2019年3月4日月曜日

(1531)  約束するということ・米朝首脳会談

 
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 約束するとは、どういうことなのか。日本人には「約束は守るべきものだ」という「信仰」があるのではないか。その「信仰」を共有する人たちとは約束を継続的に維持することも可能だろうが、「異教徒」との約束は違う。
 
 「異教徒の約束」は、「約束を破ることのリスクが無くなれば、約束はいつでも一方的に破っても良い」というものだろう。
 
 例えば、約束を破れば罰金をとられるなら約束を守ろうかなとも思うが、(1)罰金を払う約束になっていても払わずに済ませられるならば、その約束は破ってもよい、(2)約束を破って罰金を払うが、約束を破ったことによる利益が罰金額より上回るなら、その約束も破ってよい。
 
 しかし、体裁は取り繕わなければいけない。約束を破る理由はつける。ただ、そんな理由はいつでもつくれる。例えば「相手が約束を破ったから、私も約束を破る」という論法。「相手が約束を破った事実」は、いくらでもでっち上げられる。
 


 トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長とのやりとりは、興味深い。二人とも約束をしても、それをずっと守る気はさらさらない。都合が悪くなったら破棄する。自分がそうだし、相手もそうだということも分かっている。自分は守る気がないし、相手も守らないであろう約束をしようとしていることになる。
 

 では、彼らはどんな約束を目指すのか。

(1) 約束はいずれ破られるとしても、破られるまでは効力がある。約束できれば、トランプ大統領も金委員長も国内外で良い評価得られる。約束をするということは、両方にメリットがあり、Win-Winの関係である。だから、2回も会っている

(2) 自ら約束を破った時の、自分の損害を最小にする

(3) 相手が約束を破った時の、相手の損害を最大にする
 
 多分、この三つを考えながら交渉をしてきて、それをうまくまとめきれなかったので、今回は破談になったのだろう。

写真は、
https://www.asahi.com/topics/word/%E7%B1%B3%E6%9C%9D%E9%A6%96%E8%84%B3%E4%BC%9A%E8%AB%87.html

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