2019年1月31日木曜日

(1500)  オルテガ「大衆の反逆」(0) / 100分de名著

 
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(K0641) 「中間領域」 (1) トクビィル <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/01/k06411.html4
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2月の「100de名著」、オルテガ「大衆の反逆」が、2月4日()から始まります。Eテレ。
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
講師は、中島岳志(評論家、東京工業大学教授)
 


<全4回のシリーズ>  いずれも2月

【はじめに】  過去の英知と共に生きる
 
第1回  4日放送/ 6日再放送
  タイトル: 大衆の時代
 
第2回  11日放送/13日再放送
  タイトル: リベラルであること
 
第3回 18日放送/20日再放送
  タイトル: 死者の民主主義
 
第4回 25日放送/27日再放送
  タイトル: 「保守」とは何か
 


【はじめに】 過去の英知と共に生きる
 
===== 引用はじめ
 今回、この『大衆の反逆』を通じてみなさんと考えたいと思っているのは、「リベラルと民主主義」という問題です。
===== 引用おわり
 
 ここまでに既に「大衆」「リベラル」「民主主義」という言葉が出てきます。簡単に箇条書きすると、

  大衆が社会的中枢に躍り出すと、民主制が暴走し、民主主義が崩壊する

  大衆と対極にある存在を貴族と呼ぶ

  貴族は、リベラリズムを身に付けている

  リベラルとは、自分と異なる他者と共存しようとする寛容さといったもの

となります(添付図参照)。

 

4回の放送のタイトルをみると、

第1回  大衆の時代
第2回  リベラルであること
第3回  死者の民主主義第4回守」とは何か
 

 すでにこの世を去った「死者」たちの存在が、現代や未来に対する制約になっている ――― 第3回では「死者の民主主義」について書いてあり、さらに、立憲主義の主体は「死者」である――と立憲主義についても書いてあります。


 今日の政治の世界でも「リベラル」「立憲主義」「民主主義」「保守主義」「自由主義」という言葉が盛んにでてきますが、オルテガの使っていた言葉とは、違うようです。
 
 ですから、ここで学んだことで現在の政治家が言っていることを理解しよとしてもうまくいきません。特に「リベラル」という言葉は、オルガノの言っているリベラル、米国民主党のリベラルのイメージ、東西冷戦時代に主に保守側が口にしていたリベラル、冷戦終焉後に左派が使い始めたリベラル、これらは別物のようです。立憲民主党の「立憲」も、オルテガの言った立憲と形式的には似ているが、違っているように思えます。

 

 言葉というものは時代と共に変わるものであり、変化していくことに何の問題もないと思います。ただ、同じ言葉を違った意味で使っていると、とても混乱してしまいます。
 
 ここでは、今、政治の世界で使われている意味はさておき、オルテガがどういう意味で使っていたかを学びます。
 


<出典>
中島岳志(2019/2)、オルテガ、「大衆の反逆」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



2019年1月30日水曜日

(1499)  あなたの組織の鈴さん(朝ドラの福子のお母さん)

 
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(K0640)  すまコミュニティビジネス大学(2) 退職に伴う空白は喪失である <定年後>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/01/k0640-2.html
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 NHK連続テレビ小説「まんぷく」の鈴さんの話題です。見ていない人、ごめんなさい。
https://www.nhk.or.jp/mampuku/
 

 ヒロイン福子のお母さん、鈴さんは、我が強い人です。他人の想いには頓着せず、自分の考えを主張します。身勝手だと思うのだけれど、なぜか憎めません。なぜ憎めないかが、話題になりました。演じている松坂慶子の人柄が良いからだという意見に賛成しますが、それだけではないような気がします。
 
 紹介してきた「風と共に去りぬ」の解説を思い出しました。

 

 「性悪型のヒロインが何故嫌われない?」。鈴さんを「性悪型のヒロイン」と比較するのは、気の毒ですが。。。
 
 『風とともに去りぬ』100de名著の解説者は、「ボケとツッコミの文体」だと言っています。
===== 引用はじめ
 スカーレットはいわゆる性悪女です。利己的で傲慢、ちゃっかり屋でセンター気質(常に自分が一番の注目を集めていないと気が済まない性格)な上に、信仰心は薄く、殺人、嘘、略奪婚、盗み、恐喝、身売りと、手を染めていない悪事がないほど何でもやっています。ところが、スカーレットは不思議と嫌われないキャラクターです。
 語り手は、しじゅうスカーレットに共感を寄せて語ります。「そうよね。そうよね」と言うように彼女の気持ち優しく表現しながら、最後には「何言うてんねん」とばかりに、彼女のいけずぶりを暴露したり辛辣に批判したりする。
===== 引用おわり
 
 このツッコミの役割を、福子役である安藤サクラさんが上手に演じているというのが私の解釈です。
 
 福子はお母さんの言動を驚きと困惑でただ受け取っている。お母さんへの批判とか恨みを感じさせず、お母さんを変えようとせず、自らが深刻になったり悲しみに打ちひしがれたりすることもない。この間合いが、素晴らしい。
 
 見ている人はお母さんの我儘にだんだん腹を立てストレスを貯めるが、福子の反応をみて、「やっぱり変だよね」と留飲を下げる。しかし、福子はジメジメせずにサラッと受け流すので、視聴者も一緒に自分の中にため込んでいたものを吐き出し、すっきりする。このような動きになっていると思います。
 

 つまり、鈴さんのような人がいても、対応次第で丸く収められる可能性があるということです。
 
 鈴さんのような人がいる組織も、多いのではないでしょうか。それに対して、腹を立てたり、イライラしたり、ましてや追い出したりしない。当人は当人らしいまま、周囲もイライラせず、単純に受け入れて流す。そういう処世術を福子(安藤さくら)が垣間見せている、と私は思いました。
 

<ご参考>
NHK連続テレビ小説「まんぷく」のホームページは、
https://www.nhk.or.jp/mampuku/

2019年1月29日火曜日

(1498)  (41) 島崎藤村『破戒』 / 「明治の50冊」

 
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(K0639)  すまコミュニティビジネス大学(1) ビジネス企画発表会 <定年後>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/01/k0639-1.html
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1.   どんな小説か?
 
2.   詩人 → 教員 → 小説家 → 自費出版 → 反響
 
3.   多様な面
3.1.  自然主義文学
3.2.  新しい文体で社会問題を取り上げた
3.3.  新しい文体
3.4.  自我の葛藤に重点を置いた「告白小説」
 
4.   賛否

4.1.  称賛
4.1.1. 夏目漱石:激賞した
4.1.2. 下村抱月:革新性をたたえた

4.2.  批判
4.2.1. 「許してください」は屈服
4.2.2.  (批判に対して)社会にあるゆがみを示唆している
 
5.   今日的な意義
 


【展開】

1.   どんな小説か?

 出自の秘密を抱えた青年の自我の苦悩を社会問題と絡めながら鋭くえぐり出し、人間のありのままの姿を描こうとする自然主義文学の出発点となった記念碑的作品だ。
 

2.   詩人 → 教員 → 小説家 → 自費出版 → 反響

 刊行時、藤村は34歳。若い頃すでに東京の文壇で詩人として名をなしていたが、長野県で6年にわたる教員生活を送る中で小説家へ転身。2年がかりで取り組んだ『破戒』は、自費出版ながら同時代の作家たちの間で反響を呼んだ。
 

3.   多様な面

3.1.  自然主義文学
 刊行の翌年には、『破戒』に刺激を受けた田山花袋の自己告白小説『蒲団(ふとん)』が発表された。同作とともに明治末の文壇を席巻する自然主義文学の源流となるなど、後世への影響も大きい。

3.2.  新しい文体で社会問題をとりあげた
 「明治20年ごろから文学のテーマが社会から個人に移ってきた流れに逆行するような形で、『破戒』が個人の悩みを社会問題とつなげた特異性」に注目。「文体面でも新しく、さらに社会問題というそろそろ文学ではマイナーになりつつあった点も絡めているところがこの作品を非常に目立ったものにした」(文芸評論家の伊藤氏貴・明治大准教授)。

3.3.  新しい文体
 冒頭の「蓮華寺では下宿を兼ねた」という書き出しは有名だ。簡潔な三人称の文体が清新さを持つ

3.4.  自我の葛藤に重点を置いた「告白小説」
 自我の葛藤に重点を置いた「告白小説」の名作と位置づける文学史家も多い。
 

4.   賛否

4.1.  称賛

4.1.1. 夏目漱石:激賞した
 「明治の小説として後世に伝ふべき名篇(へん)也…明治の代に小説らしき小説が出たとすれば破戒ならんと思ふ」(藤村と同時期に小説を書き始めた夏目漱石)

4.1.2. 下村抱月:革新性をたたえた
 「我が文壇に於ける近来の新発現」「小説壇が始めて更に新しい廻転期に達したことを感ずるの情に堪へぬ」(自然主義文学運動をリードした評論家の島村抱月)
 
4.2.  批判

4.2.1. 「許してください」は屈服
 丑松が生徒たちに向かって「『許して下さい』を言いながら板敷の上へ跪(ひざまず)いた」とする終盤の告白場面は、社会の差別と偏見に対し立ち向かうのではなく屈服を選んだとして、厳しい批判を受けた。

4.2.2. 社会にあるゆがみを示唆している
 (批判に対して)丑松が被差別部落出身であることを告白すべき問題だとして悩むこと自体が、社会にあるゆがみを示唆している。「結末近くで丑松が謝ったことの是非がしばしば問題になるが、そもそも謝る以前に、『隠す/隠さない』という告白の悩みが社会問題そのものだった」
 

5.   今日的な意義

 本来は社会問題なのに、自身でも気づかないうちに自我の問題にすり替わってしまう。現在の性的少数者(LGBT)差別を考える際にも、『破戒』が示した問題はいまだ古びていない。
 

【プロフィル】島崎藤村(しまざき・とうそん)
 明治5年、筑摩県馬籠村(現岐阜県中津川市)の旧家に生まれる。本名・春樹(はるき)。上京し明治学院で学び、「文学界」に参加して浪漫主義詩人として出発し『若菜集』などを発表。のち小説に転じ『破戒』『春』『新生』などで自然主義文学の代表的作家に。他に歴史長編『夜明け前』などがある。昭和18年、71歳で死去。
 


<引用>
島崎藤村『破戒』 絡み合う自我の苦悩と社会
【明治の50冊】 産経新聞(2019/01/14)
 
(41)島崎藤村『破戒』 絡み合う自我の苦悩と社会
https://www.sankei.com/life/news/190114/lif1901140021-n1.html

2019年1月28日月曜日

(1497) 【来月予告】:オルデガ「大衆の反逆」。【投稿リスト】「風と共に去りぬ」 / 100分de名著

 
(1497) 【来月予告】:オルデガ「大衆の反逆」。【投稿リスト】「風と共に去りぬ」 / 100de名著
 
 
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(K0638)  大坂の寺院、4月から。葬儀・供養も「福祉」 <葬式><地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/01/k0638.html
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【来月予告】 オルデガ「大衆の反逆」 / 100de名著
 
2019年2月号 (100de名著)    テキストは、1月25日発売(NHK出版)
オルデガ「大衆の反逆」。講師:中島岳志(作家、東京工業大学教授)
 
真の保守思想とは何か?
 
少数意見を認める寛容さや、個人の理性を超えた先達の良識を重んじる真の保守思想こそが、大衆化社会における民主主義の劣化を防ぐ処方箋となる――。利己的な「大衆社会」の暗部をあぶり出し、合意形成の大切さを説いた、今こそ読み解かれるべき本。
 


【投稿リスト】 「風と共に去りぬ」

公式解説は、
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/83_kazeto/
 

私が書いたのは、
 
(1472)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(1-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/01/1472-1-1100de.html
 

(1474)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(1-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/01/1474-1-2100de.html
 

(1477)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(2-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/01/1477-2-1100de.html
 

(1479)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(2-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/01/1479-2-2100de.html
 

(1485)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(3-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/01/1485-3-1100de.html
 

(1487)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(3-2) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/01/1487-3-2100de.html
 

(1491)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(4-1) / 100de名著
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/01/1491-4-1100de.html
 

(1493)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(4-2) / 100de名著 
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/01/1493-4-2100de.html
 

<出典>
鴻巣友季子(2019/1)、マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

(1496)  「明治の50冊」(31)~(40)のリスト / 「明治の50冊」

 
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(K0637)  葬儀までも社会化するのだろうか? <葬式><家族の再形成>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/01/k0637.html
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(1398)  (31) 幸徳秋水『廿世紀之怪物帝国主義』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/10/1398-31-50.html
 

(1404)  (32)与謝野晶子『みだれ髪』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/10/1404-3250.html
 

(1409)  (33) 正岡子規『病牀六尺』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/11/1409-33-50.html  10
 

(1415)  (34) 村井弦斎『食道楽』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/11/1415-34-50.html
 

(1424)  (35) 小泉八雲『怪談』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/11/1424-35-50.html
 

(1431)  (36)上田敏『海潮音』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/11/1431-3650.html
 

(1452)  (37)北沢楽天『東京パック』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/12/1452-3750.html
 

(1458)  (38) 夏目漱石『吾輩は猫である』 / 「明治の50冊」
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/12/k05993.html
 

(1476)  (39) 夏目漱石『坊ちゃん』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/01/1476-39-50.html
 

(1488)  (40) 岡倉天心『茶の本』 / 「明治の50冊」
http://kagayaki56.blogspot.com/2019/01/1488-40-50.html
 


  前回のリストは

(1393)  「明治の50冊」(21)(30)のリスト / 「明治の50冊」
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2019年1月26日土曜日

(1495)  ケンカの仕方

 
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(K0636) 「開かれた寺」の可能性 <居場所>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/01/k0636.html
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 次のようにケンカをする人たちがいます。
 
===== 引用はじめ
 まず威張った態度で強い言葉や大きな声を出して委縮させようとする。
 2つ目は、周囲に訴え見方を増やして有利になろうとする。
 3つ目は、争点をずらして別の争点を持ち出して挽回しようとする。
===== 引用おわり
 
 常に謙虚に反省し、誤っていたことがあれば正していくことは、建設的な態度だと思います。その時に、このようなケンカをしても、良いものは何も生まれません。ケンカの相手をしても、生産的なものは生まれず、お互いに品位がさがっていくだけです。
 


 私には、こういう友達はいないのですが、このようなケンカを仕掛けられた時、どう対応すればよいか、考えてみました。
 
(1)  「このようなケンカは生産的でないと思います。事実をもとに、話し合いましょう」と提案するのが第一歩だと思います。しかし、このようなケンカをしかけてくる人は応じない可能性が高いでしょう
 
(2)  次に、ケンカを避けることです。このような人とつきあっても、このようなケンカにつきあっても、何も生まれません。「私には、こういう友達はいない」と書きましたが、そもそもそういう人とは友達にはなりません。しかし、それでも追いかけてきて、ケンカを続けようとする可能性が高いでしょう
 
(3)  関りを避けられるなら避けるのがよいと思いますが、ストーカーのように付きまとわれて避けられないこともあります。その場合は、このケンカに焦点を当てず、幅広に「理不尽に私にケンカをふっかけると、結局損をするのは貴方ですよ」と知っていただく方法もあると思います。本当は、こういうことをしないですめばよいのですが、正当防衛をすべきときには、すべきでしょう。
 

 例をあげて説明します。韓国は中国に対して、決してケンカを売りません。何故なら、過去の歴史において、何度も痛めつけられ、ケンカをしても勝てないと民族のDNAが告げているからでしょう。これが(3)の原理です。
 この点については、やむを得ない場合は、日本も中国から学ぶのがよいかもしれません。
 


 産経新聞が「韓国人のケンカ仕方」という記事を出し、それをプライムニュースで取り上げ、騒ぎになっているかのようですが、私は、何の問題もない記事、報道だったと思います。むしろ、大切なことを教えていただいたと思っています。
 
 本件については、色々な意見が出ています。

 
 Youtubeに、多くの意見が書き込まれています。
https://www.youtube.com/watch?v=sU9xUDwVWJI
 
 参考までに、私は意見が違うのですが、朝日新聞の報道も紹介しておきます。
https://www.asahi.com/articles/ASM1T76KMM1TUCVL02Z.html
 
 しかし、それにしても不思議です。Youtubeを見た時点で626件の投稿があり、全部は確認していないが、「韓国人のケンカの仕方」の記事やプライムニュースの報道は当然だとしており、それが広くいきわたっている意見のようです。
 一方、朝日新聞の記事では「フジ報道に差別と批判の声」と書いていますが、批判の声をインターネットで探しても、朝日新聞以外には出てきません(きっと皆無ではないでしょうが)。どうなっているのでしょうか?
 

 産経新聞の元の記事はインターネット上から削除されています。元の記事は、例えば、以下に掲載されています。賛否色々意見はあると思いますが、自分の目で原文を読み、自分頭で判断しましょう。
http://dametv2.cocolog-nifty.com/blog/2019/01/post-6441.html
 


<出典>
黒田勝弘、韓国人ケンカの仕方
【ソウルからヨボセヨ】 産経新聞(2019/01/26)
 
また、インターネット閲覧時の状況を添付図に示します。



(1494)  サラリーマン川柳 投票受付中(b)

 
      最新投稿情報    この記事の「姉妹編」です。
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(K0635)  サラリーマン川柳 投票受付中(a) <定年後>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/01/k0635-a.html
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 第一生命のサラリーマン川柳、優秀100句が決定。投票受付中(1/223/15)。
https://event.dai-ichi-life.co.jp/company/senryu/
 

 「サラリーマンを終えた私にも響いたもの」を紹介します。
 
  私好み。うまい!

  飛車よりも 健康将棋じゃ 「歩」が強し (組織の駒)

 「やせなさい」 腹にしみいる 医者の声 (べごちゃん)

  ちょっといい? ちょっとで終わった 試しなし (散らかりカレンダー)
 

  今の私ですね。

  頼まれる お手すきのとき ありません (うどんはいから)

  例の件? ありすぎて困る 何の件? (まじめ人間)
 

  確かに働いていたときにそういうこともありましたが、退職後に集団に入ると、そこの会議も似たようなものです。

  会議中 本音と建前 懐疑中 (怪傑もぐり33世)

  意見出せ 出したとたんに 担当者 (七色とうがらし)

  忖度で ちがう意見が 一致する (団塊世代)

  本題を 外れ会議は 活気づく (安田 蝸牛)
 

  上司批判として書かれていますが、退職後のわが身がそうなってしまっていないか、自戒の言葉にもなると思います。過去ではなく、今を見つめ、未来を語りましょう。

 「あの頃は!」 今を語れぬ 我が上司 (カマキリ)

  夢を持て そういう上司も 夢見せて (よみ人しらず)
 

   最後に。このパターンは使えそう

  組織人 英語で言えば YESMSN! (NO MAN)

2019年1月25日金曜日

(1493)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(4-2) / 100分de名著 

 
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(K0634)  居住支援法人制度(1) 法改正 <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/01/k0634-1.html
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第4回  28日放送/ 30日再放送

 タイトル:すれ違う愛
 
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25 
 
【テキストの項目】


(1)  レットとの結婚と、目覚めない性
(2)  すれ違うスカーレットとレット
(3)  霧の向こうに見えたものは
(4)  メラニーの死と、二組のセックスレス夫婦
(5)  レットとメラニーの絆、そして秘密
 
(6)  メラニーはすべてを知っていたのか
(7)  ミッチェルの執筆順から読み解く真相
(8)  仮面道化師の仮面がはがれるとき
(9)  自分の本当の心には誰も気づけない
(10)メラニーという虚空
 


【展開】

(1)  レットとの結婚と、目覚めない性
(2)  すれ違うスカーレットとレット
(3)  霧の向こうに見えたものは
(4)  メラニーの死と、二組のセックスレス夫婦
(5)  レットとメラニーの絆、そして秘密
以上は、既に書きました。
 

(6)  メラニーはすべてを知っていたのか

 メラニーは、アシュリとスカーレットの関係をどうやら気づかないまま、亡くなったようでした。
 

(7)  ミッチェルの執筆順から読み解く真相

 ミッチェルは、この長編小説を、結末(メラニーが他界するあたりからエンディングにかけて)から冒頭に向かって遡る形で書いていました。ミッチェルが理想とする悪を知らない慈しみの聖女として最初に描かれた(物語では最後の)メラニーは、小説を書き進めるにしたがって、そのキャラクターはだんだんと深化し、ときに分裂し、重層化していったのではないでしょうか。
 

(8)  仮面道化師の仮面がはがれるとき

 自分が本当に愛していたのはレットだったと気づき、走って家に帰ってきたスカーレット。しかし、そこにいたのは自分を優しく迎えてくれるレットではなく、疲れきって故郷を求める45歳の一人の男でした。
 それまでのレットは真の愛を隠してアウトローを気取り、それがゆえに女王スカーレットに辛辣な指摘をしても許されていた仮面道化師だったのではないでしょうか。その仮面がすり減って、はがれてしまいました。
 スカーレットは悲しみに打ちひしがれて、「いまレットを失うことを考えたら、気が狂ってしまう。とりあえず、あしたを考えよう」と「いつもの呪文」を唱えます。「あしたは今日とは別の日だから」

 “ Tomorrow is another day“
 このセリフを以て、物語は幕を閉じます。レットの愛がすり切れるというアンチクライマックス、この先の物語を読者の想像に委ねるオープンエンディングで、小説は終わります。
 

(9)  自分の本当の心には誰も気づけない

 主要登場人物の四人はそれぞれ、自分の本当の気持ちに気付けなかったという共通点があります。
 スカーレットはアシュリへの愛は本物だと思っていましたが、そうではなかったと気づきます。また、あれほどうっとうしく思っていたメラニーが、実は自分のたった一人の女友だちだったことにも気づきます。
 アシュリはメラニーの強さや真価を知らないまま、穏やかな彼女を自分の夢の一部にしてしまいました。
 レットは恋愛経験も豊富ですし、だいたいのことについては目端が利くのですが、自分とスカーレットの関係だけは先が読めませんでした。
 

(10)メラニーという虚空

 最後にメラニーです。メラニーはアシュリとスカーレットの関係を知っていたのかという問いの答えを改めて述べるならば、彼女は何も知らないと同時に、やはり全てを知り、全てを飲み込む黒のヒロインだった。
 


<出典>
鴻巣友季子(2019/1)、マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)