2019年7月26日金曜日

(1675)  ロジェ・カイヨワ『戦争論』(0) / 100分de名著

 
◆ 最新投稿情報

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(K0816)  認知症の人が輝ける場に <脳の健康>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/07/k0816.html
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 「100de名著」 ロジェ・カイヨワ『戦争論』が、85()から始まります。Eテレ。

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
講師は、西谷修(哲学者)
 


<全4回のシリーズ>  いずれも8

【はじめに】  人間にとって戦争とは何か
 
第1回  5日放送/ 7日再放送
  タイトル: 近代的戦争の誕生
 
第2回  12日放送/ 14日再放送
  タイトル: 戦争の新たな次元「全体戦争」
 
第3回  19日放送/ 21日再放送
  タイトル: 内的体験としての戦争
 
第4回  26日放送/ 28日再放送
  タイトル: 戦争への傾きとストッパー
 
 
【はじめに】  人間にとって戦争とは何か

 
 「戦争の終わり」は純然たる平和の回復になったのではなく、その「平和」は破滅の核戦争の予兆に曇った、「棚上げされた平和」だった。あるいは、恐怖で「凍結された戦争」だったのかもしれません。
 二十世紀の戦争は「世界戦争」であり、あらゆる人びとの生存を巻き込む人類的な体験だった。もはや戦争は単に国家の問題でもなく、また軍人や政治家だけの問題でもなく、われわれ万人にとっての、あるいは人類にとっての問題だとカイヨワは考えたのです。
 
 「戦後」はすぐに「冷戦」の状況に入ります。人間は懲りずにまた戦争をする姿勢を崩さない。これはほとんど人間の性な(サガ)のではないか。カイヨワは、一般的な政治的考察や歴史的考察ではなく、人間とその社会の本質に、どうようもない「戦争への傾き」があると考え、それを見つめて、人類の行方を考えようとしました。
 カイヨワは、軍事的な戦略や国家の政策の良し悪し、あるいは人間の善悪の問題としてではなく、人類学者・社会学者の視点から戦争を考えました。集団としての人間の「あり方の問題」として、人間とはこういうものだと、いったん受け止める。そして戦争を、総じて人間の文明そのものと不可分の事象として扱います。そのようにして書かれた本が『戦争論』なのです。


<出典>
西谷修(2019/8)、ロジェ・カイヨワ『戦争論』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)


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