2017年6月4日日曜日

(893) 「大乗仏教」「菩薩道」「智慧」「慈悲」「六波羅蜜」「四無量心」「四折法」 / 『維摩経』(1-2)



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   『100分で名著』 6月日() 22:25 22:50 Eテレ 放映

(1)  「大乗仏教」
(2)  「菩薩道」


 仏教は「智慧」と「慈悲」の獲得・実践を目指す教えである。このどちらが欠けても仏教は成立しない。「六波羅蜜」で「智慧」を目指し、「四無量心」「四折法」で「慈悲」を大切にする

(3)  「智慧」
(4)  「慈悲」
(5)  「六波羅蜜」
(6)  「四無量心」
(7)  「四折法」
 


<各論>

(1)  「大乗仏教」

 大乗仏教は釈迦が直接説いた教えではないものの、釈迦の深い悟りの世界を明らかにして、「救い」や「信仰」などの問題に取り組んだ仏道である。「出家者も在家者も同じように悟りを開き成仏することもてきる」と考える。

 
(2)  「菩薩道」

 もともと菩薩とは、悟りを開く前の釈迦を指していたのだが、大乗仏教では自らの悟りを求め(自利)他を導く(他利)、この菩薩道を歩む者すべてを指すことになった。また、この道を歩む者はみんな、成仏する(悟りを開いて仏陀となる)ことができると主張した。

 
(3)  「智慧」:自分というフィルターを通さずにものごとの本質を見る


(4)  「慈悲」:目の前にいる他者に対して、たった一人の我が子のように寄り添う


(5)  「六波羅蜜(ロツパラミツ)」:大乗仏教が定めた修行法

   「布施」:施しをすること。その意味は、
   自分の持っているものを手放す。
   「持戒(ジカイ)」:戒めを守ること。その意味は、
   自分への「執着を捨てて」、相手のことを思いやりながら、ゆずりあって生きる。
   「忍辱(ニンニク)」:よく耐え忍ぶこと
   「精進(ショウジン)」:よく努め励むこと
   「禅定(ゼンジョウ)」:心静かに瞑想すること
   「智慧(チエ)」:ものごとの実相を体得すること


(6)  「四無量心(シムリョウシン)」:仏教における理想的な精神

   「慈悲無心」:限りない慈しみの心
   「悲無量心」:他者の痛みを共にする心
   「喜無量心」:他者の喜びを共にする心
   「捨無量心」:自らの都合を捨てていく心

 
(7)  「四折法(シショウボウ)」:仏教における理想的な行為

   「布施」:施しを行う
   「愛語(アイゴ)」:相手を慈しむ言葉を使う
   「利行(リギョウ)」:他者の為に行為する
   「同時(ドウジ)」:みんなで協力してよい社会を作る

 

 このような説明をいくら書き並べても、仏教がわかるわけではないし、悟りに近づけることもないだろう。一つ一つの言葉に奥行きがあって、それぞれ、いっぱいの時間をかけ、いっぱい教えてもらい、いっぱい考えないと、真意に近づけないだろう。

 それでも、このようにまとめてみることは、意味があると思う(だから書いている)。これからいろいろと経験する、話を聞いたり、考えたりするとき、これは、あの言葉に関することではないかと目安がつくと、全体の中で自分が今どこにいるのか、何に関わっているのかがわかりやすくなり、そうすると理解が深まるのではないか。ここに書いたことは、そういう意味があるのではないか。
 

出典:
釈徹宗、『維摩経』~とらわれない、こだわらない~、「100DEで名著」、NHKテキスト(2017/6)

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