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このブログは、左側の投稿欄と右側の情報欄とから成り立っています。

2024年12月4日水曜日

(2623) 性格(3) 性格と性格結果(造語)とを分けて考えましょう

 例えば、「私は他人のしていることの欠点が良く見えて、その人のことを強く非難してしまう傾向がある」という人がいるとします。

 これは性格ではなく、性格結果(造語)です。性格結果の裏にいくつかの性格があります。たとえば、「他人のしていることが気になる」「完璧主義である」「感情の影響を強く受ける」「他人に関わろうとする」などの性格が先ずあって、冒頭に述べた傾向が現れます。

 この性格自体には良い・悪いはありません。「他人のしていることが気になる」「他人に関わろうとする」「完璧主義である」「感情の影響を強く受ける」が良く現れることもあります。決して悪いとは言えません。

 それが悪く現れてしまったのが冒頭の傾向であり、人間関係を難しくします。「私は他人のしていることの欠点が良く見えて、その人のことを強く非難してしまう傾向がある」は悪く現れてしまっているのだから、それは是正した方がよいでしょう。

 そのために、性格結果を直接何とかするのではなく、性格に立ち戻ります。「他人のしていることが気になる」「他人に関わろうとする」「完璧主義である」「感情の影響を強く受ける」といった性格が自分にあることを認め、それが変な方向に向かっていないか、暴走していないか、いつも見張っておく。そして、変な方向に向かっている、暴走している、と思ったら、ブレーキをかけ、いったん止まる。こういうことができるようになると、ずいぶん生きやすくなると思います。

 

このシリーズ終わり

2024年12月3日火曜日

(2622) 性格(2) 性格が良く現れるよう、悪く現れないよう、にする

 例えば、「自己主張が強い」性格だと、どんどん自己表現をして行動を起こす一方、軋轢を起こして人間関係を悪くすることもあります。前者では性格が良く現れ、後者では性格が悪く現れました。「親切」は良い性格のように見えますが、度が過ぎれば「お節介」をして周囲を困らせる悪い性格にもなります。「ケチ」と言うと悪い性格のように見えるが、「節約家」というと良い性格のように見えます。

 各々一体者であり、現れ方が違うだけです。そこで「お節介」や「ケチ」を消すと、同時に「親切」や「節約家」も消えてしまいます。良い悪いは別にして(現れ方は別にして)、その大元になるものを性格と呼びます。「親切」「お節介」の元をたどり、善悪が入らないように意識すると「人とのかかわりを強く、深くしたい性向」といった表現になるでしょうか。逆に強くしたり深くしたりするのを避けたい(弱く、浅くしたい)人もいるでしょうし、どっちとも言えない人もいるでしょう。

 その人の持つ「人とのかかわりを強く、深くしたい性向」はそのままにして、「良く現れる」(親切)を強化し、「悪く現れる」(お節介)を抑制する(ゼロにはできない)よう心がけましょう。

 コツは、「悪く現れる」が起こってきたなと感じ取ることです。そこで「あれあれ、悪い癖(お節介)が出ちゃったな」と一息置いてください。それだけで、ずいぶん変わります。本来の自分は変えていないので、無理はありません。

続く

2024年12月2日月曜日

(2621) 性格(1) 自分の性格を変えよう(治そう)としない

 人は、それぞれに性格があります。例えば「いつも自分の理想に向かって努力する」「何か困っている人がいると、直ぐにその人のそばに行って手を貸そうとする」「成功することが最も好きで、成功のために手段を選ばない」「ユニークで創造的で、独創的で、何よりも感動を大切にする」「物事をじっくりと考え、データを集め、慎重に行動する」「真面目、誠実であることを大切にし、周りと仲良くしたいという気持ちを人一倍強く持っている」「人生を楽しく、明るく過ごしたくて、熱中した陶酔感を大切にする」「自己主張が強く、何事にも第一人者であることを志向する」「落ち着いてゆったりとした安定感がある」などです。

参考データ:https://www.enneagram.ne.jp/about/about_type#type1

 

 人はいくつもの性格を帯びていて、その中に嫌いな性格や、持て余し気味の性格もあるでしょうが、その性格を変えよう(治そう)としてとはいけません。その理由は、

(1)    自分らしくなくなり、苦しくなります

(2)    自分の長所を消してしまいます

(3)    そもそも性格は変えられません

です。

 

続く。 

2024年11月28日木曜日

(2620) 兵庫県民として気になる

Googleで「兵庫県」をキーワードにして検索し、「ニュース」を選択すると、

最初に「斎藤知事に関するニュース」とあって、4つの記事が紹介されている。

  兵庫・斎藤知事の代理人、PR会社社長の投稿内容「事実でない」
  兵庫 斎藤知事 知事選で支援のPR会社への支払い内訳明らかに
  PR会社経営の女性「盛っている?」斎藤・兵庫県知事代理人「事実ではない」公選法違反を否定
  斎藤元彦知事代理人が午後会見 公選法違反指摘に反論か

この4つを除くと、最初のページで10個のうち7個が斎藤知事関連

2ページ目は、10個のうち9個が斎藤知事関連

3ページ目は、10個のうち9個が斎藤知事関連

 

 兵庫県には、このニュースしか無いのだろうか? 異常だ。

 もしも県知事が違法なことをしたと確定されたら、大ニュースになるのは理解できる。でも、まだ、全然どうなっているか分からない段階である。

 

 斎藤知事PR会社関連ニュースは、純粋に法律上の問題だと私は思う。法律に違反しているか、していないかだけの話。一般人でなく、法律知識のあまりない「コメンテーター」でもなく、権威付けられた法律の専門家が判断することだろう。

 

 ネットも気になるが、心配になってしまうのがマスメディアである。

 それぞれ人によって個人的な意見はあるだろうが、現在は、本当のところ、法律違反しているか、違反していないか分からない(確定していない)。もし違反していなかったとするなら、現在、無実の人をひどく傷つけていることになる。影響力の強いマスメディアはそれを避けるため、慎重にならねばならない。具体的には「裏を取る(情報源を検めるなどして情報の真偽を確認する)」必要がある。

 

 『社長は20日付でインターネットの投稿プラットフォームで「広報全般を任せていただいた」などと発信した』と「発信した」ことは事実であるが、最も大切な「広報全般を任せていただいた」ということが事実かどうか、その実質的な内容が法に抵触するものなのか否か、これらは全く検証されていない。

 つまりマスメディアは、事実かどうか不確定な情報をもとに、「裏取りできていない社長の発言が、真実であることを前提に」記事を書き、大騒ぎしている。

 

 先に、稲村候補が「稲村氏は外国人参政権を公約にしておらず、この言説を自ら否定しています」とはっきり言っているのに、それを否定するようなニュースを流すのは「デマ」だとなっていた。その論理が成り立つなら、斎藤知事が「SNS戦略を依頼した、広報全般を依頼したというのは事実ではない」と明言しているのに、それを否定するようなニュースを流すのもデマになる。その「デマ ニュース」をマスメディアが垂れ流していることになる。

 

 マスメディアは、真実が何かには関心がなく、自分たちの好みと、受けそうな記事を書くことに熱心なのではないか。それではまるで、彼らが批判的に見ているネットと同じではないか。

 

 マスメディアの姿勢が問われていると思う。それに対して、マスメディアは、反省しておらず(当然)正そうともしていない。この問題を糺す記事も、見かけない。

  

2024年11月25日月曜日

(2619) あの世への架け橋

三途の川をわたるより、

虹の架け橋をわたって、

あの世に行きたい

 

虹の架け橋は、

希望

 

希望は、

これから行くあの世への希望

残していくこの世への希望

 

そのため、

今、

何をすればよいのだろうか 

2024年11月23日土曜日

(2618) 百条委員会が悩ましい / 兵庫県

1.   経緯の簡単な整理

(1)告発文書問題

 兵庫県の元幹部が、斎藤氏のパワハラの疑いなどを告発する内容の文書を、ことし3月、報道機関などに送った。斎藤氏は「事実無根の内容が多々含まれている」などと批判。その後、元幹部は県の公益通報制度を使って内部通報を行った。しかし県は元幹部を停職3か月の懲戒処分とした。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241117/k10014636221000.html

 (一部並べかえた)

(2)パワハラ疑惑、おねだり疑惑

 議会が問題視し、マスコミが大々的に報道した

(3)「弁護士でつくる第三者委員会」(以下、「第三者委員会」)

 議会は、第三者委員会を立ち上げた

(4)「地方自治法第100条に基づく調査特別委員会」(以下、「百条委員会」)

 第三者委員会が結論を出す前に、議会は百条委員会を立ち上げた

(5)不新任決議案

 両者が結論を出す前に、議会は不信任決議案を提出し、満場一致で可決された

(6)失職・出直し選

 県知事は、辞任や議会解散を選ばず、失職・出直し選を選択した

(7)第三者委員会と百条委委員会は作業を中断した

(8)県知事選で斎藤知事が再任された

 以上の経緯を経たので次は(9)に移る

(9)第三者委員会と百条委委員会は作業を再開する

 ここで、第三者委員会については、本当に中立な人が第三者委員に選ばれているかが心配だが、手続き上の問題はなく、再開するのが当然だろう

 一方、百条委員会の方が悩ましい

 

2.   県民が無罪と裁定した / 百条委員会は自己矛盾に陥った

 単純な言葉を使えば、県民は無罪と裁定した。もし有罪なら、そのような人を知事として選ぶはずがない。ただし、「斎藤氏は有罪だが、当選した」という反論もあろう。

 「百条調査権の発動に際しては、証言・若しくは資料提出拒否に対し禁錮刑を含む罰則(同条第3項)が定められており」とされ、強力な調査権限を持つ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E6%9D%A1%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A

 百条委員会の委員は、議員であり、委員長や副委員長も議員である。

 何故そのような強力な権限を持てるかと言うと、彼らは県民(ここでは兵庫県を想定)から選ばれた人であり、県民からの委託を受け、県民の民意を代表しているからだ(例えば県の職員にそのような権限を与えることはできない。法律の専門家にも、大学の教授にも、民間企業のトップにも、誰にもこの権限を与えることはできない)。

 その民意が、斎藤氏を県知事として再び選んだ。

 「斎藤氏は有罪だが、当選した」とすると、「県民はバカだから間違えた。百条委員会が正してあげましょう」ということになる。これでは民意を反映するどころか、民意を覆すことになってしまう。依頼主を無視して、自分たちが決めるということになる。県民から与えられた権限で、民意を無視していることになる。そもそもそのような権限は認められない。

 もし、選挙の前に百条委員会が結論を出していたら、どのような結論であれ、少なくとも形式的には何の問題もなかった。議会は百条委員会に調査を依頼しながら、百条委員会を無視して勝手に結論を出してしまった。何のために百条委員会を立ち上げたのだろうか。そこが間違っていたので、身動きの取れない状況になってしまった。

 

3.   裁判官が被告に殴り掛かった / 当事者は裁判官になれない

 今回、議会が県知事に不信任を出しということは、議会が県知事に、俗な言葉を使うと、ケンカを売り、県知事がそれを受けたと言えるだろう。県議会と県知事の両方がケンカの当事者であるにも関わらず、一方の当事者が裁判官役を務め、他方の当事者を被告として裁く。こんなことは、あり得ないだろう。

 議会はケンカをしかけた以上、絶対に勝たねばならない。まさに、冤罪を生むパターンになっている。このような危険があるのに、このまま進めてよいのだろうか。冤罪をうまない手立ては、あるのだろうか

 

4.   議会は民意を反映しているのだろうか

 議会が意図的に民意を無視したわけではない。

 しかし、議会の出した結論「斎藤氏に資質がない」は、民意によって完全に否定された。議会は、民意を反映できていないことを、白日の下に晒してしまった。

 議会は、県民から「議会不信任」を突き付けられたのではないか。ただ、本人たちにその自覚はなさそうだ。県民が間違っていると思っているのだろう。そうならば、傲慢だ。

 

5.   疑惑(1)

 斎藤氏当選の原動力の一つとして『旧態依然』『既得権益』への県民の不信が大きかったと思う。斉藤氏の疑惑を追及してきたが、今や、議員たち自身が疑惑の対象になってしまった。

 その疑惑をなんとか自ら晴らしてほしいが、多分無理だろう。下手な弁解をすると、疑惑がますます深まってしまうのではないか。ならば、居直るしかないことになる。

 

6.   疑惑(2)

 更に新たな疑惑が出てきた。百条委員会・奥谷委員長 親族の会社が倒産→私怨で斎藤おろしに加担? Xで拡散する疑惑を「一族経営では全くない」と完全否定

https://news.yahoo.co.jp/articles/2f58bec4be71050817df44acce14a7a15575b3c4

 奥谷氏は、完全に否定している。奥谷氏の言っていることが正しいとすれば、本件については奥谷氏に何の落ち度もない。ただ、利害関係者となりえる人、あるいは見なされる恐れのある人は、委員長に留まらないほうがよいだろう。特に、厳しい判断を下したら、痛くない腹をさぐられる。

 私は本件において奥谷氏を否定するつもりも非難するつもりもない。留まると、本人が苦しい立場になるし、百条委員会も厳しい結論を出しにくくなる。問題があるなら、ちゃんと指摘してもらわねばならない。そのためにも、委員長はかわった方がよいのではないか。

 

7.   議員辞職

 議会が信頼を取り戻すには、議会もやり直し選挙をすれば、すっきりする。斉藤氏は信を問うて再選された。議員も信を問うて再選されれば、誰も文句を言わない、言えない。

 再び議会が不信任決議案を提出し、それが通れば、知事が議会を解散できるが、その条件がないと、知事が議会を解散させることができない。解散が怖いから、議会はもう、不信任決議案は出さない。つまり、知事が議会を解散させることはできない。

 一方、「地方公共団体の議会の解散に関する特例法」というのがあって、「議員数の四分の三以上の者が出席し、その五分の四以上の者の同意」があれば、自主解散、つまり議員が自ら議会を解散できるらしい。

https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC1000000118/

“兵庫県議会の「みそぎ解散」はあり得るか 維新・吉村氏がけじめ要求、県議賛否入り乱れ”

https://www.sankei.com/article/20241122-GVQIXS5DQFM45ICQX4IZ2BXURE/

 ただ、そのようなことをするとは思えない。落選してしまう可能性も大いにある。彼らは県民に信頼されようが、されまいがおかまいなく、任期いっぱい務めるだろう。きっと「次の選挙のころには、みんな忘れているから、大丈夫」と。

 

8.   県政を停滞させているのは誰か

 県政は、ますます停滞するだろう。

 発端は斎藤知事のように見えるが、その前に元県幹部がいて、その後ろに議会がいる。

 斎藤知事を潰したいのだが、議会で叩いてもはかばかしく進まない、第三者委員会もはかばかしく進まない、百条委員会もはかばかしく進まない、しびれを切らして知事を首にしてもうまくいかなかった。次に何を画策するのだろうか。県知事潰しのためなら、県政を混乱させることもいとわない人たちが県政を停滞させているのではないだろうか。

 一方、斎藤知事が県政を停滞させようとすることは、ないだろう。誰よりも困るのは、自分自身だから。

 

9.   困るのは県民

 私も、兵庫県民の一人です。

 彼らにとって、県民はどうでもよい、筋が通らなくてもよい、ひたすら自分が可愛いのだろう。私から見ると、可愛くない。

 

2024年11月22日金曜日

(2617) 兵庫知事選を巡る6つの対立軸

※ 長いです。

最初に目次を示します。関心のある部分のみを部分的に読んでいただいて、問題ありません。

 兵庫県知事選を巡り6つの対立軸があったが、結果としては、いずれも斎藤氏に有利に働いた。それが斎藤氏の勝因だと思う。

1.   「斎藤か斎藤以外か」

2.   「デマを流すマスメディア VS 真実伝えるネット」

3.   「『旧態依然』『既得権益』 vs. 改革者」

4.   「稲村か稲村以外か」

5.   「稲村か斎藤か」

6.   「ファクトかデマか」

 

7.   選挙後の、稲村氏と立花氏のコメント

 

 「有権者が既成政党と距離を置く現状が浮き彫りになり」、「国政選挙の戦略も見直さなければならない」との認識は広がっている。「斎藤氏の勝利は、新聞やテレビなどの報道より交流サイト(SNS)がより大きな影響を及ぼした結果だと指摘されている」(産経新聞 2024/11/19

 良いことか良くないことか分かは別にして、現実はこのような動きになっていく。何が本当か、分かりにくい時代になった。マスコミやネットの情報に惑わされることなく、適切に判断する「国民の能力」が、とても大切になっていく(藤波)。

 

1.   「斎藤か斎藤以外か」

1.1.  「斎藤か斎藤以外か。私は絶対、負けるわけにはいかない」。斉藤氏は選挙戦初日から繰り返しこう訴え、改革を継続するとして支持を求めてきた

1.2.  「斎藤か斎藤以外か」の構図は、インターネットを中心に逆境の斎藤氏への同情を呼ぶ「判官びいき」の世論も醸成した

1.3.  「反斎藤」で一致しながら個別の対応はバラバラの各党の動きが、四面楚歌だった斎藤氏の猛追を許した点は否めない

(産経新聞 2024/11/18

 

2.   デマを流すマスメディア VS 真実伝えるネット」(コミュニケーション研究所)

2.1.  SNSの力

 「序盤の劣勢をSNSの力で逆転した初めての大型選挙ではないか」(立民の小西洋之参院議員)

 

2.2.  斎藤氏 対 稲村氏

 1116日時点の斎藤氏と稲村氏のXInstagramのフォロワー数、およびYouTubeのチャンネル登録者数を以下(左下のグラフ:略)に示します。斎藤氏のフォロワー数は、いずれも稲村氏の10倍以上となっており、ネット上では勝敗がついている印象を受けます。(ネットコミュニケーション研究所)https://netcommu.jp/Report/hyogochijisen2024

 なお、以下のようなことはあってはならない。徹底的に調査してほしい。「17日投開票の兵庫県知事選で敗れた元尼崎市長の稲村和美氏を巡り、後援会が開設した公式X(旧ツイッター)アカウントが選挙期間中、何者かによる一斉の虚偽通報が原因で2回凍結された」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF21CLX0R21C24A1000000/

 

2.3.  立花氏

 斎藤氏は動画においても稲村氏を圧倒していましたが、今回の選挙において、YouTube上でより大きな影響を及ぼしたと考えられるのは、斎藤氏を支持・支援するネットワークでした。特に、同じく立候補していた立花孝志氏は、自身のフォロワー数63万人を誇るYouTubeチャンネルで100本以上の動画を投稿し、これらは合計で1,500万回近く再生されました。(出典は同上) 立花氏の「デマ」については、後出(「ファクトかデマか」)

 

2.4.  SNSで広がったもの

 疑惑は捏造だとする見方がSNSなどで広がった。斉藤氏を応援するとして無所属で出馬した「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が、「斎藤氏は被害者」などと訴える場面もあった。(産経新聞 2024/11/18) … 後出(「ファクトかデマか」)

 「外国人の地方参政権」については、後出(「稲村か稲村以外か」)

 

3.   「『旧態依然』『既得権益』 vs. 改革者」

3.1.  「これは『旧態依然』『既得権益』に対する嫌悪や、それに剥奪されてきたと感じる人たちがあげる狼煙なのではないか」(国民民主の伊藤孝恵参院議員)

 

3.2.  選挙戦最終版の14日には、県内の22市町が稲村氏支持を表明したが、斎藤氏の勢いの前に敗れた(産経新聞 2024/11/18)。稲村氏支持22市長 4勝18敗(産経新聞 2024/11/19

 『旧態依然』『既得権益』を守りたい「県内の22市町」が、稲村氏と結託したとみなされ、逆効果だったのではないか(藤波)

 

3.3.  大濱崎卓真氏(選挙コンサルタント・政治アナリスト)の見解

 市長有志22人が最終盤に表明をしたことは、終盤戦において、稲村陣営の「焦り」を顕在化しただけでなく、既得権益側という位置付けを確定させるのに十分です。既得権益に対抗するという斎藤前知事のストーリーを、稲村氏が飲み込んでしまったこの出来事は、最後の3日間で選挙戦の構図を確定させてしまい、終盤の差が広がる結果につながったことは間違いありません。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fad1771764de45da6ac0b992e362475877898725/comments

 

4.   「稲村か稲村以外か」

 バラバラだった「稲村以外」が最後は斎藤氏に集まった。

4.1.  外国人の地方参政権    後出(「ファクトかデマか」)

https://news.yahoo.co.jp/articles/4fc301892285921d6a4d4b158dff1674a9e4c777?page=1

4.1.1.  外国人の地方参政権(1)

 前知事の失職に伴う兵庫県知事選挙に立候補している稲村和美氏について、「当選すると外国人の地方参政権が成立」するという言説が拡散していますが、誤りです。稲村氏は外国人参政権を公約にしておらず、この言説を自ら否定しています。

4.1.2.  外国人の地方参政権(2)

 自民党の岡田ゆうじ神戸市議会議員は、自身のアカウントで「稲村氏は極左の『緑の党』の共同設立者の一人で、緑の党は外国人参政権を主要政策としている。知事選出馬に際し、緑の党の役員は降りたようだが、Wikiには記載が残っている。不適格では」と1028日に投稿している。

 

4.2.  行き所を失った票の行方

4.2.1.  自民党、保守層

 自民党が独自候補を断念し、さらに、斎藤氏、稲村氏、清水氏に分裂し、自民党員は失望し困惑した。特に保守層は「3人とも投票したくない。白票しかない」と思っていたが、「兵庫県知事選情勢、稲村氏わずかにリード 斎藤氏が猛追」(共同通信社 2024/11/09)というニュースが流れた。稲村氏は尼崎市で「性的少数者に対するパートナーシップ宣誓」をしており(ここまでは確認されたファクト)、「外国人参政権に賛成やLGBT法に賛成しており左寄りだ」という懸念から、稲村氏だけは避けたいとした。斉藤氏でも清水氏でもよかったが、斎藤氏の方が稲村氏に勝てる可能性が高いので、斎藤氏に投票した。斉藤氏を積極的に支持しているわけではない(藤波が聞いた話)

4.2.2.  消去法

 期日前投票を済ませた兵庫県西宮市の50代の男性会社員は「これは、という候補者がいなかった」と嘆き、最後は「消去法」で投票したと語った(産経新聞 2024/11/18。彼が誰に投票したかは不明)

 

4.3.  何を信じればよいのか

 公約はあてにならない。当選するためなら、自分の信条に反することでも、不可能なことでも、政治家は平気で嘘を語る。石破首相は次々と公約を破って平然としている。民主党は政権奪取時のマニフェストの多くを実現しなかったが、反省もしていない。トランプ次期大統領の経済政策は矛盾だらけで、実現は難しいと言われている。

 「デマを流すマスメディア」は何の反省もせず(選挙当日のテレビを見たが、サンテレビは反省したが、NHKは自らを反省することはなかった)、「真実伝えるネット」も怪しげな情報も流している。

 今回では稲村氏や斎藤氏が過去に何をしてきたか、何を言ってきたかをしっかり調べるのが重要だろう(マスメディアは自分の嫌いな報道をしないが、ネットを見ればわかる。ファクトと確認できたことだけを信じればよい)。「過去はそうだが現在は違う」と言うかもしれないが、それなら「現在はこうだが将来は変わるかもしれない」ということになり、今言っていることを信用しにくい。

(以上、藤波)

 「これだけは言っておきたい。選挙は一時の情熱ではなく、政党や候補者の理念、政策、実績を冷静に判断して投票すべきである」(鹿間孝一氏:ジャーナリスト、コラムニスト)

https://www.sankei.com/article/20241120-4KINZOBVDNN27C4T2RYQY2EN4E/

 

5.   「稲村か斎藤か」

 稲村氏と斎藤氏と、何が違っていたかを確認しておく。

 

5.1.  演説:斎藤氏は一貫していたが、稲村氏は変化した

 斎藤氏の演説の内容は告示日と最終版でも大きな変化は見られず、終始一貫したものだった。 … 「改革」「県政」「必要」「支援」および、県立高校への投資という実績を強調するため「学校」「子供」

 稲村氏の演説は当初は自らの政策を訴える内容が多かったが、終盤には対立候補批判が増えるなど変化がみられるようになった。

 以上、産経新聞(2024/11/21)

 

5.2. 

 以下、「声」を4つ、拾い集めてみた。出典は、https://news.yahoo.co.jp/articles/fad1771764de45da6ac0b992e362475877898725/comments (前出)

5.2.1.  (1)

 稲村さんは斎藤さんや立花さんの悪口ばかりの選挙戦だった。かたや斎藤さんは名指しで悪口は言わず、自分の信条・誠意を貫いて支援を呼び掛けた。見えている景色が最初から違うんです。

5.2.2.  (2)

 いや、間違いなく稲村さんは斎藤候補と争おうとしてたと思うよ。でもそもそも県民はそこを争点だと思ってなかったんだよ。

 実直に政策と実績を見て、県庁ではなく県民の方を向いて兵庫県の未来が潰れてしまわないように県政を進めてくれるのは誰なのか、有権者一人ひとりが考えて投票した結果だと思うよ。斎藤候補と戦って、県民に負けたんだよ。

5.2.3.   (3)

 第一声が県庁前で県庁職員向けであったこと。県民より県庁職員の既得権益ファーストが露わになりました。

5.2.4.  (4)

 根本的には、リハックの討論会で、稲村さんはまったく質問に対する返答がなってなかったのが決定打となっている気がする。あの段階では、しっかり質問に返答出来ていれば稲村さんに投票するつもりでした。

 その後も他人の悪口ばかり、風通しが良い県政ってなんなのって感じです。結局、斎藤さんしかないという選択でした。

ReHacQ討論会】兵庫県知事選挙【候補者7vs高橋弘樹】

ReHacQ−リハック【公式】 2024/11/01

https://www.google.com/search?q=%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E8%A8%8E%E8%AB%96%E4%BC%9A&oq=%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E8%A8%8E%E8%AB%96%E4%BC%9A&gs_lcrp=EgZjaHJvbWUyBggAEEUYOTIKCAEQABiABBiiBDIKCAIQABiABBiiBNIBCTE2NjFqMGoxNagCCLACAQ&sourceid=chrome&ie=UTF-8#fpstate=ive&vld=cid:0d3b1874,vid:b-bNBgMhpNM,st:0

5.2.5.  「声」総括

 引用事例のバランスの悪さが気になるが、「稲村氏の演説のここが良かった」という記事に巡り合えなかった。私のパソコンにフィルターがかかっているのだろうか?

 

6.   「ファクトかデマか」

 

6.1.  「当選すると外国人の地方参政権が成立」するという言説が拡散 (前出)

 これに対して「稲村氏は外国人参政権を公約にしておらず、この言説を自ら否定しています」(前出)と反論したが、これでは不十分だったと思う。

 稲村氏は芦屋市長であったとき、自らの退職金を1年目の500万円から最終、3期合計5,000万円に引き上げている。(注)以下のサイトでは、稲村氏の実績も評価している。

https://iscgh2022.jp/inamura-kazumi-taisyokukin/

 もちろん「退職金を合計5,000万円にする」という「公約」は掲げていなかっただろう(私は尼崎市民でないので読んでいない・未確認)。「公約にあげていないから、しない」という論理は成り立たない。更に「稲村氏は極左の『緑の党』の共同設立者の一人で、緑の党は外国人参政権を主要政策としている」(前出)という経緯(ファクト)がある。「当選すると外国人の地方参政権が成立」は、「ファクト」を積み重ねて帰結し得る、合理的な推論で「デマ」に当たらないと思う。ただ、本人が否定しているので、本人にその意思があるような表現だと、ウソになる。断定的に表現すると、レッドラインを越えてしまいそうだ。選挙になると皆さん断定的な表現になる。

 マスコミ(及び稲村氏?あるいは、その支持者?)はこれを『ネットはデマをふりまく』として、攻撃した。結果として、稲村氏は多くのネットを敵に回してしまったのだろう。(以上、藤波)

以下、https://news.yahoo.co.jp/articles/fad1771764de45da6ac0b992e362475877898725/comments (前出)

 ネットの情報は、昔も今も玉石混淆です。

 ですが、TV等の情報が玉ではない事が周知の事実となった今多くの人はネットでの情報から、「自分の信じる情報」、「理屈の通った情報」を追うようになりました。

 今回も、メディアが出す数々の違和感ある情報に反発する形で「より論理的と思える情報」や、問題とされる事よりも「今後の県政を動かせる実行力等に期待した内容」を、是とする人が多かったのだと思います。(括弧は藤波が追記)

 (以下、藤波)ネットのデマに振り回される人もいるが、マスコミからの情報のみに頼るのではなく、玉石混交のネットの中から信頼できる情報を引き出して、妥当な判断を導き出している人もたくさんいるだろう。日本人は、バカばかりではない。

 

6.2.  「疑惑は捏造」だ、「斎藤氏は被害者」だ (前出)

 これはデマともファクトとも言えないと思う。兵庫県で折角「県議会調査特別委員会(百条委員会)」や「弁護士でつくる第三者委員会」を立ち上げたのに、その結論が出ないままに県議会が「知事は資質欠く」という恣意的(証明不可能)な理由で不信任案を通してしまったので、公式な結論はまだ出ていない。

 そこで、“私は「疑惑は捏造」だ、「斎藤氏は被害者」だと思う”と言うのも自由だし、“私は「疑惑は捏造」と思わない、「斎藤氏は被害者」だと思わない”と言うのも自由だろう。今の時点で「疑惑は捏造」「斎藤氏は被害者」をデマだと決めつけることはできない(ただし、その根拠に嘘があれば、デマと言える)。デマだと決めつけるにはそれなりの根拠が必要だ。自分の気に入らない意見に安易に「デマ」というレッテルを貼って流布すれば、それこそ「デマ」と言われかねない。(以上、藤波)

 

6.3.  立花氏が流したという「デマ」

 立花氏が流したという「デマ」については、私は直接読んだり聞いたりしていないのでよく分からない。解説記事などを読むと、事実に即しない情報や悪質なところも多々あり、かつ、少なからぬ影響があったようだ。

 問題があるところについては、断罪しなければならないだろう。また、悪質なデマに惑わされないためにどのようにすればよいか、考えていかないといけない。民主主義を守るために、デマ対策は今後必須になっていくだろう。(以上、藤波)

 ちなみに、斎藤陣営は「(立花側と)一切連絡を取っていない」と言っている。

 以下、https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/84446?page=4

 もう一つ、支持者動員の大きな要因になったのが、斎藤を当選させるために出馬したというNHK党の立花孝志による発信だ。選挙制度を揺るがす、その脱法的行為に加え、YouTubeXで文書問題に関するデマ含みの暴露情報、元県民局長の人格を貶めるような憶測、百条委の県議たちへの攻撃を流して耳目を集めた。斎藤の街宣終了後、居残った聴衆に向けて行う「ハイエナ街宣」(と本人が称していた)も人気を集め、多くの人たちがこれを「真実」と受け取っていた。

 

6.4.  「敗因はデマ」とは言えない

 事実でない情報の拡散や悪質なデマもあっただろうが、稲村氏は多くの要因があって落選したのであって、「デマで落選した」とは言えないと思う。そう言って終わらせると、大切なことを見落としてしまう。(藤波)

 

7.   選挙後の、稲村氏と立花氏のコメント

7.1.  稲村氏

 「候補者の資質を問うというより、何を信じるかということが大きなテーマになった選挙だと感じています」と振り返った。また、日に日に注目度が増した選挙戦に「斎藤候補と争ったというより、何と向かい合っているのかなという違和感があったのは事実です」と首をひねった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c367b06053d50bf6225fdb486e28fb194610713e

 

7.2.  ニコニコニュースの開票特番

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202411170001755.html

7.2.1.  稲村氏

 県職員や県民とのコミュニケーションを訴えたが、その点があまり争点にならなかったと語った。また、斎藤知事時代の県政のガバナンスの問題点が知事選の発端として「もともとこの問題がスタートした経緯と、今回選挙戦で(ネットで)拡散したストーリーに少しズレがあるのではないか」と振り返った。

7.2.2.  立花氏

 「ネットの特徴で、テレビを見ていると総合的にやるので、自分にいいことも言ってくれるし自分に嫌なことも言ってくれるから、なるほど、と思うでしょうけど、ネットって自分が心地いい情報しか聞かない人が多い」と例をあげ「今の稲村さんの話を聞いていると、何で自分が落選したのか、よく分かっていらっしゃらない」と指摘した。