2017年7月2日日曜日

(922) 偏見はこうして生まれた / 『高慢と偏見』ジェイン・オースティン(1)


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(K0063) ストレスとPTSDのケア / 「生きづらさの中を生きる」(4-1) <心の健康>
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   『100分で名著』 7月3日() 22:25 22:50 Eテレ 放映


1.   ストーリー全体

 小説『高慢と偏見』をひと言で要約すると、「女主人公エリザベスが、いろいろあって…最後は結婚しました」。もう少し詳しく書くと、「登場人物たちは、互いに嫌いあったり、対立したりしながら、関係がこじれていく。エリザベスはそれらを乗り越え、人間的な変容を伴う恋愛経験を経て、最後に結婚に至る」。エリザベスの相手としては、「国民軍将校のウイッカムに熱を上げ、遠縁の牧師コリンズの求婚を断り、最終的に富豪のダーシーと結ばれる」。女主人公が最後に結婚するという結末は、オースティンの小説では一種の約束事のようなものであり、結末はある程度予想される。

 読みどころは、結末までに至る顛末にある。題材は平凡であっても、女主人公が経験した心の動きや認識の変化の大きさが実に劇的であることが、この小説の大きな見どころである。

 
2.   物語の基本情報

   ベネット家の近隣にビングリーという金持ちの独身男性が引っ越してくる
   ベネット家には、年頃の五人がいる
   母親がかわいがっているのは、長女のジェインと末娘のリディア。父親のお気に入りは、頭のよい次女のエリザベスである

冒頭でのベネッ夫妻の会話だけで、これらの情報が示されているところを、夏目漱石が高く評価した。
 
 この手法は、プレゼンテーションに利用できるのではないかと、私は思った。普通は要点を説明する。そうではなく、ストーリーを語り、そこから聴衆が要点を自らの力で理解できるようにすれば、高度なコミュニケーションを確立できるのではないか

 
3.   ベネット家の5人姉妹

 5人姉妹。①長女のジェインは上品な美人で控えめ。主人公である②次女エリザベスは快活で冗談好きで滑稽なことを楽しむが、批判的で頭がよい。③三女メアリーは、衒学的な堅物だが、能力もセンスもない変わりもの。④⑤四女キティと五女リディアは、流行を追いかけたり、舞踏会でダンスのパートナーを見つけたりするのに夢中である。リディアはキティよりも気が強い。

 
4.   男たち

 ベネット家の近隣に引っ越して来るのが裕福なビングリーで、彼が借りたネザフィールド屋敷には、大富豪のダーシーが客として滞在している。
 コリンズは、男子のいないベネット家の遠縁で、土地と家をまとめて相続することになっている

 
5.   恋愛関係

   ジェインとビングリーは、両想い
   コリンズはエリザベスに求婚したが、拒絶された
 

出典:
廣野由美子、ジェイン・オースティン『高慢と偏見』~虚栄心は乗り越えられるか~、「100DEで名著」、NHKテキスト(2017/7)
添付:第1回人物相関図、「大事件は起こらない」
 

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