2018年8月25日土曜日

(1339) 『百人一首』(2) / 100分de名著

 
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(K0480)  異なる人口減の要因 <少子高齢化>
http://kagayakiken.blogspot.com/2018/08/k0480.html
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9首。
 
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10 これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関
     蝉丸
 
 (そう、ここだ! 出発する人も、帰ろうとする人も、知っている人も、知らない人も、みんな行き交い、すれ違い、逢っては別れを繰り返す、ここがその、逢坂の関)
 出会いと別れを感情抜きに、人の動きで表現している。だからこそ、読む人の感情を自由に投入し、味わうことができる。
 


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57 めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな
     紫式部
 
 月を友人になぞらえた歌であることが、「ずっと以前から幼友だちだった人と久しぶりに会った」という詞書から分かります。意訳すると「久しぶりのあなたと会えてとても嬉しかったのに、時間が幻のように過ぎてしまった。もっと一緒にいたかったな」という意味になります。
 


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56 あらざらむ この世のほかの 思ひでに いまひとたびの 逢ふこともがな
     和泉式部
 
 自分が死ぬとわかったら家族や親友や恋人、とくに最後に好きになった人と会いたいというのは、時代や世代に関係なく共通の感情だと思います。作者の和泉式部はたいへん情熱的な女性で、大恋愛を幾度も繰り返すのですが、そのたびに相手に早く死なれたり、周りから非難されて関係がうまくいかなかったりと、男運には恵まれなかったと伝えられています。
 
 
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12 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
     僧正変遍昭
 
 この歌の最大の魅力は、実際に見たリアルな情景を空想の力で神話や伝説の世界につなげることによって、優雅さや美しさを際立たせている点にあるのですが、こうした「空想の世界に遊びながら、それを現実につなげる」という発想は、現代人がすでに失ってしまったものといっていいでしょう。
 


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29 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどわせる 白菊の花
      凡河内躬恒
 
 真っ暗な部屋の戸を開けてみたら、一瞬目がくらんだ。実際には、直ぐに初霜と白菊の花は区別がつくようになった。しかし作者は「どうすればあの一瞬の感動を、鮮烈なイメージとして心の中にとどめておくことができるだろ?」と考え、言葉を使って心象風景を再構築したものだろう。写真でたとえるなら、「インスタ映え」を狙った「盛り」
「インスタ映え」御参考  https://taglab.jp/insta-bae/
 


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70 さびしさに 宿をたち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮
     良暹法師
 
 この歌には「人間とはもともとさびしい存在であり、だれもがそのさびしさの中で生きている」という無常観が示されています。 … 「さびしいのはお前だけじゃない」 … そうとらえるとこの歌は「誰もがさびしいのだから、さびしいことを嘆くよりも、それを受け入れて生きろ」と説いているようにも思えてきます。
 


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84 長らへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき
      藤原清輔朝臣
 
 この歌で注目したいのは、現在の視点から過去の自分を振り返るだけではなく、未来の視点からも現在の自分を見ているという点です。「しんどい。大変だ」と思っているときは、目の前の「今」にしか目がいかないのが普通ですが、この歌の作者は、過去――現在――未来という時間軸のなかで、自由に視点を移動しながら、最終的には未来から今の自分を励まそうとしているのです。
 


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4 田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪はふりつつ
     山部赤人
 
 田子の浦にいながら、富士の高嶺で雪が降り続けている様子が見えるわけがない。二台のカメラが、田子の浦と富士の高嶺にあったにちがいない。まず田子の浦から富士を眺めているカットが映し出され、そのあとに雪が降り続いている富士山頂のアップが映し出された。当時にはカメラはないが、選者の藤原定家は、この歌からこのカット割り映像が見えていたのだろう。
 


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93 世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ あまの小舟の 綱手かなしも
     鎌倉右大臣
 
 この歌には、明日が見えないことの不安や、運命を受け入れるしかないというあきらめの気持ちが込められています。作者の鎌倉右大臣とは、実朝です。血なまぐさい権力争いのなかで、親族さえ信用できずに常に暗殺の恐怖におびえながら生きてきたのが実朝だったのです。最後は、暗殺され、短い生涯を閉じることになります。
 


<出典>
(2018/8)、「for ティーンズ」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)
添付は、この本から


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