2017年4月10日月曜日

(839) 朝の詩(7)(8)


(839) 朝の詩(7)(8)
 

(A)     新しく始めるために

(B)     花筏

 
===== 引用(A) はじめ

朝の詩

 
 新しく始めるために

 
  東京都文京区

  宮本 乙女 56

 
今朝は

ため込んだものを

処分しています

となりの建物の

シュレッダーまで

通っています

これで三回目

心がどんどん

軽くなっていきます

通りかかるたびに

見上げる桜の枝には

開いた花が

ふえています

 
(選者 新川和江)

===== 引用(A) おわり

産経新聞 (2017/3/30)

 
捨てればスッキリするのは分かっているが、

なかなか、捨てられない。

 
4月は、新しく始めることが多い。

それに見合う量は、捨てなければならないのだろう。

 
開いた花が、

行き詰った心を和ませてくれた。

 

 
===== 引用(B) はじめ

朝の詩

 
 花筏(イカダ)

 
  三重県松阪市

  小山 肇美 58

 
花曇りという言葉が

この国にあるので

曇りの日も慕わしい

花冷えですねと

顔を見合わせて

あたたかな日を待ち

花吹雪という言葉で

散る姿さえ愛でる

 
ごらんなさい

花筏がゆるやかに

川を下っていきます

 
(選者 新川和江)

===== 引用(B) おわり

産経新聞

(2017/4/9)
 
日本人の感性は素晴らしい。
英訳するのは、とても難しいだろう。
 
この詩の言葉な並べ方も素晴らしい。
時間のながれを感じた。

 

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