2018年1月12日金曜日

(1116)  「敬天愛人」の思想 /西郷隆盛『南洲翁遺訓』(2-1)


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(K0257)  やる気があればできるまちづくり <地域の再構築>
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Eテレ
第2回 1月15日放送/1月17日再放送

月曜日   午後 10:25~10:50
()水曜日 午前 05:30~05:55
      午後 00:00~00:25
 

【第2回 目次】

1.  自己規律を求める西郷
2. 「天」と「道」の問題
3.  佐藤一斎からの影響
4. 「天人合一思想」と「近代人」
5.  朱子学と陽明学の違い
6. 「遺教」と天命
7. 「思想史」の立場から見る西郷と明治維新
 

 西郷隆盛の人間観を支える「思想」に迫るには、西郷の言葉のなかでももっとも有名な「敬天愛人」という表現に注目すべきである。
 

===== 引用はじめ

『遺訓』の第21条(現代語訳・解説)
 
 人が踏み行うべき道は、天から与えられた道理であって、上に天があり下に地があるように、当たり前の道理であるから、学問の道は天を敬い人を愛するということを目的として、身を修め、つねに己に克つこと(意思の力で自分の衝動や欲望を制御すること)に努めなければならぬ。
 己に克つための極意は、『論語』に「意なし、必なし、固なし、我なし」、すなわち、私欲を貪る心をもたないこと、自分(我)を必ずとおそうはしないこと、こだわりの心をもたないこと、さらに独りよがりにならないこと、の四つをつねに心がけることである。


『遺訓』の第25条(現代語訳・解説)
 
 狭量な人間世界にこだわるのではなく、広大無辺の天を相手にしなさい。天の示す道を実現すべく全精力・精神を傾け、人を咎めたりせず、自分に真の心が不足していることを認識すべきなのだ。

===== 引用おわり
 

 ここで頻出する「天」と「道」という言葉は、『南洲翁遺訓』での最重要概念である。
 次回に続く。


出典
先崎彰容(2018/1)、西郷隆盛『南洲翁遺訓』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

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