2021年11月4日木曜日

(2507) 衆院選結果について[A] 各局の午後8時段階の議席予想

 【 衆院選結果 ・ 議席予想 】 ①維新会(日本維新の会)の大勝利②自民党の勝利③立民党(立憲民主党)の敗北~ではない。①維新会の勝利②テレビ各局予想の惨敗③自民党と立民党は勝利とも敗北とも言えない~だと私は思っている。


 衆院選の結果が明らかになってきた。大方の見方は、

  維新会(日本維新の会)の大勝利

  自民党の勝利

  立民党(立憲民主党)の敗北

 ではないだろうか。

 

 私は、少し違っていて

  維新会の勝利

  テレビ各局予想の惨敗

  自民党と立民党は、勝利とも敗北とも言えない

と思っている。

 

 説明すると、

維新会は前回が悪すぎた。54(H24)41(H26)11(H29)41(今回)。ようやく戻れたのは勝利だが、浮かれてはおられない。「勝ったとは、いわれへん」と「お祭りムード」とは無縁の雰囲気だそうだ。一枚看板の都構想を失いながら、よく立て直せたものだ

テレビ各局は、8時段階で、自民党と立民党の予想を大きく読み間違えた。彼らは混乱させただけ。報道者としての資格が問われている。そのような間違った報道なら、無い方がよい

マスコミの「誤報」に惑わされて、自民党の勝利、立民党の敗北のように見えるが、結果は、実態にみあったとろに落ち着いたのではないか

自民党は大敗の可能性もあったが、よく持ち直した。ただ、議席は減らしている

立民党も大敗の可能性があったが、よく立て直した。枝野さんの危機感は非常に強かった。「一定の成果はあった」という発言が「反省がない」と非難されているが、現実は鼓舞するために「政権交代」などと大風呂敷を広げただけで、本人はもっと悪い結果の可能性も予想していたと思う。それなのにマスコミは、コロッと騙され、一緒に夢を見ていたのではないか

 

 では、8時段階での各局の報道は、なぜあんなに間違えたのか。いろいろな説がある。

   多くの若者が8時直前に投票した。その時には出口調査は終わっていた。彼らに自民党支持者が多かった

   出口調査に快く応じたのは、リベラル系で立民党支持者が多い。一方、自民党支持者の多くはマスコミを信用していないので、無言で答えなかった。自民党を悪く書いているマスコミに、自民党に投票したと言う気が起こらない。「マスコミは中立」という信頼感は既に破壊されている。だから、正しく読めない

   マスコミに「自民党負けろ、立民党勝て」というバイアスが強く、願望が報道内容に入り込んでしまった

 

 私は、①はあったとしても影響は小さく、②と③は多いに、あったのではないかと思っている。思っているだけで、明確な証拠があるわけではない。

 

 さて、出口調査が、全く無意味かと言うと、そうでもない。(A)10月末予想、(B)午後8時予想、(C)最終結果、を比較すると次のことがわかる

  自民党と立民党の予想は、大きく間違えた

 間違いの幅は、自民党(8.9人→23.9人)、立民党(21.1人→21.0人)

 自民党予想は、出口調査により間違いを増幅した。立民党予想は、正せなかった

  公明党、共産党、維新会、国民党の予想は、精度が高かった

 間違いの幅は、公明党(2.9人→1.2人)共産党、(6.1人→1.7人)、

 維新会(9.5人→0.4人)、国民党(3.5人→0.1人)

 いずれも、出口調査により大幅に精度をあげた。

 

 集計したデータは、

(D)        自民党  公明党  立憲民  共産党  日本維新 国民民

                      主党       新の会  主党

(A) 10月末予想   252.1  29.1   117.1   16.1   31.5    7.5

(B) 午後8時予想  237.1  30.8   117.0   11.7   41.4   11.1

(C) 最終結果    261.0  32.0    96.0   10.0   41.0   11.0

 

 元データは、

(A)報道各社の衆院選情勢調査に基づく議席の推計

 毎日(1019,20日)、産経FNN1023,24日)、朝日(1023,24日)、共同通信(1023~26日)

(B)各局の午後8時段階の議席予想

 【NHK】、【日テレ】、【テレ朝】、【TBS】、【テレ東】、【フジ】

(C)最終的な獲得議席

 幅で示された場合は、最大値と最小値の平均値を代表値とした。代表値の平均で評価した。

 

 すなわち、公明党、共産党、日本維新の会、国民民主党の予想には出口調査が有効だ(れいわ新選組、社民党の予想もだいたいあっていた)。しかし、出口調査は、自民党の予想を悪化させ、立憲民主党の予想には無力であった。

 

 無党派層の移り気は、アンケート調査を中心とした出口調査という手法で把握することは、不可能だということを意味していると思う。アメリカの大統領選挙でも、予想は大幅に間違っていた。




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