2020年4月19日日曜日

(1944) yousei(要請)をkyousei(強制)に読み替える文化

 
◆ 最新投稿情報
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(K1085)  実績のある、守りのデマンド交通 <高齢者の移動>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1085.html
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「要請」と「強制」と使い分け。「強制」は例外を許さないが、それぞれ事情がある。「要請」という言葉でも皆「強制」と受け止め、しかるべき人が「強制」を破っても、納得できるなら「お目こぼしする」高度な文化
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===== 引用はじめ
 英単語のつづりには、表記されていても声に出さない文字がある。「knife(ナイフ)」や「knock(ノック)」の頭につく「k」が、代表例としてよく知られている。これを「黙字」と呼ぶそうである。
 英語の先祖にあたる古英語では、いまの「黙字」もしっかり発音されていた。ものの本にそう書いてある。時代とともに音が省略され、表記だけが残ったらしい。思えば英語にかぎらない。声に出さなくとも読み取らなければならない黙字は、現代の日本にもある。
===== 引用おわり
 
 「”yousei”の頭についた黙字の”k”を、読み取れぬ人が多い」という。
 
===== 引用はじめ
 不要不急な外出の自粛「要請」。歓楽街などに向けた休業「要請」。ウイルス禍の広がりで全国に拡大された緊急事態宣言だが、都内ではまだ、夜遅くに場末の居酒屋から笑い声が漏れてくる。「yousei」の頭についた黙字の「k」を、読み取れぬ人が多い。
===== 引用おわり


【ここからは、私(藤波)の意見】
 「要請」を「強制」に読み替える能力は、知恵として、元来日本に備わっているが、それが弱化しているのではないかと私は、感じている。
 
 「強制」は例外を許さない。しかし、人それぞれ事情があり、強制されるべきでないこともあろう。その例外を列挙するのは現実的でない。そこで、「要請」という言葉でも皆「強制」と受け止め、どうしても無理だよなと皆が思うような例外があったら、その人が「強制」を破っても、「お目こぼしする」という高度な文化が日本にあった。これには高い民度が必要だが、最近低下してきているのではないか。その背景に、以下の傾向があると思う。
 
(1)  私の利益を得るために、他者に迷惑をかけることは気にしない
 「『ヨドバシカメラマルチメディアAkiba』は、床が見えないほどの人たちでフロアが埋め尽くされていました。ざっと見る限り、150人くらいは密集していたのではないでしょうか。みんな殺気立っていて、“3なんて気にしている様子はなかった。
 「実はこの日、これらの店舗には、家庭用ゲーム機『Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)』と人気のソフト『リングフィット アドベンチャー』が大量に入荷するという情報が出回ったんです。集まったのはそれを狙った転売ヤーです。
https://www.jiji.com/jc/bunshun?id=37198
 
(2)  ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許される
 新型コロナ禍のさなか、昨日(3/22)、埼玉スーパーアリーナにおいて有名格闘イベントであるK-1が強行開催されました。K-1強行開催は典型的な「トロッコ問題」です。
 この興行を中止してしまうと、主催者や関係者は多大な被害を被る。それを避けようとして強行開催し、非難を浴びた
https://news.yahoo.co.jp/byline/takashikiso/20200323-00169243/
 
(3)  危険に対する洞察力の劣化
 … 一方で、地元のスーパー、商店街は人で溢れかえっているという状況です。結局、密の状況を一人ひとりがつくって、意図せずしてつくっているということでありまして、ここで皆様、意図をもっていただきたい。意図をもって密をつくれ、と言っているのではなく逆です。
 スーパーもご家族で一緒に行こうという話になりがちですけど、結果として密の状態になってしまって、最近はスーパーの店員さんなども非常にストレスを感じられたりもしている。…
 小池東京都知事
https://www.ryutsuu.biz/government/m041641.html
 

===== 引用はじめ
 黙示の「k」といえば、「night(ナイト=夜)」の頭についた「knight(勇士)」も思い浮かぶ。日々の自制と自粛に心を砕く一人一人が、息苦しい夜から社会を救うことのできる「勇士」である。憎らしいウイルスどもに、いつまでも暮らしを乱されてはならない。
===== 引用おわり
 
<出典>
【産経抄】 産経新聞(2020/04/19)


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