2024年4月14日日曜日

(2600) フロイトの偉業の背景にあるものを抽出 ~ 指針としたい

【 フロイトの偉業 ・ 背景 】フロイトの偉業の背景にあるもの:(1)「判断の独立性」、(2)「現場での取り組み」、(3)「未知の分野への取り組み」、(4)「個別を突き詰め普遍に到達」、(5)「抵抗に持ち堪える十分な裏付け」、(6)「サークルの形成」 


 フロイトの偉業の背景にあるもの

(1)   「判断の独立性」~物事の真偽や当否を自身で精査し、判断を人任せにしない強さと知性~

(2)   「現場での取り組み」~大学の研究室を捨て、開業医として生計を立てた~

(3)   「未知の分野への取り組み」~うまく対応できるところではなく、未整理のテーマを選んだ~

(4)   「個別を突き詰め普遍に到達」~多くの個別を集めても見えないものがある~

(5)   「抵抗に持ち堪える十分な裏付け」~実践を通じて他者も認める、確かな知見をもつ~

(6)   「サークルの形成」~周囲に研究や実践を推し進めるサークルを形成する~

 

 これらは、私が今、進めている「自治会消滅危機からの脱出支援活動」に、ものすごく当てはまります。指針となります。

 

===== 引用はじめ  P.10P.11

 … そこで彼を待ち受けていたのは、ユダヤ人に対するあからさまな差別でした。ひどく不当な扱いを受けたフロイトは、その経験から、みずからの「判断の独立性」―物事の真偽や当否を自身で精査し、判断を人任せにしない強さと知性――を培っていったといいます。

===== 引用おわり

(1)   「判断の独立性」~物事の真偽や当否を自身で精査し、判断を人任せにしない強さと知性~

 

===== 引用はじめ  P.11

 若きフロイトには養うべき両親や妹たちがいたほか、長年の婚約者マルタとの結婚も控えていました。彼は、大学の研究室に残るという道を捨て、神経疾患専門の開業医として生計を立てていく決心をします。

===== 引用おわり

(2)   「現場での取り組み」~大学の研究室を捨て、開業医として生計を立てた~

 

===== 引用はじめ  P.11

 フロイトは、脳や延髄の解剖によって病巣を突き止められる前者の疾患には比較的うまく対応できましたが、そのような解剖学的根拠を持たない「神経症」のメカニズムについては、ほとんど何も知りませんでした。

===== 引用おわり

(3)   「未知の分野への取り組み」~うまく対応できるところではなく、未整理のテーマを選んだ~

 

===== 引用はじめ  P.20

 フロイトの方法は、いわば、徹底的に「個別」を突き詰めることで「普遍」に到達するという独特なスタイルです。多くの「個別」を集めるのではなく、一つないし少数の「個別」に深く潜っていく。そうすることで初めて見えてくるもの、到達できる「普遍」がある。

===== 引用おわり

(4)   「個別を突き詰め普遍に到達」~多くの個別を集めても見えないものがある~

 

===== 引用はじめ  P.71

 しかし、子どものセクシユアリテイを強調するフロイトの学説が明らかになってくると、世間から過剰な拒絶反応を浴びることになりました。 …

 しかしフロィトは、こうした「抵抗」に持ち堪えるのに十分な裏付けを手にしていました。神経症の治療を通じて得られた知見の確かさは、まず一部の医師たちの関心を惹きっけ、フロイトの周囲に精神分析の研究や実践を推し進めるサークルが形成ざれていきます。

===== 引用おわり

(5)   「抵抗に持ち堪える十分な裏付け」~実践を通じて他者も認める、確かな知見をもつ~

(6)   「サークルの形成」~周囲に研究や実践を推し進めるサークルを形成する~

 

<出典>

【書名】100de名著 フロイト『夢判断』、NHK出版、20244

【著者】立木康介



2024年4月11日木曜日

(2599) あこがれる人はいるか、あこがれるものはあるか

【 あこがれ 】憧れを抱くところまでは、自分の考え一つで、できるでしょう。それだけで、人生が豊かになっていくと思います。「0.憧れのない人」「1.憧れはあるが、憧れるだけで終わる人」「2.憧れに近づこうとして、近づけなかった or 近づけた人」 


 昔の話、私が大学に入学したころ、「世界の名著」シリーズの中から何冊かを読みました。その中で強いあこがれを抱いたのが、フロイトとダーウィンでした。何もないところから理論を打ち出し、全世界を変えてしまったからです。50年以上前のあこがれは、今も持ち続けています。

 

 20244月「100de名著」:フロイト『夢判断』で解説者は、「フロイトは、マルクスやニーチェと並ぶ、現在思想の源流」と3人の名を挙げています。また、「フロイトは自らの発見を、コペルニクスの地動説、ダーウィンの進化論に次ぐものと位置付けています」

 スポーツマンやアーティスト、あるいは、実業家や政治家にあこがれる人もいるでしょう。伝記や偉人伝があこがれの対象の人を紹介してくれます。齋藤孝は、シュリーマン『古代への情熱』で、トロイアにあこがれてついに発見したシュリーマンを紹介し、自身の経験にふれながら「教育の基本は、『憧れに憧れる』ことだ」と書いています(20243月「100de名著」)。あこがれの対象は、人だけではありません。

 

 私の会社生活を振り返ると、尊敬する上司は多くいましたが、憧れる上司がいなくて、自分の将来像を描くのがむずかしかったように思い出します。「あの人のようになりたい」という思いは、力強い指針になります。

 

 私なりに分類してみました。

0.   憧れのない人

1.   憧れはあるが、憧れるだけで終わる人

2.   憧れがあり、近づこうとする人

2.1.  近づけなかった人

2.2.  近づけた人

 

 私は、2.1. 、大谷翔平は2.2.でしょうか。

 「ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」(大谷翔平)

動画があります https://the-ans.jp/wbc/311267/2/

 大谷翔平は、「今日一日だけ」憧れを捨てようと言っています。1年の内364日は憧れの中に生きており、それが彼をたゆまない成長に導いているのだと思います。

 

 私は、2.2が幸せで、2.1が不幸だと思いません。一心に憧れに向かって邁進しているときほど、楽しい時間はありません。既に十分報酬を得ています。さらに、たとえ憧れに到達しなくても、期待していなかった良い副産物に恵まれます。人との出会いもその一つです。

 ところで、2.2は、そこに近づけた後、どうするのでしょうか。おそらく更なる高みに向かい、2.1.に戻ると思います。そうしないと、その人は立ち止まってしまって、動けなくなってしまうのではないでしょうか。

 

 私から見ると、0.1.はつまらない人生のように思えます。本人がそのように生きたいなら、それでよいと思います。批判したり無理強いしたりする気はありません。各々の人生の主人公はその人なので、自分で決めればよいと思います。

 お金がなくても、友達がいなくても、誰もが憧れを抱くことはできます。能力が無くて実現できないかも知れないが、憧れを抱くところまでは、自分の考え一つで、できるでしょう。それだけで、人生が豊かになっていくと思います。





2024年4月10日水曜日

(2598) 落ち葉の吹き溜まり ~ その意味するところは?

 【 落ち葉 ・ たまり場 】我が家は角地にあります。何故か、家の前の道、特に玄関先が、落ち葉の吹き溜まりになります。先ず、何故、吹き溜まりになってしまうのかを考え、次にそれが何を意味するかを考えてみました。流れのある所に立とう!


 我が家は角地にあります。何故か、家の前の道、特に玄関先が、落ち葉の吹き溜まりになります。溜まってきたら、掃除しなければなりません。面倒です。

 先ず、何故、吹き溜まりになってしまうのかを考え、次にそれが何を意味するかを考えてみました。

 

 我が家の前の道では、風が舞います。北から南に吹いたり、南から北に吹いたりします。東西も同じです。普通は風上から風下に向けて掃きますが、それができません。掃除している数十分の間にも、風の向きが変わります。

 例えば、東西に帯状の落ち葉の塊があり、それが東西向きの風が舞うたびに、帯全体が東西に行ったり来たり、移動します。たまたま交差点にある葉は、南からの風が吹くと北に移動し、この葉は、東西に移動しなくなります。つまり蓄積されます。南北方向の葉の帯も同様です。このようにして交差点付近に葉がたまってきます。

 

 次に、玄関の門は、格子戸になっています。その他は、上部は格子戸状だけれど、下部は壁になっていて風を通しません。そのため、玄関の門の外の道、地面スレスレのところでは、道から家に向かっての気流が生まれます。これが玄関先に吹き溜まりができる理由です。

 

 

 さて、ここで何が起こっているのでしょうか。「風の流れに変化があるところに吹き溜まりができる」と私は捉えました。

 次に歌です。落ち葉の舞い散る停車場は♪ ここで、落ち葉は邪魔者ではありません。物寂しさを醸し出す、名脇役になっています。落ち葉は嫌なもの、とは限りません。

 

 結論が出ました。

 

 空気の流れの変化するところに、何物かがたまっていく。たまる物に良いものと悪いものがある。良いものは自分に取り込み、悪いものは掃いてどこかに捨てればよい。そして、そこに立たない限り、チャンスを得られない。そうだ、流れのある所に立とう。

 

 むか~し、ニックネームが交差点と言う人がいました。同じことを言いたかったのでしょうか。どこの誰だか覚えていないので、残念ながら聞いて確かめることはできません。




2024年4月9日火曜日

(2597) スギナ茶の淹れ方 の教え方。そこから見えたもの

【 スギナ茶 ・ レシピ 】「一つまみのスギナ茶を入れて、8分煮込む」から話が展開していく。戸惑いの中で発見した。レシピを見て作る料理、レシピに頼らず作る料理、それぞれどのような意味があるのか。この考察は、教育にも通じる 


 妻に、スギナ茶の淹れ方を聞いたら、「鍋で水を沸騰させ、一つまみのスギナ茶を入れて、8分煮込む」だった。シンプルと言うか、雑過ぎると思った。

 おでんをつくる鍋もあるが、さすがに大きすぎるので、手ごろな鍋を選んだ。「一つかみ」が難しい。多めの一つまみと、少なめの一つかみでは、倍以上違う。が、こんなものかなと適当に入れて作った。時間を決めてくれたのはありがたかった。

 とりあえず作ったが、良かったのか心配だったので飲んでみた。ただ、スギナ茶では分からない。砂糖や醬油なら、多すぎたとか少なすぎたとか、ある程度はわかるのだが。

 

 ところで、心配した時点で、何かが降りてきた。何だ!これは? 結論は、「これが料理であり、これが教育だ」。

 

 レシピでは、大さじ何杯とか、何gとか、何Lとか書いてあって、それを見て作れば心配しない。心配になるから出来栄えを調べようとする。そこが大切なのだ。

 テレビドラマで、「お義母さん、味見してください」と嫁が、だしの入った小皿を差し出す場面がよくあった(最近は LGBTQ 規制が厳しいのでNGかもしれない)。「○○家」の味は、マニュアルでは伝えられない。

 お義母さんの味を自分舌で把握したら、後は、どんな料理を作っても大丈夫だろう。もしかしたら、お義母さんが亡くなったら、今度は自分が嫁に伝えるときに、新しい「○○家」の味ができるかもしれない。それで良いと思う。

 

 マニュアル通り作れば、十分、美味しいものができる。「それで何が悪い? これで良いではないか! 文句言うな!」と言われると「ごめんなさい」しかない。ただ、「一つかみ」という伝え方には、意味があると思った次第である。

 

 一方、細かく手順を教えて、その通りさせるのが教育ではない。それは、教育の入口で、最終地点ではない。結果を吟味し、フィードバックさせる力を持つ、これができるようになると、どんな場面でも適応できる人間が育つ。マニュアルのない世界に突入した時、生き延びられるのは、その人だ。

 

 ただ、全く何もヒントがないと辛い。大きな、取り返しのつかないようなミスを犯さない範囲で、できるだけ自由に取り組むチャンスが欲しいし、そのようなチャンスを与えたい。

 不味い食事は、がまんすれば済むこと。ただし、それが別れ話に繋がってしまいそうなら、あるいは、夫婦の愛に亀裂が入りそうなら、レシピを見ながら、頑張って料理しましょう。

 

<御参考> インターネットで調べたら

https://www.nokitishop.jp/SHOP/t-sugina.html (敷信村農吉)

「美味しい淹れ方:水1リットルにつき、大さじ1~2杯を入れ、沸騰後、気泡が出続ける程度のとろ火で7~8分煎じます。急須を使う場合は、熱湯を注いでお好みの濃さになるまでお待ちください」

https://kawashima-ya.jp/contents/?p=2291 (かわしま屋)

「スギナ茶の淹れ方には鍋ややかんで淹れる方法と急須で淹れる方法の2種類があります。★鍋またはやかんで淹れる場合:1.乾燥のスギナの葉510gと、約1Lの水を用意します。2.水と乾燥のスギナの葉を鍋に入れ、火にかけて沸騰させます。3.お湯が沸騰したら弱火で12分ほど煮込みます。4.火を止めて、茶こしで葉をこしたらスギナ茶のできあがりです。お好みの濃さになるように、沸騰時間を調整してください。★急須で淹れる場合:…

※ なお、実際に計ってみたら:大さじ1杯は約0.8g、「私の一つまみ」は約3g、でした。

 

因みに、

Yahoo! Japan 知恵袋 「レシピを見ながらの料理は、「料理上手」ではないですよね?」

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10125749830

の「質問」と「その他の答」が面白かった。