2017年10月15日日曜日

(1026) 超高齢・多死社会の到来 / 「人口減少社会の構想」(2-2)(放送大学)


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(K0167)  健康長寿を目指して / 100歳時代プロジェクト会議(2) <システムの構築>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/10/k0167-2.html
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目標&ポイント
===== 引用はじめ
 前章では、20世紀の人口増加を振り返るとともに、21世紀の人口減少の見通しがどう変わってきたかを、その最大の原因である少子化の進展とあわせてみてきた。
 本章では、人口減少社会を人口構造の側面、とくに高齢化の側面からみていく。
 なぜ高齢化が進むのか、超高齢社会とはどのような社会なのかを理解することを目標とする。
===== 引用おわり
 

高齢化の議論はほとんど高齢化率を用いて行われているが、それでは不十分である。
テキストを読んで、いくつかの指標を拾い上げる

(1) 高齢化率 …  高齢化の議論はほとんど高齢化率を用いて行われている

(2) 高齢者の絶対数 … 要介護高齢者数、高齢者の住まいや施設など高齢者の絶対数に規定される事象が少なくない

(3) 高齢人口の高齢化 … 介護保険のあり方などに関係する

(4) 高齢化の速度 … わが国の高齢化はその到達水準が高いだけでなく、そのスピードが速いことも特徴である

(5) 世代間関係が世代ごとに変化している  …年金制度をはじめとする社会保障制度の改革を急速に進めなければならない

(6) 新たな多死時代の到来 …  大量の高齢者が長い高齢期を生き、尊厳をもって死を迎えられる社会でありたい

 

【詳細説明】

(1) 高齢化率 …  高齢化の議論はほとんど高齢化率を用いて行われている

  7%を超えると、高齢化社会(ageing society)」:人口転換が始まる以前は多くの国の高齢人口割合は7%前後よりも低いレベルにあったが、人口転換が進むと徐々にその値は上昇を始めた

  14%を超えると、高齢社会(aged society)」:欧米諸国において15%前後で一旦高齢化の速度が緩やかになったことを背景に、7%が2倍になる倍化年数を算出する際に使われたことで1つの目安とされた

人口転換とは、多産多死から多産少子をへて少産少死にいたる人口動態変化のことであり、その経験則である人口転換理論は転換終了後にTRF(Total Fertility Rate。合計特殊出生率)が人口置換水準を維持することを示唆している。

(図2-6参照)
 

(2) 高齢者の絶対数 … 要介護高齢者数、高齢者の住まいや施設など高齢者の絶対数に規定される事象が少なくない

  高齢人口が2015年から2055年までの40年間に3,500万人以上の規模で維持し続ける

  2040年代前半に4,000万人に迫るピークが訪れる

(図2-4参照)

 
(3) 高齢人口の高齢化 … 介護保険のあり方などに関係する

高齢人口における後期高齢人口の割合は、1990年には40%であったが、2060年には70%近くまで上昇する見通しである

(同じく、図2-4参照)

 
(4) 高齢化の速度 … わが国の高齢化はその到達水準が高いだけでなく、そのスピードが速いことも特徴である

  「高齢人口の割合が7%から14%に到達する年数はフランスの126年に対し日本の24年との5倍の速さである」という表現がよくつかわれてきた。

  しかし、フランスが特殊である。4050年の国が多くそれほど極端とは言えない。韓国や中国と比べると、似たようなものである

(図2-5参照)

 

(5) 世代間関係が世代ごとに変化している  …年金制度をはじめとする社会保障制度の改革を急速に進めなければならない

我が国の場合、親子関係にある

  190010年代と193040年代(ピラミッド型)

  193040年代と196070年代(釣り鐘型)

  196070年代と19902000年代(壺型)

が、それぞれバランスの異なる支え合い関係をつくらざるをえない状況が形成されてきた。

図参照(ビラミット型・釣鐘型・壺型)
http://www.giroj.or.jp/disclosure/risk/risk66-3.pdf

 

(6) 新たな多死時代の到来 …  大量の高齢者が長い高齢期を生き、尊厳をもって死を迎えられる社会でありたい

  我が国の将来は、近代以前の多死とは異なる「多死社会」になると見通される。近代以前の多死とは生まれた子どもが多く死亡することだった。

  1954年から1984年までの30年間の年間死亡数は四捨五入して70万人になる状態であり、死亡の絶対数も小さかった。

  しかし、将来推計によれば、2024年から2070年までの46年間にわたり、150万人を超える死亡が発生すると見通されている。そしてその圧倒的に多くを高齢者の死亡が占める。

(図1-3参照)

 


「第2章 超高齢・多死社会の到来」の目次

1. 人口ピラミッドの逆転
2. 超高齢社会の到来
3. 長寿・多死社会

 

出典
大江守之、「第2章 超高齢・多死社会の到来」、宮本みち子・大江守之、「人口減少社会の構想」、放送大学教材(‘17)






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