2017年3月31日金曜日

(829) 理想には現実を変える力がある/人生論ノート(1-1)


~ 『100分で名著』 4月3日() 22:25 22:50 Eテレ 放映 ~
※ すみません。放送日を間違えていたので訂正しました。「4月3日(月)放映」が正しい。
   なお、4月5日 05:30-05:55,12:00-12:25 に再放送があります。

(1)    人生論ノート
(2)    理想

 
<各論>

(1)    人生論ノート

三木が『人生論ノート』で取り上げたテーマを掲載順に追うと、次のようになる

1938年 「死」「幸福」「懐疑」

1939年 「習慣」「虚栄」「名誉心」「怒」「人間の条件」

1940年 「孤独」「嫉妬」「成功」「瞑想」

1941年 「噂」「利己主義」「健康」「秩序」「感傷」「仮説」「偽善」「娯楽」「希望」

 
 なお、創元社からの単行本では「仮説」の後ろに「旅」「個性」の2題と後記が加えられていた。戦後に編まれた新潮文庫版には、「偽善」「娯楽」「希望」の3題が追加されていた。
 
 「人生とは何か」「人はいかに生きるべきか」考えるとき、人生の中で誰もが一度は突き当たる問題が並んでいる。

 
 
(2)    理想

===== 引用 はじめ ( P.19

 世間には「夢のようなことばかり言っていないで」と諭す人もいますが、夢は人生を拓く原動力です。「それは理想論だよ」と鼻白む人もありますが、理想には現実を変える力があります。現状を観察・分析し、それを追認するだけの哲学が少なくありませんが、理想を掲げることで哲学は初めて現実を変える力を持つのです。三木は『人生論ノート』で、そうした理想を私たちに示してくれています。

===== 引用 おわり

 私自身は、理想を追うことが多く、その時には周囲と歩調が合わなくなる。

 思うに、「60%の合格点」で(が)よいと考えている人にとっては、理想は要らないし、むしろ邪魔だろう。なぜなら。理想は、負担を増やし、時間を取り、効率を下げるから。

 「ギリギリの合格点より更に質を高めたい」「今の枠組みにこだわらず、よりよいものを目指したい」と志すなら、どうしても理想が必要になる。ここを追い求めるから、私は理想にこだわり、効率が悪くなり、余分に時間を取られ、余分な労力を費やす。それでもかまわないと本人は思っている。そういう生き方もあってよいだろう。

 
引用:
岸見一郎(2017/4)、三木清『人生論ノート』、100de名著、NHKテキスト
写真:三木清

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