2018年4月29日日曜日

(1221)  過ちを正す過ち ~ 自分で答案を書き直したとき

 
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(K0362) 「低栄養」に注意 <体の健康>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2018/04/k0362.html
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 結論から先に言うと、

===== 引用はじめ
 子供の問題行動には必ず理由がある。
 行為を正すことばかりに気を取られると、その子供の苦しみを理解する機会を逸してしまう。
===== 引用おわり

 「子供」を「人」に置き換えても、上記は成り立つと思う。
 
 

 採点した答案を全てコピーして返却するケースがあるらしい。

===== 引用はじめ
 成績をつけるときの参考にするだけではない。子供が答案を書き換えるようなことが起こった場合に証拠として取っておくのだという。
 ある中学で生徒が、採点が間違っていると言って担任に答案を持ってきた。他の教科の先生にも採点の間違いを訴えていた。調べると、自分で答案を書き直していたことが分かった。
===== 引用おわり
 

 先生の対応、子供の対応、親の対応

===== 引用はじめ
 生徒に書き直したのではないかと尋ねてみた。しかし、頑として認めようとしない。担任は親に電話をし、事情を説明した。すると、「うちの子がそんなことをするはずがない」と憤った。
===== 引用おわり
 

 対応方針

===== 引用はじめ
 困った担任は他の教師と相談をした。間違った行為をこのままにしてはおけない。証拠のコピーもある。親を呼び出して、白か黒かはっきりさせようという方向に話が進んだ。
===== 引用おわり
 

 立ち止まった

===== 引用はじめ
 しかし、一人の先生は、嘘をついてまで、必死に点数を上げようとするその子のことが心配でたまらなかった。調べてみると、その子は親の出身校である進学校を志望していた。定期テストの度に、点数が悪いと親にひどく叱られると周囲に話していたことも分かった。
===== 引用おわり
 

 答案の書き換え云々より、その子が抱える悩みをいかに上手に親に理解してもらうかが重要だ

===== 引用はじめ
 答案の書き換えはもちろんよくないが、このままでは親をやり込めるための面談となってしまう。親はさらに子供を叱るだろう。相談を受け、子供も親も悪者にせず、子供の苦しい状況を親に理解してもらえるように話をしてみたらどうかとアドバイスした。答案の書き換え云々(うんぬん)より、その子が抱える悩みをいかに上手に親に理解してもらうかが重要だからである。
===== 引用おわり
 

 実際の対応

===== 引用はじめ
 面談当日、厳しい顔をした両親に、先生はこう訴えた。「親思いのお子さんですね。親を心から尊敬していて、失望させたくないと強く思っているようです」。親と同じ高校に進学できなければだめだと思い込んでいる子供の日頃の様子について丁寧に説明した。話を聞くうちに両親はうつむいた。
===== 引用おわり
 

 大切なこと。

===== 引用はじめ
 子供の問題行動には必ず理由がある。過ちを正すことは大事だが、なぜそんなことをしてしまったのか、まず子供の置かれた状況を知るべきだろう。子供の気持ちを理解し、受け止めなければ、良い方向へと導くことは困難だ。問題行動は、その子に関わるチャンスになる。
===== 引用おわり

 教育現場だけではなく、多くの場面でこの考えは有効だろう。
 
 

<出典>

藤崎育子、子供の心の痛みを理解する
【解答乱麻】 産経新聞(2018/04/25)
 
子供の問題行動には理由がある 心の痛みを理解せよ 開善塾教育相談研究所所長・藤崎育子
https://www.sankei.com/life/news/180425/lif1804250006-n3.html

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