2017年11月27日月曜日

(1070)  変わるライフコース / 「人口減少社会の構想」(7)(放送大学)


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(K0211)  行政の一部、住民が担う <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/11/k0211.html
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目標&ポイント

===== 引用はじめ
ライフコースとは、個人が生まれてから死ぬまでの人生の軌跡である。人々が社会のなかでどのような役割を取得し、どのような出来事をたどって歩んでいるのかに着目した用語である。人の一生が長寿化し、ライフコースの多様化・個人化が進んだことが、ライフコースへの関心を高めている。ライフコースの推移と現状から人生の変化をみる。
===== 引用おわり

 

第3項の「現代のライフコースの諸相」の概要を示す。
 

(1) ライフコース区分の相対化

 ライフコースをみる際、生涯をどのように区分するかは重要なテーマである。社会変動が激しい近年では、従来の区分が必ずしも通用しなくなっている。

 ライフコースの前半期においては、とくに結婚制度が流動化し、「結婚」や「家族形成」が必ずしも規範的なできごととはみなされなくなっており、「標準的」なライフコースの設定は難しくなってきている。

 ライフコース後半期においては、「いつまでも若いままでいたい」という若さ志向が強くなり、生物学的な年齢と社会的年齢との乖離が生じ、年齢によって規定された役割や行動様式(年齢規範)が弱体化してきた。

 
(2) ライフコース・パターンとジェンダー

 2015年時点で8割を超す女性は、どのような形態であれ就業することを前提としている。さらに、予定のライフコースとなると、9割を超す女性は結婚や出産後の就業を予定している。

 9割を超す男性はパートナーが就業することを望んでいる。しかも、パートナーに対して仕事と家庭を両立するライコースを望む男性が3割を超えて急上昇している。

 
(3) 高齢期の長期化と要介護期の出現

 長寿化によってライフコースの後半期が長期化していることは現代の著しい特徴である。

 前期高齢期に関しては、元気な高齢者が増加しているため、中年期と高齢期の境界ははっきりと区別できるものではなくなっている。

 後期高齢期に関しては、介護の長期化問題を抱えている。公的年金の額は低下しつつあり、単独世帯がますます増えている。今や、平均寿命を延ばすことより、健康寿命を延ばすことに社会の関心は向けられつつある。

 
(4) 変わるライフコースと生活設計

 結婚するかしないか、終身雇用制の内部で働くか働ないか、いつ引退するか、誰に老後をみてもらうかなどの重要な課題が、多様化・流動化していて、当事者の意思決定にゆだねられる傾向が強まっている(添付図参照)

 

「第7章 変わるライフコース」の目次

1. 生涯をライフコースでみる
(1) ライフコースとは
(2) 長寿化とライフコース

2. 変わるライフコース
(1) 工業化時代のライフコース
(2) ライフコースの個人化
(3) ライフコース・スケジューリング

3. 現代のライフコースの諸相
(1) ライフコース区分の相対化
(2) ライフコース・パターンとジェンダー
(3) 高齢期の長期化と要介護期の出現
(4) 変わるライフコースと生活設計
 

出典

宮本みち子、「第7章 変わるライフコース」、宮本みち子・大江守之、「人口減少社会の構想」、放送大学教材(‘17)


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