随意契約による備蓄米の放出が始まった。
「6月2日にも店頭に『5キロ2,000円』の米が並び、市場競争を促し、銘柄米も含む市場全体の価格抑制を図る」ということだが、そんなことは起こらないと思う。
価格の「3層化」が進むと言われている。
・ 備蓄米(随意契約) 2,160円程度を予測
・ 備蓄米(競争入札) 3,500円前後
・ 銘柄米 4,400円超
(いずれも5kg
税込み)
これは起こるが、備蓄米(競争入札)や銘柄米は値崩れしないだろう。
理由は三つある
(1)高く買った米を安くは売れない
(2)米は生鮮食料品ではないので、急いで売る必要はない
(3)備蓄米(随意契約)は直ぐなくなり、次は出てこない
今回放出される備蓄米は、約30万トンで、年間国内需要量の5%程度だという。
365日 × 5% = 18日
仮に、備蓄米(競争入札)と銘柄米とが全く売れず、備蓄米(随意契約)だけが売れるとして、18日間待てば、備蓄米(競争入札)はなくなる。
今回の放出が完了すると備蓄米の在庫は半分の30万トンまで減り、すぐ、底をつく可能性がある。即ち、「二の矢はない」。あっても小規模になる。
零細な町の米屋は、米が入手できずに困っている。つまり高値で買ったコメの在庫は、わずかである。
原価の高い米を抱えこんでいるのはJA農協で、彼らは体力があるから、18日間売れなくても、大きな問題はない。高く買ったものを値下げして売ると赤字が出る。彼らは、値下げするわけがないと思う。私なら、そうする。じっと待つ。
決論として、値崩れは起こらない。一時的に安い備蓄米(随意契約)が市場に出回るが、備蓄米(競争入札)と銘柄米の値段は、ビクともしない。「バーゲンセール」で終わる。
小泉農相は、スピード感がある。この短時間で、よくぞ進めた。また、石破首相が3,000円台といっているのに、2,000円台で勝負しにきた。その判断は良いと思う。
ただ、備蓄米(随意契約)『効果』があるのはせいぜい1月程度で、すぐ「昔話」になってしまうだろう。
根本的な解決の片鱗も見えていない。1か月程度の「執行猶予」期間に熟考し、根本的・永続的な解決方法を編み出せるか、小泉農相の手腕がこれから試される。
写真は、https://www.sankei.com/article/20250528-L7UTTYN47NMNBGY2S7BV47OFBE/