2018年7月8日日曜日

(1293)  プロの解説(1) ~ずるがしこさ~(サッカーW杯 ベルギー戦)

 
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(K0434)  免許自主返納 <その他>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/07/k0434.html
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 今回は、
(1290)  にわか解説者(サッカーW杯 ベルギー戦)
http://kagayaki56.blogspot.com/2018/07/1290.html

の続きである。
 


===== 引用はじめ
 サッカー元日本代表監督のザッケローニ氏は、… W杯ロシア大会の日本代表について「残念だ。日本の文化とDNAにはずるがしこさがないためナイーブだった」と指摘した。 … 終了間際の失点について「戦術的な反則で十分避けられただろうが、日本人にそういう考え方をしない。ただ、日本人は敗戦を成長の糧と捉えることができる」と言及した。
===== 引用おわり
産経新聞(2018/07/05夕刊)
https://www.sankei.com/sports/news/180705/spo1807050009-n1.html
添付アルベルト・ザッケローニ氏の写真は、このサイトから。
 

 なるほどだ。これは「にわか解説者」では書けない。
 
 
 「ずるがしこさ」とは、何だろうか? 考えてみた。
 
 日本はW杯予選リーグ最終戦で、ポーランドに0対1で負けながらも、パス回しをして攻めず、「ずるがしこい」と非難された。本当だろうか?

 
 W杯決勝トーナメントのロスタイムで失点しベルギーに負けた。ザッケローニ氏は「戦略的な反則」をすれば、日本は点を取られなかったという。言われてみるとその通りだ。つまり、わざと足を引っかけ、あるいは体当たりをしてでも、止めれば点を取られなかっただろう。ペナルティエリア内ではないので、ペナルティキックにはならない。最悪レッドカードで一発退場になってもそれだけのこと、大勢に影響ない。つまり、点を取られず、PKに持ち込んで勝つチャンスを残せた。
 
 一方、W杯予選・ポーランド戦で、日本は何ら反則をしていない。攻撃においても、守備においても、日本は「反則をしない」ことにこだわり続けた。これは「ずるがしこい」ではなく「愚直」だろう。
 
 日本がポーランド戦で非難を避けようとするなら、(ずるがしこく)いかにも攻めるぞという演技をすればよかった。しかし、日本は「このまま、反則をせず、かつ、点を取られるな」というベンチの指示を、愚直に実行した。日本は、「ずるがしこくなかった」ために「ずるがしこい」と批判された。

 
 それが良いか悪いかを論じるつもりはない。好きか嫌いかの問題だと私は思う。私は、こういう日本人の「愚直さ」「ずるがしこさの無さ」が好きだ。それは勝負においてはハンディキャップになるが、いつの日にか実力を蓄え、「ハンディキャップを負いながらも、日本らしい勝利」を目指してほしい。戦後日本は変わったように見えるが、変わってない日本的美学が残っていることを、私は喜んでいる。
 


 一方、ザッケローニ氏が言えば「ナイーブ」となる。この言葉は、日本人の感覚とは違い、侮蔑的な語感だろう。naïve(ナイーブ)を英英辞典で引くと、例えば、 deficient in worldly wisdom or informed judgment”とある(Merriam-Webster Online)。” deficient ”は、「不足」なので、どうみても良い言葉ではない。
 
 その証拠に「成長の糧と捉える」と表現している。つまり、「戦略的な反則」をしないのは、成長していない未熟な状態だと認識し、それを直して成長しなさいと言っている。
 
 「本格的な親日家」と言われているザッケローニ氏だが、「美学」をともにしていない。
 


 最後に、私の言いたいこと。

「ずるがしこい」と言われても、それは的外れだ。胸をはってほしい。
私は、日本の戦い方(ポーランド戦もベルギー戦も)を支持する。


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