2017年6月13日火曜日

(902) 子どもの問題行動 / 子供・若者の文化と教育(7)


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現在の子どもと若者の問題行動を明らかにする。
社会規範が変動している中で、何が問題かのとらええ方自体も揺らいでいる。
少年犯罪、いじめ、不登校、高校中退など、問題行動といわれることの実態を考察する。

【目次】

第7章 子どもの問題行動

0.   はじめに

1.   青少年の犯罪傾向

2.   学校の中での子どもの問題行動
(1)  いじめ
(2)  不登校
(3)  高校中退
(4)  暴力行為
(5)  学級崩壊
(6)  インターネット利用

3.   子どもの問題行動にどのように対処するか

 

<各論>

0.   はじめに

 消費社会に育った今の子どもの行動や規範は、自己中心的で社会的な規範を無視し問題を感じることは多いが、社会の変化も加味しなくてはならない。

 子どもの問題行動に対する見方には、子どもに問題があるとするものと、子どもを問題と見る視点(レッテル)が先にあるとするものの二つの立場がある。
 

1.   青少年の犯罪傾向

刑法犯少年を種別にみると、

   窃盗犯が57.5%と最も多くなっている … 万引きや自転車盗、オートバイ盗など
   次いで、占有離脱物横領が26.1%と多くなっている … 放置自転車の無断使用など
   凶悪犯は1.2%と少ない … 強盗、殺人、放火、強姦
 

2.   学校の中での子どもの問題行動

(1)  いじめ
学校(学級)におけるいじめの特性

   いじめの起こりやすい集団的特性というものがある。親密でも疎遠でもない「中間的環境」と、出入りが自由でない「閉鎖的集団」

   学級にはいじめられっ子の「標的の座」が用意され、誰かがそこに座らなければならないような構造になっている

   いじめは「加害者」「被害者」だけでなく、「観衆」(おもしろがって囃し立てる人)、「傍観者」(見て見ぬ振りをしている人)の4層構造からなる

   いじめの被害者が、自分がいじめられていることを、自殺をもってしか証明できないような「いじめの言説」は、あらためられなければならない

   近年では、インターネットや携帯電話を利用した「ネット上のいじめ」という新しい形のいじめが生じている

 
(2)  不登校

(3)  高校中退

(4)  暴力行為

 
(5)  学級崩壊

 授業がスムーズにすすまないのは、子どもの側に「問題」があるせいと、教師たちは考えている。「わがままな子が多くなっている」「家庭でのしつけのできていない子が多くなっている」「できる子とできない子の分化がすすんでいる」「落ち着きのない子が多くなっている」「指導が難しい子が多くなっている」等々

 逆に子ども(中学生)の側から、次のような教師のもとで「授業が騒がしくて中断されている」としている。「授業がつまらなく、わかりにくい先生」「生徒の気持ちがわからない先生」「決まりに厳しすぎる先生」「まじめで熱心な先生」「問題が起こると生徒の責任にする先生」 … 「まじめで熱心な先生」が挙がっているのには驚いた。その先生は、どうしたらいいのだろう?

 
(6)  インターネット利用

 

3.   子どもの問題行動にどのように対処するか

   子どもの問題行動の発生するメカニズムを捉える
 現代の子どもの実態や学校や社会のあり方を客観的に見据える

   規範や規則をきちんと教える
 知らない、あるいは知っていてもその重要度に気が付いていないという場合もある

   子どもの傷つきやすい心情にも配慮する
 失敗、挫折経験のないものは、些細な失敗にも大きく傷つき、トラウマを後に引きずり、挑戦をしなくなる

   子どもを取り巻く社会的状況の改善を図る
 子どもが育つ家庭や親子関係のあり方などを健全化する

   大人や社会の子どもへの視線や扱いを見直す
 大人と子どもは育った時代が違う

 

引用

竹内清「第7章 子どもの問題行動」
竹内清・岩田弘三編、子供・若者の文化と教育、放送大学教材(2011)
7-2 刑法犯少年の包括罪種別検挙状況(平成17年)

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