2018年5月24日木曜日

(1246)  (15) 幸田露伴『五重塔』 / 「明治の50冊」

 
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定年後も働く(1)65歳以上」18% <高齢期の仕事>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2018/05/16518.html
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 「知の巨人」ともいわれた幸田露伴が24歳で著した代表作「五重塔」。
そのあらすじは、
 
===== 引用はじめ
 腕は確かだが、世事にうとく頑固一徹、緩慢な動作からあだ名も「のっそり」の大工・十兵衛が主人公。東京・谷中の感応寺で五重塔建立の話に、寺の普請も手がけ、塔の見積書まで出した親方筋の源太を差し置き、十兵衛が〈私にさせていただきたい〉と寺の朗円上人に直訴する。
 どちらかが主となり、2人で建てようとの源太の申し出を十兵衛は聞き入れず、潔く退いた源太が提供を申し出た下絵図や見積書も受け取らない。怒った源太の子分が十兵衛に大けがを負わせるも、〈一日なりとも仕事を休んで職人どもの上に立てるか〉と精を出す十兵衛。職人たちもこれに応えて五重塔は無事完成する。だが、落成式を前に暴風雨が塔を襲い…。
===== 引用おわり
 
 
 とくにクライマックスの暴風雨の描写が荘厳
 
===== 引用はじめ
 迫力ある名文として語り継がれ、「(この)一篇だけでも、露伴の地位は不朽だとさへ推賞された」(日本文学大辞典、新潮社)。
===== 引用おわり
 


 露伴研究で知られる出口智之・東京大学大学院准教授は評す。
 
===== 引用はじめ
 職人が一念発起して建てた五重塔がすべてに超越し、残るという芸術の勝利、人間の力の尊さをたたえる理想主義の主題がわかりやすい。緊密な構成、人物造形もすぐれ、かつ長すぎない(同文庫で116ページ)。
===== 引用おわり
 


 露伴のひ孫で作家、翻訳家の青木奈緒さんは、露伴から4代にわたり文筆活動を続けている立場から、『五重塔』をはじめ明治の作品を後世に継ぐ意義と思いを語る。
 
===== 引用はじめ
 今の尺度、考え方とは違う明治の感覚を心に留めてほしい。それには明治生まれの身内などを通じ、その感覚がどこかに残っている昭和生まれの私たちがつないでいかないと。手を離したら明治はするっと抜けていってしまうから。
===== 引用おわり
 


【プロフィル】幸田露伴(こうだ・ろはん)
 本名・成行(しげゆき)。慶応3(1867)年、江戸で幕臣の家に生まれる。漢学塾などで多くの漢籍、仏典、江戸文学などを学び、博覧強記として知られる。明治22年、雑誌に処女作「露団々(つゆだんだん)」を発表。25年、「五重塔」「血紅星(けっこうせい)」をまとめ、『小説尾花集』を出版。明治の文壇で尾崎紅葉とともに“紅露時代”を築く。30年代からは史伝や評論、随筆でも活躍した。昭和22(1947)年、死去。娘の幸田文(あや)は随筆家、小説家。孫の青木玉(たま)さんは随筆家。東京・谷中の天王寺の五重塔は32年、心中事件による火災で焼失した。
 


<引用>
幸田露伴『五重塔』 / 語りの海にのまれる心地よさ
【明治の50冊】産経新聞(2018/05/21)
 
(15)幸田露伴「五重塔」 語りの海にのまれる心地よさ
https://www.sankei.com/life/news/180514/lif1805140023-n1.html
(添付図はこのサイトから転載)


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