2018年8月29日水曜日

(1345)  ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」(0) / 100分de名著

 
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(K0486)  ケアする人のセルフ・ケア、GRACE <介護>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/08/k0486.html
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9月の「100de名著」、ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」が、9月3日()から始まる。Eテレ。
放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 

<全4回のシリーズ>  いずれも9月

はじめに  いざ、知の迷宮へ

  タイトル: 修道士は名探偵?

第2回  10日放送/12日再放送
  タイトル: 知の迷宮への旅

第3回 17日放送/19日再放送
  タイトル: 「異端」はつくられる

第4回 24日放送/26日再放送
  タイトル: 謎は解かれるのか
 
 

【はじめに】 いざ、知の迷宮へ
 
 すでに世界的な記号学者であったエーコが1980年、48歳でいきなり小説家デビューを果たします。その作品が、今回取り上げる『薔薇の名前』です。物語の骨格としては、これは14世紀北イタリアのベネディクト会修道院を舞台にした歴史推理小説、ということになるでしょうか。
 
 エーコは62年の『開かれた作品』のなかで、読者を大きく「経験的読者」と「モデル読者」という二つのカテゴリーに分類しています。
 経験読者とは、「この小説はおもしろいな」「悲しいな」など素直に反応しながら物語を読み進める読者のこと。
 モデル読者とは、この小説に作者はどんな戦略を盛り込んでいるのか、またその戦略にはどんな意図があるのか、といったことまで思いめぐらせる読者のことです。
 簡単に言えば、自分の感情のままに読む読者と、小難しく小説を読んでしまう読者、とも言えるかもしれません。そして『薔薇の名前』は、このどちらのタイプの読者にも「開かれて」いる作品なのです。
 


【私の書くFacebook(Blog)での方針】

 テレビでは4回に分けて放映されます。私の書くFacebook(Blog)では各回について(1)(2)と2稿ずつ書きこんでいく予定です。(1)は経験読者を意識し、あらすじを追いかけていきます。(2)はモデル読者を意識し、解説風に書いていきます。

 読み方としては、(1)だけを読めば、普通の推理小説として読めると思います。つまり経験読者は、私が(1)で示すあらすじを参考にすると、原著を読みやすくなると思います。

 他方、ギリシャ文化、キリスト教を含む文化、およびヨーロッパに蓄積されてきた思想や著書といったものに関する「素養」がないと『薔薇の名前』を「深読み」できません。素人にその「素養」を解説してくれているテキストの一部を紹介するのが(2)です。したがって、モデル読者としては、こちらの方が役立つと思います。

 なお、「ヨハネの目次録」については、第4回の(2)で集中的に書くこととし、(1)では触れません。また<アフリカの果て>の謎解きも、(1)の中では触れません。推理小説として読む時は必要なことですが、限られた紙面で書く都合上(1)で触れないことにしました。
 


<出典>
和田忠彦(2018/9)、ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)
添付写真は、この本からの転載


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