2019年1月12日土曜日

(1479)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(2-2) / 100分de名著

 
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http://kagayakiken.blogspot.com/2019/01/k0620-1.html
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第2回  14日放送/ 16日再放送

  タイトル:アメリカの光と影
 
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 

【テキストの項目】
(1)  恐ろしい戦争、過酷な戦後
(2)  なぜスカーレットはメラニーを見捨てなかったのか
(3)  芽生え始めたメラニーとの友情
(4)  レットがスカーレットを置き去りに
(5)  レットとエレン、二人の「母」
(6)  母の喪失と真の自立

(7)  貴公子アシュリの“生き地獄”
(8)  南北戦争とその後の混乱
(9)  赭土の大地と幻の故郷
(10)ディストピア小説としての『風と共に去りぬ』
 



【展開】
(1)  恐ろしい戦争、過酷な戦後
(2)  なぜスカーレットはメラニーを見捨てなかったのか
(3)  芽生え始めたメラニーとの友情
(4)  レットがスカーレットを置き去りに
(5)  レットとエレン、二人の「母」
(6)  母の喪失と真の自立
 以上は、既に書きました。
 


(7)  貴公子アシュリの“生き地獄”

 戦争が決着して帰還したアシュリには生活力がなく、スカーレットの慈悲に頼らざるを得ず、つらい立場にあります。そのアシュリにスカーレットは一緒に駆け落ちしようと言いましたが、アシュリは断固として断りました。普段強気なスカーレットがここで涙を流すと、アシュリはそっと彼女を抱き、口づけしてしまいます。
 レットがからかい半分に「アシュリにとってきみは素敵な生き地獄だよ!」とスカーレットに言う場面がありますが、まさにその通りでしょう。
 

(8)  南北戦争とその後の混乱

 南北戦争が終わり、奴隷制度が廃止され、南部の「再建時代」と呼ばれる混乱期に入りました。かつて富んだ南部の大農園から財産を、さらには土地をも搾り取ってやろう――その格好のターゲットにされた元大農園の一つが<タラ>だったということです。
 

(9)  赭土の大地と幻の故郷

 父のジェラルドたちアイルランド移民は、一度土を離れて、長く不安な航海をし、再び土を踏んで自分たちのサンクチュアリ(聖地)を手に入れた。 … アメリカ人の多くはルーツをたどれば移民なわけですが、こうした土地に対する強い愛着を持たなければ、どこか根無し草になってしまい、どこにもつながっていないという不安を抱えることになるのかもしれません。
 スカーレットにとって故郷の母なる<タラ>が人手に渡るなどあり得ないことです。
 

(10)ディストピア小説としての『風と共に去りぬ』

 本作品のとくに南北戦争後の再建時代のパートは、一種のディストピア(反ユートピア近未来)小説のようにも読めるのではないでしょうか。ディストピアとは単なる荒廃した世界のことではなく、ユートピアを実現するために、法統制や監理が行き過ぎた状態を指します。
 


<出典>
鴻巣友季子(2019/1)、マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

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