2017年6月22日木曜日

(912) 縁起の実践・空の実践 / 『維摩経』(4)


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   『100分で名著』 6月26() 22:25 22:50 Eテレ 放映
 

【本テキストの構成】 第4回 あらゆる枠組みを超えよ!

1 どうすれば不二の法門にたどり着けるのか     … 第9章

2 二項対立構造のワナ

3 維摩の一黙、雷の如し

4 明かされる維摩の正体     … 第10章、第11章、第12章、第13

5 喜びに包まれたフィナーレ     … 第14

6 現代人が『維摩経』を読む意味

7 本当の自立とは何か

 

【『維摩経』の構成】

第9章 「入不二法門品」(にゅうふにほうもんぼん)
 クライマックスシーン。どうすれば「不二の法門」にたどり着けるか

10章 「香積仏品」(こうしゃくぶつぼん)
 最高の香りに満ちた仏の国「衆香国」の菩薩たちが維摩のもとを訪ねて来る

11章 「菩薩行品」(ぼさつぎょうぼん)
 文殊菩薩一行が維摩や衆香国の菩薩たちを引き連れて釈迦のところに戻った

12章 「見阿閦品」(けんあしゅくぶつぼん)
 釈迦の口から、維摩の正体が明かされる

13章 「法供養品」(ほうくようぼん)
 さまざまな供養の中で「法の供養」が最もすばらしいものであることが釈迦によって説かれる

14章 「嘱累品」(ぞくるいぼん)
 「嘱累」とは、釈迦が教えを人に託すことを意味する。

 

最期に、『維摩経』に示された教えの重要なポイントを箇条書きで示す。

===== 引用はじめ

u  すべてのものは要素の集合体に過ぎず、絶えず変化しながら関係性の中で成り立っている。それが存在や現象の本性であることを覚知することで、存在や現象にしがみつかないように、執着や固着しないようにする道を歩んでいく。この立場に立てば、すべての活動は「空の実践」になる。

u  なにごとにもよらずに単独で成立しているものはこの世には存在しない。すべてのものは関係性の中で成立している。だから、他者への慈悲の心と活動は、自分の悟りへの道である。すべての人々がそのような道を歩めば、仏教が考える理想の国(仏国土)となる。

u  「世俗・悟り」「善・悪」といった二項対立の考え方につまずいてしまうと、怒りや憎悪や差別や排除が生じる。自分の都合というフィルターや枠組みを通さずに認識すれば、平等な世界が見えてくる。

u  世俗を嫌悪して聖なる世界を希求しても、どこまでいっても世俗なのである。だから、むしろこの世俗のど真ん中を生きる道を歩む。とらわれたりかたよったりすることなく、世俗の中を生きる。それが究極の仏教である。

===== 引用おわり

 

出典:
釈徹宗、『維摩経』~とらわれない、こだわらない~、「100DEで名著」、NHKテキスト(2017/6)
図:「不二の法門」に入るには?

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