2018年3月1日木曜日

(1164)  昭和史の闇を照らす / 松本清張スペシャル (0)

 
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3月の「100de名著」、「松本清張シリーズ」の放映が、3/5()から始まる

Eテレで月曜日。再放送は水曜日、時間は、以下の通り。
  月曜日   午後 10:25~10:50

  ()水曜日 午前 05:30~05:55
        午後 00:00~00:25
 

<全4回のシリーズ>

【はじめに】昭和史の闇を照らす

第1回 3月5日放送/3月7日再放送
  タイトル: 人間と社会の暗部を見つめて - 『点と線』

第2回 3月12日放送/3月14日再放送
  タイトル: 生き続ける歴史の古層 - 『砂の器』

第3回 3月19日放送/3月21日再放送
  タイトル: 歴史の裏側を暴き出す - 『昭和史発掘』

第4回 3月26日放送/3月28日再放送
 タイトル: 国家の深層に潜むもの - 『神々の乱心』
 
 

今回は、「はじめに」より。
 

【項目】

A.原武史 講師が松本清張という作家に惹かれる理由、2つ

B.松本清張の作品を生み出す原動力、2つ

C.昭和を描く、歴史家ないしは思想家としての松本清張
 


【各論】

A.原武史講師が松本清張という作家に惹かれる理由、2つ

(1) 清張の作品は戦後史の縮図である
 作品そのものが、高度経済成長という時代の証言になっている。現在から見ると、当時の東京也地方なりの風景を理解するための貴重な資料になっている。
 
(2) タブーをつくらない
 清張は小説やノンフィクションの中で、天皇制、被差別部落、ハンセン病といったテーマに取り組んでいる。あくまで自分が発掘した史料や関係者へのインタビューをもとに、そこに忠実に向き合おうとする姿勢を一貫してとっている。
 

B.松本清張の作品を生み出す原動力、2つ

(1) 清張が育った風土
 北部九州には、かつての王朝の影や、その歴史的な痕跡が神社や民間伝承。祭りなどの形で数多く残っている。そうした風土に育った。

(2) 清張自身の生い立ち
 清張の作品には、エリートや富裕層に対する皮肉めいた視線が非常に強く感じられる。彼の推理小説で活躍するのは、(金銭的余裕のない)下っ端の刑事たちである。幼少期以来の清張自身の経験が反映していると思う。
 


C.昭和を描く、歴史家ないしは思想家としての松本清張

 清張の作品を読むと、比較的近い過去(平成の前の昭和)ですら、実は何もわかっていなかったことに気づかされる。松本清張は小説家にとどまらない、ひとりの歴史家ないしは思想家として読み直される存在ではないか
 
 

出典
原武史(2018/3)、松本清張スペシャル、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)


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