2018年12月19日水曜日

(1454)  スピノザ「エチカ」(4-1) / 100分de名著

 
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(K0595) 「誰もが暮らしやすいまち」 (1) 「みんなの声かけ運動」 <地域の再構築>
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第4回  24日放送/ 26日再放送

  タイトル:真理
 
【テキストの項目】

(1)  現代を決定づけた時代
(2)  真理の基準は真理自体である
(3)  真理は自分でつかみ取れ――デカルトとの違い

(4)  「主体の変容」が自分を高める
(5)  AIと現代社会
(6)  哲学を学ぶとは
 

【展開】

(1)  現代を決定づけた時代

 十六世紀から続く宗教戦争はヨーロッパを荒廃させました。庶民が突然残虐な人殺しに走るような、それまでの人間かが根底から覆されることが起こり、物質的にも精神的にもヨーロッパが焼け野原になってしまったのです。
 その荒廃の中からもう一度、すべてを作り直さなければならないというのが十七世紀の思想的課題だったと思います。 … 十七世紀はある意味で転換点であり、ある一つの思想的方向性が選択された時代だったと考えることができます。
 

(2)  真理の基準は真理自体である

   真理の基準は存在しえない
 真理の外側にあって、それを使えば真理を判定できる、そのような真理の基準を見出すことは不可能である。何故なら、ある基準で真理を判定しても、その基準が真理であることを判定するための基準を求められ、それが終わることなく繰り返されてしまうから。

   真理そのものが真理の基準とならなければならない
 真理を獲得すれば、「ああ、これは真理だ」と分かるのであって、それ以外に真理の真理性を証し立てるものはない。

   光は光だけで自らを顕わすことができる
 光はそれを照らす光を必要としない。光は光だけで自らを顕わすことができる。真理もまたそれと同じである。
 実に、光が光自身と闇とを顕わすように、真理は真理自身と虚偽との規範である。(第二部定理四三備考)
 

(3)  真理は自分でつかみ取れ――デカルトとの違い

   近代科学の方向性を作ったのは、スピノザより36歳年長の哲学者デカルトです。「我思う、ゆえに我あり」現代風に言い換えれば、「私は考えている、だから私は存在している」という命題(コギト命題)で知られている哲学者です。

   デカルトは誰をも説得することができる公的な真理を重んじました。実際にはそこで目指されていたのはデカルト本人を説得することであったわけですが。

   それに対してスピノザの場合は、自分と真理の関係だけが問題にされています。自分がどうやって真理に触れ、どうやってそれを獲得し、どうやってその真理自身から真理性を告げ知らされるか、それを問題にしているのです。
 

以後は、後日書きます。
(4)  「主体の変容」が自分を高める
(5)  AIと現代社会
(6)  哲学を学ぶとは
 

<出典>
國分功一郎(2018/12)、スピノザ「エチカ」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)
 

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