2017年5月10日水曜日

(869) WWE、「謝罪しろ」


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最近テレビの契約を変えたので見ることができなくなったが、WWE(World Wrestling Entertainment)のプロレスをよく見ていた。

「プロレス団体としてのスタイルは、完全にドラマ仕立てのショープロレスで、試合における技の美しさや流れよりも、ストーリーの流れの方が注目されることが多い。しかし試合そのものはプロレスの基本に忠実な正統な展開を好み、あまり大技を使わずに試合を構成できる実力派の選手も多い。一方では凶器有りのデスマッチを得意とする者もおり、単にストーリーだけの団体ではない。」

 

さて、この番組では「肉弾戦」とともに「舌戦」も展開され、そこで「謝罪しろ(apologize)」という言葉がよく出てくる。そしてその謝罪のストーリーは、日本人の私から見ると奇妙に展開していく。

(1)  AがBに謝罪せよと要求する。その理由は述べるが、内容は理不尽なものが多い。でも、形式としては、一応整っている。

(2)  Bが拒否すると、Aの制裁が始まる。例えば、徒党を組んで痛めつける。経営層も加わり、選手が謝罪を拒否すると、3:1の変則試合を組む。4人は実力が伯仲しているので、1人(謝罪を要求されたが拒否した人)は、さんざん痛めつけられる

(3)  たまには、Bの仲間が現れることがあり「抗争」となるが、だいたいは、Bが痛め続けられる

(4)  Bがたまらず謝罪すると、AとBの支配関係が確立し、AはBに理不尽な要求を出し続ける

(5)  Bが謝罪したのは、Bが悪かったのでも論争に負けたのでもない。力で押しつぶされたのである。Bは「戦略的忍耐」をしながら力を蓄え、やがて反撃する

 
これは「ストーリー」であるが、数多いファンはこの展開に熱狂している。

 

 日本の「教育者」は、このような番組は見ないだろう。見たら場合によっては「教育的な観点から」そのような番組は青少年に悪影響を与えるから良くないと批判するだろう。

 しかし、私は、これから世界で活躍してほしい若者にとって、とても「教育的な」番組だと思う。

 
中国、韓国、ロシア、北朝鮮と渡り合うには、このストーリーを知っておらねばならない。相手の出方をよく見て、適切に対応しなければならない。
 
そういう意味において、日本に馬鹿な政治家(私は「政治屋」と呼びたい。「政治家」とい言葉の品位を落としたくない)が多すぎる。

国際社会において、不用意な謝罪は、国を亡ぼす。

 

余談であるが、WWE現会長ビンス・マクマホン氏とトランプ大統領は親友である。
 

 
「ロイター通信によると、ドナルド・トランプ次期アメリカ大統領は2016127日、プロレス団体 “WWE” の共同創業者で元最高経営責任者のリンダ・マクマホン氏を中小企業庁長官に指名する方針を明らかにした」
リンダ・マクマホン氏は、ビンス・マクマホン氏の妻である。なお、この記事は去年の12月のもので、その後どうなったかは、私はフォローしていない。

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