2019年9月8日日曜日

(1719)  大江健三郎『燃えあがる緑の木』(2-2) / 100分de名著

 
◆ 最新投稿情報
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(K0860)  地域共生拠点・あすパーク(CS神戸) <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/09/k0860.html
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第2回  9日放送/ 11日再放送

  タイトル: 世界文学の水脈とつながる
 
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 


【テキストの項目】

(1)   自分自身を生きるとは?
(2)  「燃えあがる緑の木」の教会
(3)   教会に集う人々
 
(4)  「揺れ動く」
(5)  「福音書」はいかに作られるか
(6)  <>という小説」の作り方
 



【展開】

(1)  自分自身を生きるとは?
(2)  「燃えあがる緑の木」の教会
(3)   教会に集う人々
 以上は、既に書きました。
 

(4)  「揺れ動く」

 ザッカリー・K・高安は日系アメリカ人の研究者で、K伯父さんの小説のモデルである「四国の森のなかの谷間」を現地調査するためにやってきます。ザッカリーはサッチャンにイェーツの詩を朗読しましたが、そのなかに”Vacillation”――ギー兄さんの訳では『ゆれ動く』がありました。その直後の不思議な性行為で、サッチャンにおいてそれまで眠っていた女性的なオルガン(器官)が眼ざめました。
 

(5)  「福音書」はいかに作られるか

 亀井さんの提案で、集会のハンドブックという感じのものとして「福音書」を書くことになり、ギー兄さんは、「福音書」の方針を定めました。
 ――よし、これを私たちの「福音書」を構成する最初の一部分としよう。それから始めてね、いろんな書物から、映画や演劇や歌の一節からさえも、意味のある言葉を集めてきて、コラージュのようにして、この教会の「福音書」を書くことにしよう。
 これは、大江が小説を書くときにやっていることです。
 

(6)  <>という小説」の作り方

 『私という小説家の作り方』でこう言っています。
 『懐かしい年への手紙』への展開で、その後の私の小説の方法に重要な資産となったのは、自分の作ったフィクションが現実世界に入り込んで実際に生きた過去だと主張しはじめ、それが新しく基盤をなして次のフィクションが作られる複合的な構造が、私の小説のかたちとなったことである。
 


<出典>
小野正嗣(2019/9)、大江健三郎『燃えあがる緑の木』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



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