2017年5月29日月曜日

(887) 「ひよっこ」にみる「尊厳と自立」


NHK連続テレビ小説「ひよっこ」も大分見慣れてきた。ときどき「名場面」にめぐり会う。

下に紹介するのを「名場面」とよんでいいのかどうは分からないが、今私が追いかけているテーマ「尊厳と自立」にちょうど当てはまるので、まとめてみた。

第8週第47回の場面。写真は、放映画面より。

 
(み)谷田部 みね子(有村架純)ヒロイン。奥茨城 出身。
(鈴)牧野 鈴子(宮本信子)  すずふり亭店主

===== 引用はじめ

   < みね子が泣いているのを見て、鈴子はみね子を裏庭に連れ出した >

(鈴)(私はね、勝手に東京のお母さん代わりと思っている…)何かつらいことがあったんでしょ。そうでしょ

(み)お給料日にここに来て、ちょっとずつ高いのたのんで、そうやって決めていたのに、ちょっと厳しいからそれもできなくて、来られなくなったら寂しいなと思って、そしたら、

(鈴)ばかだね。別にあんたに商売しようと思ってないんだからさ。お客じゃなくていいじゃないの。遊びに来れば。今日だって、お代なんていらないんだし。

(み)だめです。絶対いやです。

(鈴)なんで

(み)私の、東京での目標なんです。私、特に東京でこれをしてえとか、そういうのないから、でも、がんばって、働いて、ちゃんと仕送りして、妹や弟を高校にやれるようにして、でも、それだけだと自分がないから、すずふり亭に来て、いつかビーフシチューたのめるようになって、だから、自分の力で払わないとだめなんです。

===== 引用おわり


「仕送りするだけだと自分がないから」、「東京の目標」を決めた。「だから、自分の力で払わないとだめなんです。」

「尊厳」と「自立」を守るため、60円のビーフコロッケを御馳走してもらうのを断固拒否した。
 

ちっぽけな、どうでもいいような意地である。

しかし、この種の意地を捨ててしまった人は、実に貧相になる。

そして、この種の意地をはれる人は、苦境に立っても切り抜けることができる。何故なら、切り抜ける力の源泉である「尊厳ある私」を保っているから。

65年間生きてきた、私の実感である。

 

「尊厳」と「自立」については、本日、別のブログに詳しく書いた。

(K0030) 尊厳と自立度 / 自立度など <自立喪失からの脱却>
http://kagayakiken.blogspot.jp/2017/05/k0030.html

断っておくが、読むのはしんどいと思う(笑)。

 

「ひよっこ」を見ていない人のための解説:

ヒロイン谷田部 みね子のお父さんが蒸発して、家計を助けるため急きょ東京に集団就職。給料は、わずかな額を残して仕送りし、質素な生活をしていた。しかし、会社が不況で給料は約10%カット。みね子も同僚も、実家にはいつもの金額を送った。

すずふり亭は、蒸発した父が立ち寄った店。懇意にしてもらい、給料日には必ず来るようにしていた。でも、お金がない。

メニューは、
  ビーフコロッケ   \60
  ポテトフライ    \70
  ロースハムエッグ  \150
  チキンライス    \190
   :
  特性ビーフシチュー \500

少しずつランクアップしてきたが、今回はビーフコロッケに逆戻り。

来月は、来ることすらかなわないかもしれない。


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