2017年12月3日日曜日

(1075) 未知なるものとのコンタクト / スタニスワフ・レム『ソラリス』(1)


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(K0216)  趣味(3)  / トライアングル理論(16) <定年後>
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スタニスワフ・レム『ソラリス』、100de名著

第1回 12月 4日放送/12月 6日再放送
第2回 12月11日放送/12月13日再放送
第3回 12月18日放送/12月20日再放送
第4回 12月25日放送/12月27日再放送

月曜日   午後 10:25~10:50
()水曜日 午前 05:30~05:55
      午後 00:00~00:25

 

 2014年発売の「S・Fマガジン」(早川書房)創刊700号記念特大号で発表された読者投票による「オールタイム・ベストSF」では、海外長編部門の第一位がレムの『ソラリス』だった。しかし、SFに興味のない人はレムの名前すら知らないし、作品もまったく読んだことがないという状況になっている。あまりにももったいないので、「100de名著」で取り上げることにした。

 
 以降、あらすじを中心に紹介する。

 
 この小説の主人公は、クリス・ケルヴィンという心理学者である。小説はカプセルに乗ったクリスが惑星ソラリスの観測ステーションに到着するところから始まる。

  到着したクリスはすぐに、何か異様なことが起きていることに気づいた。ステーションには、ギバリャン、スナウト、サルトリウスという三人の科学者がいるはずなのに、ギバリャンは見当たらなかった。そして、このステーションには本来いるはずのない、よくわからない人たちが来ているということがだんだんわかってきた。

  疲れて眠ったクリスが目覚めると、彼の隣にハリーという女性が姿を現していた。本来いるはずのない人、ステーションでは「客さん」と呼んでいる。この「お客さん」が目の前に現れ、クリスはここで起こっている事態の異常さにはっきり気づいた。

  同棲していた元恋人と喧嘩をして、自分が家を出ていったあと、自分が引き出しの中に忘れていった薬物を彼女が自身に注射して自殺してしまった。ハリーはそういう女性だという。
 
 ハリーが自殺したことは、クリスのトラウマになっていた。そのような記憶が、ある変化した形を持って眼の前に突然現れる。言葉でははっきり言い表したくない関係にあったハリーが、実態として肉体を備えた、疑似ハリーと言うべき姿となって現れた。

  クリスは自分の気が狂ってしまったのではないかと、検証を試みた。その結果、自分は狂っていなかったと結論づけ、ステーションに来ている「お客さん」は「実在する」と認めるに至った。
 

出典
沼野充義(2017/12)、スタニスワフ・レム『ソラリス』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

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