2018年5月13日日曜日

(1236) 「すね」と「ひねくれ」と「てれ」

 
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(K0377)  将来の認知症に備える(2-1)任意後見人 <脳の健康>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2018/05/k0377-2-1.html
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===== 引用はじめ
 私(*1)は三つの要素から出来ているらしい。すね、ひねくれ、てれ。
 この三要素を見出したのは哲学者の鷲田清一さん。彼が「朝日新聞」に連載している「折々の言葉」で指摘してくれた(*2)
===== 引用おわり
(*1)坪内稔典
(*2) 後ろで引用
 


 三つを比較したい。例えば、

(1) 強く、正しく、美しく(西田文郎)
(2) ルサンチマン(主に弱者が強者に対して、「憤り・怨恨・憎悪・非難」の感情)(フリードリヒ・ニーチェの『道徳の系譜』)
(3) すね、ひねくれ、てれ
 
 このうち(1)はポジティブで良いのだが、こればかりだと疲れてしまう。(2)はネガティブだけで、これだけで疲れてしまう。(3)が何とも味がある。
 


===== 引用はじめ
(0)  三要素がほどよく混合している時、私は調子がよい。快調だ。
(1)  どれかに偏ると、たとえば偏屈で意固地なジジイになる。この場合は「すね」ている。
(2)  「ひねくれ」に偏ると、とても非常識なジジイになる
(3)  三要素の中で大事な働きをするのは「てれ」かもしれない。これが素直に発揮されると、偏屈や非常識にユーモアが漂うから
===== 引用おわり
(箇条書きにした)
 
 「ほどよく混合している」のがよいのだ。
 

 三つの言葉を辞書で英単語に直し、それを英々辞典で確認した。「てれ」は、”self-conscious”でよさそうだが、「すね」「ひねくれ」は、日本独特の態度のようだ。該当する英単語が見当たらない。
 

【すね】
(a) すねる → (1)すなおに人に従わないで、不平がましい態度をとる。
(b)(c) すねる → sulk(→すねる), get sulky; 〔すねている〕be sulky
(d)(c) sulk → to be moodily(→不機嫌な,ふさぎ込んだ,むっつりした) silent
 

【ひねくれ】
(a) ひねくれる → (2) 性質・考え方などがねじけて素直でなくなる
(b) (c) ひねくれた → perverse(→(2) 〈人・言動などが〉ひねくれた,ねじけた,つむじ曲がりの); warped(→ 曲がった,反った;常軌を逸した.
(d) (c) perverse → 2(a) obstinate(→(1) (目的や意見などに)頑固に固執する,片意地な,意固地な) in opposing what is right, reasonable, or accepted
 

【てれる】
(a) てれる → 気恥ずかしく感じる。また、恥ずかしそうな態度や表情をする。
(b) (c) てれる → self-conscious(→(1) 〈人が〉人目を気にする,自意識過剰な) [shyembarrassed]
(d)(c) self-conscious → 1(a) conscious(3) (…)意識[自覚]している,感じている,気づいている) of one's own acts or states as belonging to or originating in oneself
 

<使った辞書>
(a) デジタル大辞泉(小学館)
(b) 小学館プログレッシブ和英中辞典の「拗ねる」の英訳
(c) 小学館ランダムハウス英和大辞典の「sulk」の意味
(d) Merriam-Webster Online
 
 

===== 引用はじめ
 自分の人生を決めた年齢と同じ年齢の子に届く言葉をもちえなかったら、何の書き手か。 (坪内稔典)
 すねとひねくれとてれのまじる軽妙な句を詠む俳人が、ある集いで口にした重い言葉。何が出てくるかわからない小学生くらいの歳の子の言葉の地平にいつも足を置いていたいと言った。私の場合は、日々わめき、さまよう中、鬱憤ばかりをつのらせていた高校生の頃、理解できないまま胸にぐさっと突き刺さる言葉に出会った。そのさまよう魂たちの間に私も言葉で立ちたい。
===== 引用おわり
「今日1/3朝日新聞「折々のことば」より転載」からの転載
http://mytribute12lord.blog.fc2.com/blog-entry-2860.html
 
 

<出典>
坪内稔典、「ねんてんの三要素」
【モーロク満開】 産経新聞(2018/05/04)

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