向かって進み始めるかというと、その兆しはありません。

 

 元立憲民主党代表の枝野幸男氏が衆院憲法審査会の会長として主導する形で進められていること、石破自民党総裁が口では憲法改正といいつつも具体的に進めようとしていないことなどが大きな原因だと思うが、同じ憲法改正と言っても、党によってばらつきが大きいのが現状(*)で、具体的に動けそうにありません。改憲勢力が増えたと言っても、参政党は、創憲(一から憲法を創りなおす)を唱えており、現実的には、憲法改正はさらに遠のいたように思えます。

(*) 憲法論戦、新局面に 自民・立民が主導権争い―参政は復古調創憲案・「深掘り・日本の課題」【25参院選】、

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025071800670&g=pol&p=20250718ax10S&rel=pv#goog_rewarded

 

 とはいえ、戦争を辞さない中国、北朝鮮、ロシアがすぐ近くにいます。ウクライナ、パレスチナを見れば、戦争が起こらない保証がないことは、容易にわかります。

 ウクライナは先ず核放棄したことから始まり、クリミア半島を奪われ、東部の各州に進軍され、南部にも進軍され、いまは、首都キーウもミサイル・ドローンの爆撃を受けています。侵略の理由はなんとでもつけられます。「ウクライナの非ナチ化」でした。ウクライナの過去に遡って、因縁をつけています。日本も過去に遡れば、日本への侵略の理由はいくらでも作れます。ウソでもよいのですから。

 中国は台湾侵攻を画策し、尖閣諸島で中国軍の活動がさらに活発化し、日本のへの領空侵犯、自衛隊機への異常接近が多発しています。南シナ海では島を奪い、軍事基地を作っています。石破首相は、中国に対しては「なめるなよ」とは言わないので、(それだけが原因ではないでしょうが)日本はなめられたままです。もっとなめてもいいよと言っているのと同じです。中国の支配下に入るとどれだけ悲惨なことが起こるかは、チベット、ウイグル、内蒙古、香港を見れば、容易にわかります。

 アメリカがどこまで日本を守ってくれるか、怪しいです。尖閣諸島に有事があった場合、日本が軍事行動をおこさない限り、アメリカがリスクを冒してまで来てくれないのではないでしょうか。必死に戦っているウクライナに対してでも冷淡です。勝てる見込みがなければ、トランプ大統領は見捨てます。正義も信義もありません。民主主義を守るより、自国の利益を優先しています。

 台湾侵攻と尖閣諸島領有は、セットになるでしょう。どちらかが先なのか、同時なのかはわかりませんが、中国ではカウントダウンが始まっていることでしょう。尖閣諸島は第一歩で、次は沖縄、日本がターゲットになります。尖閣諸島で防衛ラインを堅持することは、日本の安全にとって、とても大切です。島一つの問題ではありません。

 

 でも、日本人は何事もないかのように、動こうとはしません。

 「戦争反対」と唱えていたら、戦争は起こらないのでしょうか、攻められることはないのでしょうか。日本が自らを守らないなら、他国は安心して戦争をしかけてきます。何せ、専守防衛なので、何のリスクもなく、攻められます。リスクがあるから、思いとどまることもあります。プーチン大統領は、バイデン大統領が軍事介入しないと確認し、簡単にキエフ(今のキーウ)を制圧できると思ったから侵攻しました。激しい抵抗にあって、間違いだったとわかっても、一度進み始めると、止めるわけにはいきません。そこから泥沼がはじまりました。一度始まると、もう元には戻せません。

 憲法前文に「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」とあります。そもそも存在していない「平和を愛する諸国民の公正と信義」を信頼して「恒久の平和」を得られるのでしょうか。

 

 国を守るためには周到な準備が必要です。ことが起こってからでは、対処できません。

 

 日本の政治家は、どこを見て、何を考えているのでしょうか? 

 世界情勢を見てないのでしょうか? 気にならないのでしょうか? 心配にならないのでしょうか? 学ばないのでしょうか? 歴史から学ぶつもりはないのでしょうか? 

 国を守るということは、どうでもよいことなのでしょうか? いけないことなのでしょうか? 日本を守ろうとするのは、軍国主義なのでしょうか?

 

 あまりにも理不尽、荒唐無稽の話で、政治がもてあそばれています。



 

2025年7月26日土曜日

(2666) 【参議院選挙(13)】

 自民党内で、石破首相の退任を求める声と、留任を求める声とが錯綜しています。石破首相のせいで落選したと怒っている人、このままでは次の当選は覚束ないと心配している人や地方組織、ポスト石破を狙う人、過去に因縁のある人は退任を求め、現政権を支えている人たちは留任を求めています。どちらが正しいかではなく、各々の立場が発言を決定づけています。「敗北の責任をとって辞めよ」とか「敗北したが引き続き責任を果たせ」は、単なる飾り言葉です。

 自民党外でも賑やかになってきました。《# 石破やめるな》ハッシュタグが出回り、25日夜には首相官邸前でデモがあり、「石破は頑張れ」「石破は辞めるな」と声を張り上げたそうです。さらに、れいわ新選組の山本太郎代表、社民党のラサール石井氏など、自民党外からも「継投」を望む声が上がっているといいます(産経新聞 2025/07/26)。異様な展開です。

 この謎は、「立場が発言を決定づける」を思い起こせば解けます。れいわも社民も、自民をつぶしたい立場にいます。その立場から継続を望むということは、継続すれば自民はつぶれると考えていると推定されます。賢い彼らは、正しい情勢判断をしていると私は思います。さらに彼らは賢いので「自民党をつぶせ」など無粋なことは言わず、他党の党首が苦しんでいる時にエールを送るという、心温まる対応をしています。

 

 世論調査の位置づけが変わっています。

(1)        (静的)人々がどのように考えているかを調べる

が従来の位置づけでしたが、

(2)       (動的)人々の考えを変えさせる手段であり、調査結果はある意図を表すものである

という要素が入ってきました。世論は観察するものではなく、操作する対象になってきました。SNSの拡散が、それを支えています。

 《# 石破やめるな》には、世論操作の意図があると考えるのは、考えすぎでしょうか。自分の意見を述べることは当然のことであり、大切ですが、本音が分かりにくくなっています。