2020年4月18日土曜日

(1943)  コッローディ『ピノッキオの冒険』(3-2) / 100分de名著

 
◆ 最新投稿情報
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(K1084)  先進的な、攻めのデマンド交通 <高齢者の移動>
http://kagayakiken.blogspot.com/2020/04/k1084.html
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ピノッキオに良い子になることを促したのが仙女の甘やかしであるかもしれないという側面も含めて、大人の期待に沿って「良い子」として成長することが果たして本人にとっていいことか、という疑問は開かれたままだ
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第3回  20日放送/ 22日再放送
  タイトル: 子どもをめぐる労働と不条理
 
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25

【テキストの項目】


(1)  心優しいイルカと蒸気機関車
(2)  働きバチの村
(3)  ぼくは働くために生まれてきたんじゃない
 
(4)  人間になりたいという気持ちの芽生え
(5)  教科書を投げつける大喧嘩
(6)  三たび鼻が伸びる
(7)  自立への一歩?
 
【展開】
(1)  心優しいイルカと蒸気機関車
(2)  働きバチの村
(3)  ぼくは働くために生まれてきたんじゃない
 以上は、既に書きました。
 
(4)  人間になりたいという気持ちの芽生え
 ピノッキオは、大人の女性になった仙女を母親と呼べることを喜び、人間になりたいという意思を初めて示しました。仙女は「それにふさわしいことをしめすことができたら」人間になれると言いました。さらに、怠けることを戒め、怠け癖は大人になるまでに直さなければならないものだと言います。
 ピノッキオは、「ぼく勉強する」と約束します。
 
(5)  教科書を投げつける大喧嘩
 学校に行ったピノッキオですが、いたずらっ子と大乱闘になりました。いたずらっ子は教科書をピノッキオに投げつけますが、からだをかわしたので、教科書は海に落ちました。降ってくる本を食べ物かと思った魚たちは、かじってみたが直ぐに吐き出します。「こんなもの、食えたもんじゃない。おれたち、いつだって、もっといいものを食っているんだぞ」。
 イタリア統一直後の教育状況や文学状況への風刺、皮肉です。教科書作家であるコッローディが、やみくもに理想を追うだけではなく、一歩引いた自己対象化ができる人間であることの表れでしょう。
 
(6)  三たび鼻が伸びる
 ピノッキオは、出会った老人に嘘をついたとき、鼻が少し伸びていることに気づきました。嘘をあわてて自分で打ち消したところ、鼻は元に戻りました。
 嘘をつきかけても自ら後悔して打ち消せば、それは報われることが明らかになりました。大人になっていく成長過程の「学習」というものでしょう。
 
(7)  自立への一歩?
 ようやく仙女の家にたどり着いたピノッキオ。良い子になると誓い、学校に通い、試験でも一番になりました。仙女は、明日からは人間の男の子になれると告げます。ピノッキオが自立への一歩を踏み出す章だとも言える。
 ただ、約束を破り続けてきたピノッキオに対して、甘すぎるのではないか。大人の期待にそって「良い子」として成長することが果たして本人にとっていいことか。
 ピノッキオが本当には改心していなかったという事実が、次の第三十章に移ったとたんに明らかになります。
 


<出典>
和田忠彦(2020/4)、コッローディ『ピノッキオの冒険』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

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