2019年2月23日土曜日

(1523)  オルテガ「大衆の反逆」(4-2) / 100分de名著

 
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(K0664) 「定年後」「老前」 <定年後・自立期>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/02/k0664.html
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第4回  25日放送/ 27日再放送

  タイトル:「保守」とは何か
 

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 


【テキストの項目】

(1)   人間は、不完全で有限な存在である
(2)  「永遠の微調整」を続ける
(3)   中間共同体と民主制
(4)   マスメディアの発達が民主主義を破壊する
 
(5)   懐疑することを懐疑しない
(6)  「自民族中心」の思想こそ大衆主義の典型
(7)   数理経済学から保守思想へ
(8)   日本の「保守」と呼ばれる人たち
(9)   新たな社会的包摂をどうつくるか
(10)ボンディングとブリッング
 


【展開】

(1)   人間は、不完全で有限な存在である
(2)  「永遠の微調整」を続ける
(3)   中間共同体と民主制
(4)   マスメディアの発達が民主主義を破壊する
以上は、既に書きました。
 


(5)   懐疑することを懐疑しない

 日本でオルテガの存在にスポットライトを当てたのは、日本を代表する保守思想家である西部 邁でした。「オルテガは、疑いなく、この懐疑せる心性の系譜に位置する知識人であった」
 西部は、懐疑することを懐疑しないことが重要だと考えていました。疑うことを疑ってはならない。自己の存在をはじめ、あらゆるものを徹底的に疑う。それが実は健全なる何かをつかむことにおいて重要なのだ、と言うのです。
 

(6)  「自民族中心」の思想こそ大衆主義の典型

 自民族中心の思潮。それこそが大衆化、大衆主義の典型であるというのが西部の考えでした。
 懐疑的精神に立った上で、ぎりぎりのところまで自分たちを、人間を疑い、問い詰めた先に、ようやく「日本という国をどう考えるか」という問いが立てられる。それを経ずして、安易に大衆社会の中で「日本」を礼賛し、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と浮かれている人間を、彼は軽蔑していた。
 

(7)  数理経済学から保守思想へ

 西部は大学院で数理経済学を専攻。数式を解くことによって経済の構造を明らかにするという学問です。専門の研究が評価され、東京大学の教授にまでなるのですが、途中で自分の学問を徹底的に疑いはじめる。そして、「こんなことで世界が分かるわけはない」と言って、数理経済の研究を投げ出してしまうのです。
 

(8)  日本の「保守」と呼ばれる人たち

 自分は間違えているのかもしれないという前提に立って発言せざるを得ない。そうすると、自分と異なる意見に耳を傾け、納得できる部分は取り入れながら合意形成をしていくということになる。だから、保守とはリベラルであらざるを得ないのだというのが、西部が書いていることでした。
 著者(中島)は、“もっとも「保守」とかけ離れた人間が「保守」を名乗っている”と書いています。私(藤波)は同時に、“もっとも「リベラル」とかけ離れた人間が「リベラル」を名乗っている”とも思います。現在日本で語られている「保守」「リベラル」を理解しようとオルテガを読んでも意味がない。全然別物なのだから。オルテガの言ってる「保守=リベラル」が日本の政治から抜け落ちてしまっている。それは悲しい事だと、私は思います。
 

(9)   新たな社会的包摂をどうつくるか

 既に書きました。
(K0642) 「中間領域」 (2) パットナム <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/02/k06422.html
 

(10)ボンディングとブリッング

 既に書きました。
(K0649) 「中間領域」 (3) ボンディングとブリッジング <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.com/2019/02/k06493.html
 


<出典>
中島岳志(2019/2)、オルテガ「大衆の反逆」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

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