2017年11月28日火曜日

(1071) 高齢社会を支える法理念 / 「家族と高齢社会の法」(7) (放送大学)


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(K0212) 私が死ぬときの意思決定 <臨死期>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/11/k0212.html
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目標&ポイント

===== 引用はじめ
 第6章までは、変容する家族(少子高齢化、家族観の多様化)の中で、結婚・離婚等、家族のメンバーの間での問題について法的な仕組みと課題について学んできた。
 今後の講義では、増え続ける高齢者に着目して、家族が小さくなっていくなかで、社会との関係において高齢者が直面する諸問題(認知症、年金、介護、医療等)について、法がどの様に対処しているのかの仕組み(成年後見制度・社会保障)について学ぶ。
 その前提として、本章では、高齢社会を支える法理念、社会保障の理念について学ぶことにする。
===== 引用おわり
 

第7~14章で、高齢期に関するキーワードを法的な側面から見ていく。

キーワードとは、「法理念」「成年後見制度」「相続と遺言」「公的年金」「社会参加」「住まい」「介護」「医療」である(添付図参照)。

 
(1) 社会権
 個人の自由な経済活動、社会活動により生活を支えるのが基本ではあるが、病気や失業など個人の力だけでは解決できない問題によって生活が困難になることもあり、個人や家族の力を超えた社会全体での取り組み、国家レベルでの支え合いが必要となり、社会権の考え方が登場した
 

(2) 憲法第25条と生存権
 日本国憲法もまたいくつかの社会権に関する規定を置いている。その中で、第25条(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)の規定は、生存権を保障した規定として重要な意味を持っている
 

(3) 憲法13条と自己決定権
 憲法13条に定める「個人の尊重」「幸福追求権」には、個人が一定の私的事項について、公権力による干渉を受けずに自ら決定することの保障を含むと解され、これを自己決定権と呼ぶ。
 

(4) 権利擁護
 高齢社会においては、認知症などにより、自分の権利を自分で守れない状況にある高齢者の権利擁護は重要な課題である。そこで、平成12年、介護保険制度導入と同時に、判断能力が不十分な、あるいは失った人を定型的に捉えて保護するため、民法改正等により新しい成年後見制度が整えられた

 
(5) 憲法25条と社会保障
 憲法25条の生存権をよりどころに、日本の社会保障は発展してきた。社会保障の理念は「広く国民に健やかで安心できる生活を保障する」ことであり、社会保障とは、「国民の生活の安定が損なわれた場合に、国民にすこやかで安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行うものである

 
(6) 個人の自律の支援
 国民の生活保障に留まらず、より根源的には「個人の自律の支援」、すなわち「個人が人格的に自律した存在として主体的に自らの生き方を追求していくことを可能とするため条件整備をすることが社会保障の究極的な目的である」という見解がある

 

<構成> 第7章 高齢社会を支える法理念

1. 基本的人権と高齢社会を支える法理念
2. 変容する家族(少子高齢化、家族間の多様化)の背後にある法理念
3. 自分の人生は自分のもの―自己決定権―
4. 権利擁護
5. 人たるに値する生活と社会保障
 

出典
川島志保・布施憲子、「第7章 高齢社会を支える法理念」、川島志保・関ふ佐子、「家族と高齢社会の法」、放送大学教材(‘17)


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