2019年1月19日土曜日

(1487)  マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」(3-2) / 100分de名著

 
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(K0628)  認知症とよりよく生きるには(2) 認知症とともに生きる <脳の健康>
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3回  21日放送/ 23日再放送

  タイトル:運命に立ち向かう女
 

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50
再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55
 及び        午後 00:00~00:25
 

【テキストの項目】

(1)  事業家スカーレットの成功
(2)  性悪型のヒロインがなぜ嫌われない?
(3)  ボケとツッコミ文体の妙技
(4)  才能を開花させるスカーレット
 
(5)  流されたくない女たち
(6)  クラン討ち入りと猿芝居
(7)  もう一人のヒロイン、メラニー
(8)  メラニーの多面性
 


【展開】

(1)  事業家スカーレットの成功
(2)  性悪型のヒロインがなぜ嫌われない?
(3)  ボケとツッコミ文体の妙技
(4)  才能を開花させるスカーレット

以上は、既に書きました。
 

(5)  流されたくない女たち

 スカーレットは、全体が一つの方向に流れていくことに対して、常に疑問を投げかける役割を与えられています。 … つねに同調圧力、全体主義、狂信的ナショナリズム、戦争、排他主義、管理社会の闇などに抗い、立ち向かっていく人物です。
 

(6)  クラン討ち入りと猿芝居

 スカーレットは、スラム街の男たちに襲われレイプされそうになりました。 … アシュリを隊長とするクー・クラックス・クランの一団が、報復のため、スラム街への危険な討ち入り計画を実行することになりました。
 クランの討ち入りをヤンキー軍の憲兵隊が待ち構えていることを知ったレットは、アシュリやフランクを救うべく動きます。結論として、クランメンバーはその夜ベル・ワトリングの色宿で女の子たちと飲み騒いでいたと装うことにして、べろべろに酔ったふりでアシュリらを家に連れ帰るのです。
 レットやアシュリ、家で待っていたメラニーたちは、シナリオもリハーサルもなく、ぶっつけ本番の芝居でヤンキー軍の憲兵隊を欺くという、一世一代の“名演”を繰り広げたのです。
 この一連の猿芝居を描くミッチェルの筆致はいつも以上にコミカルで、この章は本作の中でも最もシリアスな状況ながら最もおかしく、ある意味、屈指のコメディに仕上がっています。
 なお、ミッチェルは、クランクを登場させたことについて政治的なメッセージは一切ないと言っています。作品の中でクランは美化も理想化もされていません。
 

(7)  もう一人のヒロイン、メラニー

 名前の語源をたどると、スカーレットは赤、メラニーは黒です。映画ではもっぱら聖女=白のイメージで描かれていたメラニーですが、実に多面的な人物です。スカーレットが怖気づいたときには俄然押しが強くなったり、ときには底意地の悪さすら発揮したりします。
 

(8)  メラニーの多面性

 聖女から意地悪女、任侠映画の親玉もどきまで、メラニーは非常に多面的な顔を持つキャラクターです。強と弱、非道さと慈愛、明と暗、聖と俗、さまざまな顔を持つメラニーは、さまざまな場面でスカーレットと抜群のフォーメーションを組むような動きをします。スカーレットとメラニーは、作者にとって二人で一人であり、どちらも対等なヒロインであったのではないかと思います。
 

<出典>
鴻巣友季子(2019/1)、マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)

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