2016年7月27日水曜日

(581) 「体験談」その後


 去る4月28日の「第5期市民後見人候補者養成研修(基礎研修)」で、市民後見人としての体験談をお話した。

関連投稿:(492)。レジメ:http://kagayaki56.blogspot.jp/2016/04/492.html 。

それに対して、「受講者アンケート」付きで、丁寧な礼状をいただいた。
それに対する返事:

===== 返事 はじめ

神戸市社会福祉協議会
 神戸市成年後見支援センター
  センター長様、ご担当様

 
 いつもご指導いただき、ありがとうございます。また、 

 「第5期市民後見人候補者養成研修(基礎研修)」において、お話をする機会をいただき、ありがとうございました。さらに、ご多忙にもかかわらず「受験者アンケート」まで添付し、ご丁寧な礼状をいただきありがとうございました。

 
 アンケートを拝見し、お役に立てたようだなと安心しました。

 

一般論ですが、うまくいくためには三つの要素、「話し手」、「聞き手」、「主催者」が、関わると考えています。今回は、「聞き手」の質の高さ、「主催者」の万全な準備に、ずいぶん助けていただいたと感じています。

 
 先ず、「聞き手」の質の高さですが、私が伝えたかったことがよく伝わっていたことに驚きました。私が伝えたかったのは、次のようなことです。

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責任の重さを認識すれば不安になるのは当たり前で、むしろ不安が無いのはおかしい。経験がないので何が起こるかわからず、不安に思うのは当然である。経験のないままに、情報をいくら集めても、いくら考えても不安が消えるわけがない。

 
不安が消えてから飛び込むのではなく、飛び込めば不安は消える。色々なことが起こるだろうが、後見監督人が応援してくれて、問題は解決する。何故なら、問題が解決しないと、それは後見監督人の責任でもあり、彼らには失敗は許されないからである。だから、大きな問題が起こったら、後見監督人は、これまでの豊富な経験と知識を総動員して、弁護士など外部からの支援も総動員して、運命共同体として、徹底的にフォローせざるをえない。

 
しかし、大きな問題が起こると、それを解決するために多大なエネルギーが必要だし、まったく無傷とはいかないだろう。最後に解決しても、途中の心労は大きなものだろう。大きな問題にしない、できれば問題になる前に処理してしまえば、うんと楽である。

 
問題があるなと思ったら、早めに相談すること、いや、もっと早い方がよい。「あれっ、わからなくなってしまった」「いやいや、いやな雰囲気だな」「う~ん、どうしたらいいのだろう」「えっ、ちょっと変だよね」「おや、どうしてなのだろう」。問題が起こってから振り返ると、本格的な問題が起こる前に、こんな感情が働いていることが多い。逆に言えば、こんな「予兆の感情」が起こった時に手を打てば、問題が起こる前に対処できる可能性がある。

 
いわゆる『ほうれんそう』、「報告」「連絡」「相談」が大切である。「相談」できるようになった時は、問題が表面化している。「予兆の感情」の段階で、起こっている事実を確認し「報告」すると、問題発生前に対処できることがあるし、発生しても事実関係を把握できているので、速やかに対処しやすい。いくら後見監督人が有能で、問題を解決しようという意思があっても、知らなければ動けない・動かない。手遅れになる前に「連絡」しないと、解決への対策が始まらない。

 
「ほうれんそう」をしっかりして、自分一人で抱えてしまわず、誠意をもって、あきらめず、一生懸命すれば、なんとかなる。

 
先ず、始めよう。悩むのは、その後でよい。

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 少なからぬ「聞き手」のアンケートに「不安」が言及されていいました。もしも、いいかげんに取り組んでいたら、「不安」は起こりません。「不安」の言及は、「聞き手」の意識の高さによると思います。その意識の高さがないと、「話し手」がどのように話しても、通じません。


「不安」について書いていない「聞き手」も、姿勢は前向きです。聞いた内容を、他人事とはせず、一般論としては聞かず、自分のこれからに結び付けながら聞いているようです。

 
“「人」「人」「人」温もりが伝わってきました”という感想は、その方が鏡を見ているのだろうと思います。自分の中に温もりがないと、他人の温もりを感じられないでしょう。

 
5期生の中から多くの素晴らしい市民後見人が誕生するだろうと、心強く思いました。

 

 「支援センターの役割、市民後見人の活動についてはセンター長の説明が的確で分かりやすかった」とアンケートにあるように、私の話の前に「主催者」からの説明がしっかりあったので、「話し手」の話を「聞き手」が理解しやすかったのだと思います。また、準備段階で、何度も連絡し合えました。「主催者」の準備の大切さを、あらためて思いました。

 

「話し手」の「楽しそう」「自信」について述べているアンケートがありました。また、自分で振り返ると、力強くメッセージを伝えられたと思います。例えば「後見監督人は必ず助けにきてくれる」と言い切れるのは、自分自身でそういう体験を積んでいるからでしょう。「話し手」に充実感が無ければ「楽しそう」に話せないし、達成感が無ければ「自信」をもって話せないでしょう。

 
 これまでの後見人としての実務をいかによくサポートしていただいていたかを思い、あらためて感謝の気持ちがわいてきました。ありがとうございます。

 
 ただ、まだ課題をかかえているし、問題が起こるのではないかという懸念もあります。今後ともご支援、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。

 
4期生 藤波 進

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