2018年4月27日金曜日

(1219) 「いいチーム」とは (3) 楽天 田尾安志初代監督の心意気

 
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(K0360) 「不許入無挨拶雲雀丘」 <地域の再構築>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2018/04/k0360.html
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 そんなに大きな記事ではないのだが、とても気に入ったので、その記事から3回に分けて投稿した。今回は3回目・最終回。サブタイトルを「楽天 田尾安志初代監督の心意気」とした。
 

 楽天はどう見ても、「いいチーム」とはほど遠い環境からスタートした。
 
===== 引用はじめ
 楽天は球界が再編問題に揺れた2004年にオリックスと近鉄から選手の「分配ドラフト」を受けて誕生した新球団だ。
===== 引用おわり
 

 「分配ドラフト」については後述するが、楽天にとって過酷な制度であり、チームは弱体だった。

===== 引用はじめ
 正直なところ、1年目から勝てるとは思っていなかった。3月26日に記念すべき初勝利を挙げ、翌日は0-26と記録的な大敗を喫した。「そんなこともあるだろう」と驚きはなかった。実際、初年は38勝97敗1分けで最下位に終わった。
===== 引用おわり
 

 田尾監督の使命は、優勝ではない。Aクラス入りでもない。

===== 引用はじめ
 僕の仕事は、
(1)  3年間でプロレベルのチームを作り、
(2)  次の監督にバトンを渡すこと。
(3)  ファンに愛されるチームにすること。
(4)  三木谷オーナーに野球を好きになってもらうこと
だと思っていた。
===== 引用おわり
(箇条書き様式に変更)
 

 別の言葉では「いいチーム」つくりと言ってよいだろう。具体的に何をしたかは、(1216)(1218)に書いた。
 

 後に、星野仙一監督の下、楽天は日本一になった。田尾監督が「いいチーム」にして、その上に、星野監督が「強いチーム」を作った。
 
 星野監督の手腕の一つは、就任の条件に補強を実現させることである。楽天でも阪神でも、過去の成績が悪くとも、就任時には戦力的に強くなったチームを率いることになった。楽天就任時に補強できたのは、「三木谷オーナーに野球を好きになっていた」ことが影響していると思う。これはまさに、田尾監督の功績だと言ってよいと思う。
 

===== 引用はじめ
 日本一弱いチームが成長していく過程をじっくり応援してくださったファンは、日本一幸せなファンなのかもしれない。
===== 引用おわり
 
 いや、その幸せを一番かみしめているのは田尾本人ではないだろうか。星野のようには脚光を浴びない。しかし、その幸せをかみしめている田尾が好きだ。
 



【説明】 「分配ドラフト」とは
 
 パリーグで「大阪近鉄バファローズ」と「オリックス・ブルーウェーブ」が合併して「オリックス・バファローズ」(以下「オリックス」)になったため6チームが5チームに減りそうになったが、楽天が新規参入して「東北楽天ゴールデンイーグルス」(以下「楽天」)を立ち上げて6チームが維持された。

 チーム数はつじつまが合ったが、選手は、オリックスには旧2チームの選手が所属し(通常の2倍)、楽天には選手がいない。当然、これでは成り立たない。
 
 そこで「分配ドラフト」が行われた。「分配ドラフト」とは、「プロスポーツにおいて、新規参入チームに対して、既存チームに所属する選手の一部を振り分ける制度。既存チームは一部の選手をプロテクトしておき、残りをドラフトにかける」
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%AC%C7%DB%A5%C9%A5%E9%A5%D5%A5%C8

 具体的には、近鉄とオリックスの合併によって誕生する新球団オリックスがプロテクト(優先保有)した25選手を除く、82選手を楽天とオリックスの間で分け合う。82選手の分配方法は、まず20選手を楽天が指名、続いてオリックスが20選手を指名、さらに楽天が20選手指名、という順番で行われた。
https://www.narinari.com/Nd/2004113587.html
(注:実際には、もう少し複雑)
 

 楽天の選手は、オリックスに捨てられ(プロテクトしてもらえなかった)、楽天に拾われた選手とも言える。

 楽天にはオリックスが合併球団の主力25名として選ばなかった選手を獲得することしかできず、他球団との戦力差から開幕2試合目の対ロッテ戦に026で敗れたように大差で敗戦する試合が目立ち、最終的にはシーズン97敗を喫した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E9%87%8E%E7%90%83%E5%86%8D%E7%B7%A8%E5%95%8F%E9%A1%8C_(2004%E5%B9%B4)
 
 なお、礒部ら近鉄の一部の選手は労使妥結の前提となった近鉄選手の移籍先には本人の意思を尊重する、という趣旨の「申し合わせ」を引き合いに、オリックスのプロテクトを拒否。それは認められた。岩隈は「超法規的措置」により、オリックスが獲得後、楽天へ金銭譲渡した。その他、楽天は分配ドラフトから漏れた自由契約選手を数人獲得した。
 


出典
「いいチーム」とは
【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】、産経新聞(2018/04/90)
 
「いいチーム」とは
https://www.sankei.com/west/news/180410/wst1804100042-n1.html


古い写真だが、インターネットで検索して添付。


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