2018年10月10日水曜日

(1386)  (29) 泉鏡花『高野聖』 / 「明治の50冊」

 
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(K0527)  認知症薬に挑む(上)「進行抑える」光見えた <認知症>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/10/k0527.html
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1.   どういうストーリーか

2.   どう評価されたか

2.1.  異界や神秘を描いている
2.2.  近代ロマン主義の傑作
2.3.  人真似のできぬ高度の芸術性がある
2.4.  近代というものを相対化する視点を持っている
2.5.  自然が持つ無慈悲な力が現れている
2.6.  イメージが幾通りにも広げることができる
 

【展開】

1.   どういうストーリーか

===== 引用はじめ
 「高野聖」は、冬の越前敦賀(福井県敦賀市)に投宿した「私(わたし)」が、相部屋となった僧、宗朝(しゅうちょう)から若いころの体験談を聞くというスタイルで進行する。
 飛騨(岐阜県)から信州(長野県)への山道で、宗朝は孤家(ひとつや)(一軒家)に住む婦人(おんな)(美女)と出会う。蛭(ひる)に吸われた体を谷川の水で流してもらった宗朝は、この婦人と一生を共にしてもと思うが、一緒に住む少年と夜中に聞こえてきた獣たちの鳴き声が気になった。一夜明け、後ろ髪を引かれる思いで孤家をたった宗朝は、婦人の馬を売ってきたという親仁(おやじ)と山道で出くわし、意外な秘密を聞く。
===== 引用おわり
 

2.   どう評価されたか
 
2.1.  異界や神秘を描いている

===== 引用はじめ
 「高野聖」はむしろ江戸よりも古い民間伝承から創作のエネルギーを得ていたのでは
===== 引用おわり
 

2.2.  近代ロマン主義の傑作

===== 引用はじめ
 国文学者の吉田精一は昭和初期に「鏡花の最高の作品の一つ」と称しているが、この辺りから「高野聖」の文学史における評価が定まってきた。
===== 引用おわり
 

2.3.  人真似のできぬ高度の芸術性がある

===== 引用はじめ
 人間の感情の動きや、描写の上で、ひどく通俗的なところがあるのに、その一面神采奕々(しんさいえきえき)(輝くほど美しい)とでもいうべき、人真似(まね)のできぬ高度の芸術性がある
===== 引用おわり
 

2.4.  近代というものを相対化する視点を持っている

===== 引用はじめ
 ヨーロッパで生まれた近代化は今、行き詰まりを見せているが、それを1900年という近代真っ盛りの時代に、このまま進んでいいのかと予言していた
===== 引用おわり
 

2.5.  自然が持つ無慈悲な力が現れている

===== 引用はじめ
 自然が持つ善も悪も飛び越えた無慈悲な力が、孤家の婦人の姿に変えて現れたのではないか
===== 引用おわり
 

2.6.  イメージが幾通りにも広げることができる

===== 引用はじめ
 天使のような優しい聖女であると同時に、男を惑わす妖しい魔女でもある。読み取る人の空想でイメージが幾通りにも広げることができるというのも、この作品が時代を超えて人々の心をとらえる魅力なのではないでしょうか
===== 引用おわり
 


【プロフィル】泉鏡花(いずみ・きょうか)

 明治6(1873)年、石川県金沢市生まれ。尾崎紅葉(こうよう)の作品に感激し、23年に小説家を志して上京。紅葉の門下生となり、25年、「冠(かんむり)弥左衛門(やざえもん)」を発表。28年、「夜行巡査」「外科室」が島村抱月(ほうげつ)らに観念小説と称され、新進作家としての評価を得る。ほかに代表作として「婦(おんな)系図」「歌行燈(あんどん)」「夜叉(やしゃ)ヶ池」「天守物語」など。昭和14(1939)年、65歳で永眠。生家跡に泉鏡花記念館が建つ。
 

<引用>
泉鏡花『高野聖』 近代化を相対的に捉えた傑作
【明治の50冊】(29) 産経新聞(2018/09/24)
 
泉鏡花「高野聖」(29) 近代化を相対的に捉えた傑作
https://www.sankei.com/life/news/180923/lif1809230043-n1.html


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