2025年4月29日火曜日

(2646) 関税(自動車産業を念頭) ~ 素人談義 ~ その7

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 …トランプ米大統領の支持率が、歴代大統領の同時期と比べて過去最低の39%になったと米紙ワシントン・ポストが27日報じた。トランプ氏は、政府機能の縮小や関税政策によって「個人や金融市場に顕者な混乱を引き起こした」(同紙)と厳しい評価を突きつけられた。

 主な政策では経済政策への不支持が61%。最近の金融市場の混乱も67%が支持せず、関税政策は64%が支持しなかった。

===== 産経新聞 2025/04/19

 

 「トランプ大統領の関税政策は米国民に損害を与える」と日本の素人や、アメリカでデモしている人が言っているだけではない。米国民の64%が関税政策を支持しないとはっきり数字で出てきた。この影響は大きいだろう

 

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 中間選挙では与党が議席を失う傾向が歴史的に強く、これにリセッションが重なれば、2026年の選挙では議会主導権が民主党に移る公算が大きいと、共和党のストラテジストはみている。そうなればトランプ氏の2期目後半の政権運営にも影響が及ぶ可能性がある。

===== https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-04-27/SVDX7ZT0G1KW00

 

 さて、トランプ大統領はどう動くか。私は次の三つだと思う

(1)  直近では、報道はフェイクだと主張する  既に反応している

(2)  短期的には、成果を誇示するため、日本を含めた諸外国への圧力を強める

(3) 中・長期的には、支持率を気にして(おくびにも出さない)、政策を調整する

 

 他国の首脳が何かを言っても藪蛇になるのは何回も見てきた。トランプ大統領に影響を与えるのは、他国の首脳ではなく、自国民の支持率だろう

 なのに、皆、トランプ大統領を説得しよう、納得してもらおう、と躍起になっている。必要なことではあるが、限界がある。圧力を強めようとしている今、がっぷり四つに組んでいる場合ではない。もう一つ別に大切なことがあるだろう

 アメリカ国民に、働きかけることだ。直接、政府が働きかけると、また、トランプ大統領が怒る。だから、政府は表立っては動かず、陰で働きかける。いわゆる情報戦の一種であるが、偽情報を流す必要はない。正しい情報をアメリカ国民に広げればよい

 

 (偽情報流布を含んだ)情報戦で、いつも日本は完敗している。「日本は戦略性がない」とたびたび批判される一つだろう。偽情報から日本を守り、非政府機関も含めた情報提供により日本を強くする、そのような戦略性を身に着ける。今回を機に、そのような戦略性強化の動きは、できないだろうか

 添付図の出所は、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250429/k10014792231000.html

  


2025年4月28日月曜日

(2645)「本当」が観える

考えて、考えて、考え疲れて、考えられなくなって。

「本当」が観えるのは、それからだ。そこに考えはない。

 

「本当」は、「考え」から観えず、「考えない」からも観えず、

「考えのむこう」から観える。

しかし、「考えのむこう」なら観える、というものでもない。

 

あと一つ、必要なものがある。

詩人 谷川俊太郎から言葉を借りれば、

「陽炎(カゲロウ)のようなゆらめときめき」

ではないか。

 

考え抜いて疲れたとき、

「陽炎(カゲロウ)のようなゆらめときめき」を感じ取りやすくなる。

ただし、考え抜いて疲れたとしても、それだけでは感じ取れない。

 

さらに一つ必要なのは、

「本当」を知りたいという、渇きだと思う。

 

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以上は、私の言葉。以下は、引用

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 陽炎

     谷川俊太郎

柔毛(ニコゲ)のようにけぶる春の木々に眼を憩わせ

空へとつづく地の静もりに耳を溶かし

陽にあたためられたせせらぎから匂い立つ

かすかななまぐささにおのが息をまぜ

私の感じたほどのことはもうすでに

数限りない人々が感じとってきたこと

私の考えたほどのことはもうすでに

数千年前の誰かが考えていたこと

けれどその珍しくもない束の間の

誰でもないこの私のこころとからだの

陽炎のようなゆらめきときめき

歓びの次に怖れが怖れの次に執着が

だがそのように名づけるそばから崩れてゆく

刻々にくり返す波として私は生きている

明日を知らないこのからだも

今日ならたしかに知っているのだ

子らの歌う素朴な調べにもかくれている

昔ながらの至福なら



2025年4月24日木曜日

(2644) 関税(自動車産業を念頭) ~ 素人談義 ~ その6

仙藤博文さん > さて、そんな戦略を日本国政府は持ち合わせているだろうか?

(Facebookでのコメント)

 

 日本国政府は、勿論! 持ち合わせていないだろうが、欧州の民主主義国家など、ほとんどの国も持ち合わせていないでしょう。何故なら、戦略を立てるためには「読み」(こう言えばトランプ大統領はこう動くだろう)が必要だが、ほとんど読めません。「直言すれば怒り出す」ことだけは確かそうですが、その「読み」だけでは戦略は立てられません

 

 もっとも良い戦略を組めそうなのは、プーチン大統領だと思います。彼の場合、「自分がトランプ大統領の立場だとこうするだろう」と自省すれば、それはかなり高い確率でトランプ大統領の行動と一致するだろからです

 

 では、何故、欧州の民主主義国家には読めないのでしょうか。道徳観が違うからです。もっと正確に言うと、トランプ大統領に道徳はないからです。代表的なのは次の二つです

・「他人に迷惑をかけてはいけない」という道徳は、トランプ大統領に皆無です

・「ルールは守らなければならない」という道徳も、トランプ大統領に皆無です

 

 トランプ大統領は、次のような行動をとっています

 

他人への思いやりがない

  アメリカからの支援援助停止でウクライナの人が何人死んでもかまわない。トランプ大統領から見れば、悪いことが起こるのは全部ゼレンスキー大統領の責任で、自分には関係ない

 

ルールについては、大統領は次のような原理で動いているようです

  既にあるルールは、自分勝手に変えてよい(GATTIMFはアメリカの利益を損なうので、守らなくてもよい)

  新しいルールを決めるのは自分で、他の人がどう言おうと関係ない

  自分で合意したルールでも守らなくてよい(安倍元首相と交わした合意を守る気はない)、他の人の決めたルールなぞ、なおさら守らない

 

 欧州の民主主義国家のリーダーは、先の二つの道徳を兼ね備えているから、選ばれました。だから、その前提で発想しがちで、そうである限りトランプ大統領の行動を読めません。アメリカ国民は、道徳を持ち合わせていない人を大統領に選びました

 

 また、特に、専門家は戦略を立てられません。何故なら、彼らは過去の事例から学び、理論を構築するが、トランプ大統領には、過去の事例が当てはまらないからです

 

 しかしながら、ようやくトランプ大統領の行動事例が積みあがってきたので、戦略を立てられるようになってきました

 

 トランプ大統領への対応は、次のように(トライ&エラー・仮説検証)組み立てていくとよいと思います

  トランプ大統領の行動をよく観察する

  仮説を立て、なんらかの対応をするが、失敗する。どのように、何故、失敗したかを分析し新たな仮説を立てる

  以上を繰り返しながら、知見を深め、正解を探り出す

 

 日本は、伝統的に戦略が苦手で、戦略の無いまま行動してきました。色々あったが、何故かこれまで、生き延びてきました。それは「トライ&エラー・仮説検証」を駆使してきたからだと思います

 

 日本は、戦略性に欠けるからこそ、戦略の通じないトランプ大統領にいち早く対応できる可能性があります。しょっぱなから「トライ&エラー・仮説検証」から入っているからです

 

 赤澤大臣が、「優先順位をそちらで決めてくださいよ」と言ったり、もらったキャップ(「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」帽子)を嬉しそうにかぶっていたり、と批判されています。戦略思考からすれば当然の批判です

 

 でも、恥も外聞もなく、見栄も誇りもなく、相手の懐に飛び込んで交渉するのは、いかにも日本的だと思います。案外、トランプ大統領にはうまくいくかもしれません(石破首相に戦略性を期待しても無理だから、ここに期待するしかありません)

 

 うまくいく保証はありませんが、どの国も同じで、日本が後れを取っているわけではありません。ロシアも今は上手に付き合っているが、いつ手のひら返しされるか分かりません。ただ、トランプ大統領がロシアでのビジネスを期待している限り、ロシアは大丈夫で、プーチン大統領はそのことを十分理解して、うまく立ち回るでしょう。イスラエルは安泰でしょう。この二つの国は例外、同じようにはなれません)

 

 トランプ大統領は、敵に対しては厳しいですが、子分には柔和に対します(対日本でのトランプ大統領の現状・いつ激変するか予想できない)。子分が役立たずだとみなせば、義理も人情もなく切り捨てます

 

 なお、トランプ大統領への戦略を立てるのに最も大切なキーワードは、「ソシオパス」でしょう

 

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平たく言うと、ソシオパスとは「反社会的な行動をためらわない、良心が欠けた人」です。臨床心理士のベサニー・ジュビー氏によると、ソシオパス、またはサイコパスは「反社会性パーソナリティ障害」をもつ人を指します。

 

ハーバード大学医学大学院助教授のロイス・チョイ・ケイン氏によると、反社会性パーソナリティ障害の特徴は「個人的利益や快楽のために違法行為、欺瞞行為、搾取的行為、無謀な行為を行ない、良心の呵責を感じない」で、以下の傾向があるそうです。

 

  衝動的に行動する

  自分の行為が他者に及ぼす悪影響に関心を示さない

  請求書の支払いをしないなど、社会的・金銭的な責任を果たさない

  他者への共感に欠ける

  パートナーを利用・虐待する

  相手や社会を責めて自分を正当化する

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https://studyhacker.net/what-is-sociopath

 

関連参考図書

世界で最も危険な男 「トランプ家の暗部」を姪が告発

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%A7%E6%9C%80%E3%82%82%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E7%94%B7_%E3%80%8C%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E5%AE%B6%E3%81%AE%E6%9A%97%E9%83%A8%E3%80%8D%E3%82%92%E5%A7%AA%E3%81%8C%E5%91%8A%E7%99%BA




 

2025年4月22日火曜日

(2643) 関税(自動車産業を念頭) ~ 素人談義 ~ その5

 ようやく、暴走するトランプ大統領に物申す存在が見えてきました。一つ目は、トリプル安(米国株安、米債券安、ドル安の同時進行)、二つ目は、FOXテレビと一部の側近(それが誰かは私は知りません)。三つめは、反トランプの大規模デモ。これらは影響するでしょう。支持率が低下して、来年11月の議会中間選挙が危うくなり、トリプルレッド(国で大統領職と上下両院の多数派を共和党が占める状態)を失う恐れがあるからです。

 トランプ大統領による関税などの施策の被害者が米国民であることが鮮明になってきました。反トランプの大規模デモも続くでしょう。トランプ大統領の強気も、時間が経つにつれて落ち着いてくると思います。「トランプ氏は第1次政権時、大統領任期の半ばに実施される中間選挙で分割政府となり、大型の経済政策の実現が難しくなった」ことをきっと覚えているでしょう。

 

 当然のことながら、米国との交渉は遅ければ遅いほどよいと思います。

 石破総理大臣が何を考えているのか、私にはよく分かりません。「トランプ大統領が日本は最優先だ、第一番だ」と言ってくれたと嬉しそうに語っているが、それって、最悪の事態なのではないでしょうか。トランプ大統領が、日本が一番くみしやすいと考えたということで、特に名誉なことだとは思えません。

 

 ただ一つ、いつもはイライラする、ネチネチした語り口で何も決まらないことに期待しています。それではトランプ大統領が怒りだすのではと心配になりますが、そこは前回訪米時のように官僚からレクチャーを受け、上手に引き延ばしに成功するかもしれません。何しろ得意技なので。「何も決めなかった名宰相」と、後々称賛されるかもしれません。自分の為ではなく、日本国の為に、総理大臣に就いている限り、頑張っていたただきたいと願っています。「国の為に何かを決めて名誉を得よう」という野心は、お捨て下さい。 

https://www.google.com/search?q=%E5%8F%8D%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%87%E3%83%A2&oq=%E5%8F%8D%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97&gs_lcrp=EgZjaHJvbWUqDQgBEAAYgwEYsQMYgAQyCQgAEEUYORiABDINCAEQABiDARixAxiABDIHCAIQABiABDIHCAMQABiABDIHCAQQABiABDIHCAUQABiABDIHCAYQABiABDIHCAcQABiABDIHCAgQABiABDIHCAkQABiABNIBCjEwMDU1ajBqMTWoAgiwAgHxBWL9hBePVqTS&sourceid=chrome&ie=UTF-8#fpstate=ive&vld=cid:dde2e633,vid:UE-gFx29utc,st:0 



2025年4月17日木曜日

(2642) 関税(自動車産業を念頭) ~ 素人談義 ~ その4

ナカムラ レイナさん > 藤波さんは現在のアメリカの保護主義的な政策について、今後どうなっていくと思いますか?
(Facebookでのコメント) 

 冒頭に書いているように、素人なのでわかりません。トランプ大統領に直接、聞いてみてください。

 

 日本の専門家でもわからないし、アメリカの閣僚すらわからないと思います。そもそも、トランプ大統領が決めてないと思います。保護主義的な政策をぶち上げ、その結果の様子を見極めながら、前言をひっくり返すような発言が続くのではないでしょうか。つまりトランプ大統領も答えられない、だから、世界中の誰も、その質問に答えられないと思います。

 

 今の段階で、その質問にはっきり答え、後々正しいと分かったら、その人はすごい人だなと尊敬します。

 

 ところで、昼過ぎの赤澤大臣のインタビューを聞きましたが、やはり、どうなるか分かりません。記者との受け答えを聞いていると、石破総理大臣よりはまともかなという印象は受けました。このような比較をすることは、意味がないような気がしますが…

 

 気になるのは、答えながらずっと体が揺れていたことです。あくまで想像ですが、記者発表はしていないが、とんでもない要求を突きつけられているのではないでしょうか。そんなことがあったのか、なかったのか分からないし、あったとしてもそれが何だったのかもわかりません(追記参照)

 

 ナカムラ レイナさんの質問に答える人がいたら、その人は、先に述べたようなすごい人なのか、不正解のコメントを滔々と述べるバカなのか、どちらかでしょう。私は、どちらでもありません。答えられなくて、ごめんなさい。

(追記) 朝日新聞の報道(4月17日 17時26分)によれば:
 トランプ米大統領と赤沢亮正経済再生相が16日午後(日本時間17日午前)、米ワシントンのホワイトハウスで会談した際、トランプ氏が赤沢氏に対して示した日本側への要求の全容が判明した。複数の日本政府関係者によると、トランプ氏は、①在日米軍の駐留経費負担②米国製自動車の販売③貿易赤字――の三つの柱を具体的に示し、改善を要求したという。


2025年4月15日火曜日

(2641) 関税(自動車産業を念頭) ~ 素人談義 ~ その3


1.   経済的基盤がしっかりしているメーカーは、慌てふためかず、変な投資はせず(投資するふりは必要でしょう)体力を温存し、嵐が過ぎ去る(トランプ大統領がいなくなり、アメリカ産業が自滅する)のを待つしかないのではないでしょうか。

2.   ただ、アメリカのメーカーが自滅すると、アメリカは購買力を失います。それは、とても困ります。買って欲しいのです。一人勝ちしようとしないで、共存共栄の道は、ないのでしょうか。いずれにせよ、困ったものです。

 

※写真はイメージ。ニューズウィークからの写真だが、記事内容を引用しているわけではない

 


2025年4月14日月曜日

(2640) 関税(自動車産業を念頭) ~ 素人談義 ~ その2


5.   さて、これでアメリカのメーカーが復活できるかどうか。短期的にみると、輸入車が激減し、アメリカ国内メーカーの生産量を増やすとしても、数年かかります。その間極端な品薄状態に陥ります。必然的に値が上がります。アメリカ国内にすごいインフレが起こるので、関税を乗せても売れます。そしてその関税は全部アメリカの輸入業者が払ってくれます。だから、さらに値が上がり、止めようのないインフレになります。困るのはアメリカ国民です。海外メーカーは、高く買ってくれるなら関税がかかっても、困りません

6.   中期的にみて、海外メーカーがアメリカに投資して、生産拠点を移すかどうか。移さないと思います。先ず、アメリカで生産するにしても、輸入する部品には関税がかかるので、安くはできません。生産量が増えると被雇用者が増える(→雇用需要が高まる)ので、人手不足になり給料が上がります(人件費があがります)。工場を新設しようとすると、大きな投資をする割には、回収が難しいでしょう。しかも、トランプ大統領の現在の施策がいつまで続くか分かりません。この施策が変われば、投資を回収できません。投資は、リスキーです

7.   長期的に見て、国に守られた産業は衰退します。日本の自動車メーカーに国際競争力があるのは、日本の国に守られなかったからです。国に守られてきた、日本の重電業、建設業に国際競争力はありません。アメリカ輸出の比率が高かったアメリカ以外のメーカーは、苦境に陥り、体力のある会社だけが生き残り、そうでない会社は耐え切れず倒産します。あるいは、強力なメーカーに吸収合併され、アメリカ以外では、少数のメーカーに集約されていき、ますます強力になり、国に保護されて弱体化したアメリカのメーカーは太刀打ちできなくなります。それでも、競争力のないアメリカメーカーが、関税に守られ、生き延びます。アメリカの製造業は、どんどん衰退していくでしょう

※写真はイメージ。Yahoo!ニュースからの写真だが、記事内容を引用しているわけではない


 

2025年4月13日日曜日

(2639) 関税(自動車産業を念頭) ~ 素人談義 ~ その1

1.   「関税は輸入する国によって税率が異なり、対象となる商品やサービスの種類にも差があります。 基本的に関税は輸入者が支払いますが、支払いは商品価格に上乗せされることが一般的であり、最終的には消費者がそのコストを負担することになります。」だそうです

2.   計算しやすいように、仮に日本からの輸出品の関税が0%から25%に上がったとして、これまで100円で輸出していたものを、そのまま100円で売るとします。するとアメリカの輸入業者が25%に当たる25円をアメリカ政府に関税として支払い、125円でアメリカの一般消費者に売ります。結局、アメリカの一般消費者から25円をアメリカ政府が巻き上げるだけで、困るのはアメリカ国民です。【訂正版】

3.   実際に何が起こりそうかと言うと、日本のメーカーが売れなくなることを心配して80円に値下げすれば、25%関税を乗せても100円になりますが、そんなことをしているとメーカーが生き残れなくなるので、仮に頑張って92円とします。すると、25%の関税を乗せて115円になります。今度は、アメリカの輸入業者が売れなくなることを心配して、全部を転嫁せず、例えば、107円で売りに出し、アメリカの消費者も我慢して107円で買います。何故なら、日本ばかりでなく、輸入車全部が値上がりするので受け入れざるを得ません。【訂正版始まり】結局、日本のメーカーは100円だったものを92円で売るので、8円損します。92円の25%に当たる23円をアメリカ政府が儲けます。関税込みで115円(関税がないときは100円だった)になったものをアメリカの輸入業者が107円で売るとすれば、アメリカの輸入業者が8円負担、アメリカの消費者が7円負担となります。なお、実際には、販売するときに輸入業者は利益を得ますが、それは関税がかかる前と後とで一定として、ここでは無視しています。【訂正版終り】このように均等な負担にはならないでしょうが、いずれにせよ3者の痛み分けになります。

4.   儲けて嬉しがっているのはアメリカ政府だけです。日本メーカーだけではなく、アメリカ輸入業者もアメリカ消費者も泣きます。アメリカ国民もまた不幸になっていきます。「我々が搾取する番だ」 → 搾取するのはトランプ大統領。搾取されるのは、海外メーカー、アメリカの輸入業者、アメリカの消費者。アメリカ国民が困るのは自業自得、迷惑なのはアメリカ以外の国

※写真はイメージ。TBSテレビからの写真だが、記事内容を引用しているわけではない