2019年10月31日木曜日

(1773) 「決意を新たにする」のが最も無駄(大前研一)

 
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(K0914)  健康寿命のカギを握る「歯」「目」「関節」/山科章(1) <体の健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/10/k0914-1.html
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☆☆
決意を新たにしたが、それだけで終わることが多かった。行動が伴わなかったからだ。逆に、とりたてて決意は無いのだが、行動が先走る事がある。後から「決意」を考えてつじつま合わせするのだが、これは進んでいく
☆☆
 
 Facebook友達のNoriko Matsuoさんの投稿(10/30)から。

===== 引用はじめ
 大前研一は、自分を変える為には
「決意を新たにする」のが最も無駄で、
「時間配分・付き合う人・住む場所」を変えるべきと説く。
どんなに立派な決意でも 決意自体に効果はなく、
未来は行動によってしか変わらない。
===== 引用おわり
 
 行動を変えることが大切。未来は行動によってしか変わりません。
 
 ちょうど関連する記事を読みました。
 
===== 引用はじめ
 「南ニ死ニサウナ人アレバ 行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ」。そのくだりがあるページには、いったん「シヅカニ」と書いてから「行ッテ」と修正した跡や、本文とは別に赤字で「行ッテ」と記した箇所がある。
 「賢治は『行ッテ』という言葉を大切にすることによって、行動の重要性を伝えようとしたのです」。龍谷大文学部の鍋島直樹教授(真宗学)は、そう話す。
===== 引用おわり
 
 宮沢賢治の「雨ニモマケズ」は黒革の手帳に書き留めてあった。詩の体裁になっているが、生前に発表された作品ではなく、賢治自らが理想とする生き方を個人的に記したものだった。

 宮沢賢治は行動の人でした。「行って」にこだわりました。
 

<出典>
【記者発】「雨ニモマケズ」の教え 大阪総局・小野木康雄
産経新聞(201910/26)
https://www.sankei.com/column/news/191026/clm1910260004-n1.html
 
写真は、
https://serai.jp/news/56549
 



2019年10月30日水曜日

(1772) 【来月予告】『法華経』。【投稿リスト】西田幾多郎『善の研究』 / 100分de名著

 
◆ 最新投稿情報
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(K0913)  終末期の確かな予想 / 平穏死(A-7)<臨死期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/10/k0913-7.html
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【来月予告】 『法華経』 / 100de名著
 
201911月号 (100de名著)    テキストは、10月25日発売(NHK出版)
『法華経』。講師:植木雅俊(仏教思想研究家)
 
 釈迦がほんとうに伝えたかったこと
 
 アジア諸国で「諸経の王」として広く信奉されてきた「法華経」。日本でも仏教界は勿論のこと『源氏物語』や松尾芭蕉、宮沢賢治など文学にも影響を与えてきた。サンスクリット原典から日本語訳を果たした著者が、宗教書にとどまらない「思想書」として本書を読み解く。
 
※ 今回は、20184月に放送した番組のアンコール放送です。私は既に書いているので、新たには取り上げません。私が書いたもののリストは、以下を参照してください。

(1215) 『法華経』(投稿リスト)、来月予告:神谷美恵子『生きがいについて』 / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.jp/2018/04/1215100de.html
 
 

【投稿リスト】 西田幾多郎『善の研究』

公式解説は、
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/92_nishida/index.html
 


私が書いたのは、

(1741)  西田幾多郎『善の研究』(0) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/09/1741-0100de.html

(1745)  西田幾多郎『善の研究』(1-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/10/1745-1-1100de.html

(1747)  西田幾多郎『善の研究』(1-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/10/1747-1-2100de.html

(1750)  西田幾多郎『善の研究』(2-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/10/1750-2-1100de.html

(1752)  西田幾多郎『善の研究』(2-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/10/1752-2-2100de.html

(1754)  西田幾多郎『善の研究』(2-3) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/10/1754-2-3100de.html

(1759)  西田幾多郎『善の研究』(3-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/10/1759-3-1100de.html

(1761)  西田幾多郎『善の研究』(3-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/10/1761-3-2100de.html

(1766)  西田幾多郎『善の研究』(4-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/10/1766-4-1100de.html

(1768)  西田幾多郎『善の研究』(4-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/10/1768-4-2100de.html
 


<出典>
若松英輔(2019/10)、西田幾多郎『善の研究』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

2019年10月29日火曜日

(1771)  日本を発信(6)  Japan Braces for What Could Be Strongest Typhoon in 51 Years

この51年で最も強大な台風に備える日本
 
 
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(K0912)  台風19号犠牲 半数70歳以上 <高齢期の安全・安心>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/10/k0912-19.html
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☆☆
JFは、自然災害の危険性に警鐘を鳴らし続けている。さらに、日本語が分からない訪日中の外国人のために、刻一刻変わる巨大台風の情報を英語で得ることができるサイトの情報も紹介し、最大限の警戒を呼びかけた
☆☆
JAPAN Forward(JF)
 


 今年、これまでで最も読まれたJFの記事も残念ながら台風の記事だった。
 
 「なぜ、日本がこんな目に遭うのか」「神のご加護と慈悲がありますように」「日本を助けに行きたい」「犠牲者の冥福と家族の癒やし、復興を願います」「神様、どうか日本を助けてください」「大好きな日本のために祈ろう」「日本よ、強くなって」…。JFのSNS上には、世界各国の読者からこんな応援のメッセージがあふれている。
 
 被災者に心を痛め、日本のために祈ってくれている外国人たちが少なからずいる事実は、復興を進める日本にとっては大きな力であり、希望である。心から感謝したい。
 
 地球温暖化が進む現状では今後、これまで経験したことがないようなスーパー台風が日本を襲ってくることが日常的になるのかもしれない。激甚化する災害と懸命に闘い、さらに強靱(きょうじん)な国土づくりに動く日本と日本人の姿を、JFは世界に届けていきたい。
 


<出典>
  原文 英語
Japan Braces for What Could Be Strongest Typhoon in 51 Years
http://japan-forward.com/japan-braces-for-what-could-be-strongest-typhoon-in-51-years/
  日本に滞在し「日本語は読めないが英語なら読める人」を対象にし、直接役立ちそうな記事を掲載しています。
 
  新聞記事
JAPAN Forward 日本を発信】スーパー台風と闘う
http://japan-forward.com/japanese/【japan-forward-日本を発信】スーパー台風と闘う/
産経新聞(2019/10/58)
https://www.sankei.com/column/news/191028/clm1910280005-n1.html
 
<前回>
(1757)  日本を発信(5)  Racist ‘The Times of London’ Article Hits UK Military Rugby Team and RWC2019 Host Country Japan
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/10/1757-5-racist-times-of-london-article.html


2019年10月28日月曜日

(1770) ギブ&テイクには4種類ある

 
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(K0911)  平穏死するために超えなければならない3つの課題 / 平穏死(A-6)<臨死期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/10/k0911-6.html
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☆☆
ギブ&テイクには4種類ある。今のギブ and/orテイクは、どれに当たるのか。見誤ると不満が残る。ギブとテイクを関連付けると、もはやボランティアとはいえない。恩返し(返報性)だけなく、恩送りもよい
☆☆
 
 10/25「男のサロン」に参加して、その中で「テイクからギブへ」という話がありました。私が思ったことを書きます。サロンで話し合った内容ではありません。
 
 
 ギブ&テイクに4種類あると思いました。
 
1.   関連付けられたギブ&テイク
 二者間にギブとテイクがあり、関連付けられている。
 例えば、商行為。代金をもらいサービスを他提供するとき、両者は関連付けられてる。代金が支払われなくなったらサービス提供を止めるし、代金が半分になれば、サービスも半分にする。
 これが入り込むと、ボランティアではなく一種の取引だと思う。

1.1.  バランス
 バランスが取れていると安定し長続きしやすい。

1.2.  アン・バランス
 バランスがとれいてないと不安定で長続きしにくい。現実は、バランスが取れていない方が多い。
 ギブは大きく見積もりがちで、テイクは小さく見積もりがちなので、双方が不満をもつことが多い。
 

2.   テイク無きギブ、ギブ無きテイク
 テイクがなくてギブだけ、あるいは、ギブがなくてテイクだけ

2.1.  テイク無きギブ
 例えば、親切の押し付け。AさんはBさんに親切をギブしたつもりになっているが、Bさんは必要としないのでテイクしない。

2.2.  ギブ無きテイク
 例えば、赤ちゃんの笑顔を見て元気が出る。私には元気が出るというテイクがあった。赤ちゃんは嬉しいので笑っただけで、ギブしようとは思っていない
 

3.   恩返し(返報性)のギブ&テイク
 まずギブがあり、それに対する恩返し・返報としてテイクが返される。

3.1.  同じ対象
 育ててもらった親を介護する。
 頂いた親切に、お礼の品を送った。

3.2.  違う対象
 恩師に多くのことを教えてもらった。後輩に伝えていく(一種の恩送り)。
 

4.   恩送りのギブ&テイク
 ギブとテイクの相手が違い、時期も違う。二つ目は保障されない。

4.1.  テイクが先、ギブが後
 生まれて当分は親に育てられる、長じて親になり子を育てる。

4.2.  ギブが先、テイクが後
 親を介護する、自分が年取ったら子に介護してもらう。


消費税込み(220円)

2019年10月27日日曜日

(1769) 「いのちの大切な言葉 ~ ことのは語り」(木村悠方子)

 
      最新投稿情報
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(K0910)  家族と人口 / 「家族の解体」(2) <家族の再構築><少子高齢化>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/10/k0910-2.html
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☆☆
私が講演をするときは、先ず原稿を書き、それに即して話します。それでは駄目だなと実感しました。先ず伝えたいことがあり、それを非言語表現も含めてどのように伝えるかが大切。こういう気づきもいただきました
☆☆
 
 昨日、木村悠方子(マサコ)さんの講演を聞きました。とても良い話でしたが、チラシのタイトル「食といのちの大切な話『いただきます』」と少し違っていたので、ここでのタイトルは上に示したようにしました。
 
 来賓は「キムタクのお母さんの話が聞けるのを楽しみにしていたが、講演前にお話をしていて考えを改めました。これから、木村悠方子さんのお話を聞くのが待ち遠しくなりました。因みに、彼女のお子さんの一人が、キムタクです。」と挨拶されました。
 
 私は、珍しくメモを取らずに聞きました。というのは、木村悠方子さんの話は、目で文を読むのではなく、耳で聞くものだと思ったからです。言葉の大切さ、いのちの大切さを伝えるのに、書かれた文字列だけでは無理。話すことにより、文字列では伝えられないものを伝えられると感じました。ですから、メモをとることはあまり意味がなく、聞くことに集中して良かったと思います。
 
 何故、書き言葉でなく、話し言葉でなければならないのか。それは、木村さんの講演が、頭に働きかけるものではなく、心に働きかけるものだからです。それは、心に異物を注ぎこもうとするのではなく、それぞれの人の心の中にある大切なものを呼び覚まそうとするものです。
 
 「朝起きたら、おはようと元気な声で口に出そう」「鏡に自分の姿を映して、褒めてから出かけよう」とか、冒頭に聞いたことを書けば、こんな表現になります。しかし、これは木村さんが伝えようとした大きな塊の一部でしかなく、その一部に目を注いでしまうと、全体が見えなくなってしまいます。
 
 木村さんの講演を要約することは、あまり意味がないと思います。何が語られたかが大切なのではなく、語りかけられて変わった、各々のこころの変化が大切だからです。それは、人によって違うはずです。
 
 これから、木村悠方子さんの講演会のチラシを見かけたら、是非、聴講してください。お勧めします。
 
 どのような話を聞けるか、気になる方は、例えば、
https://kouenplus.com/profile/kimura_masako/
 今回の講演会のタイトルと一致しています。昨日の講演は、少し違っていました。「これから結婚する人や母親になる人、とくに小さなお子さんのいるお母さん」もいたけれど、そうでない人が多かったので、少しアレンジされたのかもしれません。
 

<出典>
講演会: 木村悠方子、「食といのちの大切な話『いただきます』」、「生命の教育講演会」、主催 公益財団法人 新教育者連盟 兵庫支部、なでしこホール(西宮市)、2019/10/26
 
ことのは語り木村悠方子先生に聞く、[特別インタビュー]「いただきます」から始まる食育と子育て、生命の教育 令和元年7月号、P.19


 

2019年10月26日土曜日

(1768)  西田幾多郎『善の研究』(4-2) / 100分de名著

 
◆ 最新投稿情報
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(K0909)  穏やかに死ねない理由(患者側・医師側) / 平穏死(A-5)<臨死期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/10/k0909-5.html
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☆☆
「思考」「思索」「思惟」という言葉があります。「思考」は、俗にいう「あたま」で行うものです。「思索」は「こころ」の営みです。しかし、「思惟」は「こころ」の奥にあるもの、世にいう「いのち」の営みです
☆☆
 
第4回  28日放送/ 30日再放送
  タイトル: 「生」と「死」を超えて
 
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 


【テキストの項目】

(1)   西田幾多郎に出会う三つの窓
(2)   随筆――恩師との交わり
(3)   西田の生きる態度
(4)   悲哀を感じ直す

(5)   短歌――詩と哲学のつながり
(6)   言葉にならないおもい
(7)   最終論文――真の「自己」に出会う
(8)   死を経ても「生きる」存在
 


【展開】

(1)  西田幾多郎に出会う三つの窓
(2)   随筆――恩師との交わり
(3)   西田の生きる態度
(4)   悲哀を感じ直す

 以上については、既に書きました。
 

(5)   短歌――詩と哲学のつながり
 俳句も短歌も真の目的は、言葉によって「真の生命」をとらえることにある。俳人、歌人がとらえようとしているのは「物」の「形」ではなく、「物」の「姿」にほかならない。五感が感覚する「形」は、いわば哲学の「概念」に似ている。それらを超えたところにある「姿」、すなわち「真の生命」に近づこうとしている。
 
(6)   言葉にならないおもい
 西田もまた、次のような短歌を残しています。
  妻も病み 子ら亦病みて 我宿は 夏草のみぞ 生ひ繁りぬる
  世をはなれ 人を忘れて 我は唯 己が心の 奥底にすむ
  人は人 吾は吾なり とにかくに 吾行く道を 吾は行くなり
 西田の短歌を読んでいると、彼の心のなかにあって、容易に言葉にならないおもいがありありと感じられます。
 
(7)   最終論文――真の「自己」に出会う
 西田が最晩年に書いた「場所的論理と宗教的世界観」は、まさに遺言といってもよい論文です。事実、この論文が発表されたのは、西田の没後です。
 ここで西田は、哲学とは「意識的自己」を超えた真の「自己」に出会うことだと述べています。私たちは同質のことを『善の研究』において、至高の「善」とはなにかを語る西田の言葉に見てきました。
 
(8)   死を経ても「生きる」存在
 人間には、生きて、小さな生命を開花させるだけではなくて、死を経て、大いなる生命に生きるという道がある。『善の研究』での「永遠の真生命」は根本問題の一つでした。ここでの西田は人間は死を経てもなお、「生きる」存在であると断言します。
 思考力を高めたければ「あたま」を鍛えればよいのでしょう。しかし思索を深めたければ「こころ」を動かさなければなりません。もし、「思惟」によって世界を感じたいなら「いのち」の地平に立ち、他者と己れが分かちがたい関係にあることに目覚めなければなりません。
 


<出典>
若松英輔(2019/10)、西田幾多郎『善の研究』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

 

2019年10月25日金曜日

(1767)  キーワード「Y・A・N・A」(中本 渉氏)

 
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(K0908)  憲法と家族 / 「家族の解体」(1) <家族の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/10/k0908-1.html
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☆☆
「Y・A・N・A」=Y「やってみよう!」、A「ありがとう!」、N「なんとかなる!」、A「ありのままに!」。確かに良い言葉たちだ。それらが機能し始めると何が起こるか、どのようなときに機能不全になるか
☆☆
 
 Facebook友だち中本 渉さんの記事(10/23)からの引用です。
 
 「たった一度の人生、その貴重な人生を過ごす中でより幸福感を得るにはどうするか、について話す機会がこのところ増えている。いろいろな参考資料を読み漁っているうちにキーワードを発見」として「Y・A・N・A」を紹介されています。
 
(1)  Y=「やってみよう!」
 夢や希望を考えるとき、幸福感を生みだすこと

(2)  A=「ありがとう!」
 感謝の言葉はマジックフレーズ、感謝の気持ちをつねに他人に伝えること

(3)  N=「なんとかなる!」
 今、ここにいる自分を丸ごと受け容れること

(4)  A=「ありのままに!」
 オンリーワンの人生、他人と比較することなく、人目を気にせず、自分らしくいること
 


 以下は、私(=藤波)の感想です。
 
 これの良いところは、
   いつでもスタートできる
   自分らしく進められる
   自他ともに明るくなる
   人をまきこむ力がある
 
【展開】

   いつでもスタートできる
 何かを始めようとするとき、「準備不足ではないか」と思って踏み出せないことが多くあります。「やってみよう!」「なんとかなる!」と、ともかく始めてみると、問題点がゾロゾロでてきます。それを一つ一つやっつけていくと、ゴールに近づけます。やってみないと、何が問題か、なかなか分かりません。ここでたくさんの時間を使ってしまうと、タイミングを逸するだけで、無駄が多いです。
 
   自分らしく進められる
 難しいことに挑戦しようとするとき、人は構えてしまいます。「今のままではうまくいいかない」 → 「頑張らねば」「今の私のままではいけない」。どうしても無理が出てしまいます。難しいことに挑戦するときは簡単には進まず、駄目だと半ばあきらめながらも、くらいついて突破します。無理が持続する時間には限界があります。また、「今の私のままではいけない」にこだわると、「今の私の良さ」が消えてしまいます。ここにいる自分を丸ごと受け容れて「なんとかなる!」、自分らしくいて「ありのままに!」。この時、自分のもっているポテンシャルが十二分に顕れます。
 
   自他ともに明るくなる
 暗い気持では、元気がでないし、人も寄ってきません。「ありがとう!」と自分に言えば明るい気持ちになるし、「ありがとう!」と言われた人も明るくなります。「ありのままに!」いてよい私は、とても安らかな明るい気持ちになれます。「ありのままに!」は自分勝手に行動することを意味しません。鎧兜を脱ぎ捨て、素の自分のままでいることです。そのような人は、他人の「ありのままに!」をも認めます。「ありのままに!」でいいよと接してもらった人は、明るく元気になります。
 
   人をまきこむ力がある
 人一人でできることは限られています。うまくいって振返ってみると、たくさんの人の協力があったことに改めて気づきます。成功するか否か、協力者の力が大きく影響します。人をまきこもうとしても、なかなかうまくいきません。「やってみよう!」「ありがとう!」という気が充満しているところに、人は入ってみたくなります。
 


 ちなみに、せっかく「Y・A・N・A」ができても、ここに我執(I)が入り込むと暗転します。
 I・Y・A・N・A = 嫌な(IYANA)ヤツになってしまいます。

 

2019年10月24日木曜日

(1766)  西田幾多郎『善の研究』(4-1) / 100分de名著

 
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(K0907)  病院での最期だから、苦しむのです / 平穏死(A-4)<臨死期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/10/k0907-4.html
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☆☆☆☆☆
『善の研究』からではなく、随筆、短歌、最終論文「場所的論理と宗教的世界観」などからでも西田哲学の中核にふれることができる。すべての学問は「人情」のためである、という実感が、西田のなかで深められていった
☆☆☆☆☆
 
第4回  28日放送/ 30日再放送

  タイトル: 「生」と「死」を超えて
 
【テキストの項目】
(1)   西田幾多郎に出会う三つの窓
(2)   随筆――恩師との交わり
(3)   西田の生きる態度
(4)   悲哀を感じ直す
 
(5)   短歌――詩と哲学のつながり
(6)   言葉にならないおもい
(7)   最終論文――真の「自己」に出会う
(8)   死を経ても「生きる」存在
 
【展開】

(1)  西田幾多郎に出会う三つの窓

 西田幾多郎の中核にふれようとする場合、もちろん『善の研究』を熟読するという道があります。しかし、ここを正面突破することしか道がなければ、西田哲学は多くの人に開かれているとは言えません。
 他の道の選択肢としては、以下の三つが挙げられると思います。
   随筆
   短歌
   最終論文「場所的論理と宗教的世界観」
 

(2)   随筆――恩師との交わり

 「特に数学に入るか哲学に入るかは、私には決し難い問題であった。尊敬していた或先生からは、数学に入るように勧められた。哲学には論理的能力のみならず、詩人的想像力が必要である、そういう能力があるか否かは分からないといわれるのである。」
 「或教授の退職の辞」という随筆の一節です。私小説家のように自らの境涯を熱く語っています。西田は哲学だけでなく、数学的な才能にも恵まれていました。「或先生」とは、西田の恩師、北条時敬のことです。
 

(3)   西田の生きる態度

 西田の生涯とは、人目につかないところで、火花が散るような思惟の連続だったといってよいと思います。
 さまざまな無常を感じさせる出来事のなかでもっとも深刻な打撃を与えたのは、愛する者たちの死でした。そうした経験を重ねるなかで、西田が改めて感じ直したのは「人情」の重みです。
 西田のなかで深められていったのは、すべての学問は「人情」のためである、という実感でした。
 自分の力で人生を切り拓く、という態度ではなく、人生が差し出してくる問いに、どこまでも誠実に応答しようとすること、それが西田幾多郎の生きる態度でした。
 

(4)   悲哀を感じ直す

 若き日に姉を病で亡くし、日露戦争で弟を、さらに伴侶と息子、四人の娘を喪っています。西田にとってその悲しみは、乗り越えがたい試練でしたが同時に、この世界の深みをのぞき込む「窓」にもなったのです。
 『無の自覚的限定』という著作の中でも西田は「哲学の動機は『驚き』ではなくして深い人生の悲哀でなければならない」と書いています。
 

 以下については、後に書きます。
(5)   短歌――詩と哲学のつながり
(6)   言葉にならないおもい
(7)   最終論文――真の「自己」に出会う
(8)   死を経ても「生きる」存在
 
<出典>
若松英輔(2019/10)、西田幾多郎『善の研究』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)