2019年2月22日金曜日

(1521)  (44) 北原白秋『邪宗門』 / 「明治の50冊」

 
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1.   どんな本か

2.   ことば
2.1.  眼の前にキラキラして来る閃きを持つ(室生犀星)
2.2.  白秋は言葉があふれでる人(今野真二)
2.3.  語彙の豊富さも特徴的(今野真二)
2.4.  『邪宗門』の詩は織物(木下杢太郎)

3.   現代的意義
 

【展開】
 
1.   どんな本か

 「詩の生命は暗示にして単なる事象の説明には非ず」(序文)という主張は、当時盛んだった象徴詩の流れをくむものだ。官能や神秘、妖美な幻想への耽溺(たんでき)を唱え、南蛮趣味に彩られたさまざまなイメージを、華麗な言葉で織り上げてみせた。
 

2.   ことば

2.1.  眼の前にキラキラして来る閃きを持つ(室生犀星)
 活字というものがこんなに美しく巧みに行を組み、あたらしい言葉となって、眼の前にキラキラして来る閃(ひら)めきを持つ
 
2.2.  白秋は言葉があふれでる人(今野真二)
 白秋は言葉があふれ出る人。さまざまなイメージを言語化して詩や短歌、童謡など異なる器に盛りつけていった
 
2.3.  語彙の豊富さも特徴的(今野真二)
 森鴎外がいかに漢語を多く知っていたかというようなこととは違い、偏りなく網羅的に言葉を知っている。すばらしい詩は、辞書をくる苦しみから生まれるものだ
 
2.4.  『邪宗門』の詩は織物(木下杢太郎)
 『邪宗門』の詩は織物にたとえられる。読者自身のイメージを重ね合わせることで、生きた詩が完成する
 

3.   現代的意義

 言葉ひとつ変えるだけで、イメージは大きく変わる。丁寧に言葉を使うとはどういうことなのか。あまり読まれているとはいえない『邪宗門』だが、だからこそ見直してみると面白いのではないか
 


【プロフィル】北原白秋(きたはら・はくしゅう)
 明治18年、福岡・柳川出身。早稲田大学英文科中退。39年、「明星」に詩歌を発表し注目される。42年、初の詩集『邪宗門』刊行。大正7年、鈴木三重吉の児童雑誌「赤い鳥」創刊に協力。昭和17年、57歳で死去。
 
 
<引用>
北原白秋『邪宗門』 並外れた語彙、感覚を言語化
【明治の50冊】(44)  産経新聞(2018/02/04)
 
(44)北原白秋『邪宗門』 並外れた語彙、感覚を言語化
https://www.sankei.com/life/news/190204/lif1902040015-n1.html

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