2018年2月15日木曜日

(1150)  定義・「エコノミー」 / シビックエコノミー(3)

 
      最新投稿情報
=====
(K0291)  マンション 認知症トラブル <脳の健康>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2018/02/k0291.html
=====
 

===== 引用はじめ

今、国や行政ではなく、私たち「市民」が主体となった活動が世界各地で展開しています。それらをシビックエコノミーという言葉によって「市民による新しい経済活動」と唱える紫牟田伸子さん
===== 引用おわり
シビックエコノミーがつくる社会―自分たちでつくり、循環させる経済 1/2
http://www.a-m-u.jp/report/201605_civiceconomy1.html/
 


「シビックエコノミー」のうち「シビック」については前回書いた。
今回は「エコノミー」について。
 

===== 引用はじめ (紫牟田伸子の発言)
でも「エコノミー」という言葉で言われた瞬間に、「あ、なるほど循環のことか」と思ったんですね。エコノミーというのは、いってみればものをつくるとか、それからそれを運ぶとか、それを食べるとか、享受するまでの一連の流れのことを指しています。
===== 引用おわり
同上
 

「エコノミー」が何故、循環なのかは、よくわからない。
 

===== 引用はじめ
エコノミー

1 経済。理財。
2 節約。
===== 引用おわり
デジタル大辞泉(小学館)
 

===== 引用はじめ
economy

1 : the structure or conditions of economic life in a country, area, or period; also : an economic system  

2 a : thrifty and efficient use of material resources : frugality in expenditures; also : an instance or a means of economizing : saving  
b : efficient and concise use of nonmaterial resources (such as effort, language, or motion)

3 a : the arrangement or mode of operation of something : organization
b : a system especially of interaction and exchange ·an economy of information

4 archaic : the management of household or private affairs and especially expenses
===== 引用おわり
Merriam-Webster Online
 

いずれにおいても、エコノミー(Economy)に「循環」という意味は含まれない。
 
 

紫牟田の発言の中に「エコノミーというのは、いってみればものをつくるとか、それからそれを運ぶとか、それを食べるとか、享受するまでの一連の流れのことを指しています」とある。一方economyの一つ目の意味として “the structure or conditions of economic life in a country, area, or period; also : an economic system”とある。この二つが呼応しているのではないか。
 
恐らく、志牟田にとって、1対1の対応は「ビジネス」であり、「シビックエコノミー」はそういうビジネスではない。「シビックエコノミー」には複数の関係者が登場し、相互関係が生じる。そこには”structure”, ”conditions”, ”system”があり、一連の流れがあり、循環が内蔵される。
 
 
添付図(講演資料から抜き出し)で、「1対1のエコノミー」はビジネスであり、「他対他のエコノミー」が「シビックエコノミー」を表しているのだろう。読み解いていきたい。
 
(1)  二つの「▲▲▲▲」

 ここにお金の流れがあり、かつ不可欠な流れだろう。もしもこれらがないと、上段は、寄付金を得ながら受益者にサービスを提供する普通の活動団体であり、下段は、ごく当たり前のビジネス(1対1のエコノミー)であり、それを同じ絵に並べたにすぎない。「▲▲▲▲」があるから循環があり、「シビックエコノミー」たりえる。
 

(2) 「活動団体」「非営利部門」「共感団体」「営利部門」

 「活動団体」は、「寄付金を得ながら活動団体が、受益者にサービスを提供する」であり、新しくない。「共感団体」はCSRに熱心な会社であり、新しくない
(注)企業の社会的責任(英: corporate social responsibility、略称:CSR)とは、企業が倫理的観点から事業活動を通じて、自主的(ボランタリー)に社会に貢献する責任のことである。(Wikipedia
「非営利部門」「営利部門」の両方を含む会社が少し新しく、「シビックエコノミー」を中心的に担う者だろう。
 

(3)  市民の存在

 この絵に「市民」はいない。「シビックエコノミー」の「シビック(市民)」は、潜在的に二か所に登場する。
  起業者・経営者・従業員・支援員として「非営利部門・営利部門の両方を含む会社」で活動する「主体的に地域の課題を解決しようとする市民」。ここでは、市民は単独で動かず、団体の一員として活動している。
  「シビックエコノミー」に関わる会社から(少し高くても)製品を購入する商品購入者

 
「シビックエコノミー」の「エコノミー」は、このようなものであろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿