2016年7月19日火曜日

(573) 「わたしは日本人です。撃たないで」


 少し前のことになるが、
犠牲者のご冥福をお祈りいたします。

 
===== 引用 はじめ

 7月1日夜(日本時間2日未明)、バングラデシュの首都ダッカで、レストランが襲撃され、日本人7人を含む20人が死亡し多数の負傷者が出た。

… 銃声の中で懇願するような男性の声が聞こえてきた。「私は日本人です。撃たないで」

 … 「アイム・ジャパニーズ、ドント・シュート」と言っても、テロリストは耳を傾けない。それは、テロリストが日本人を標的に定めているからだ。客観的に見た場合、イスラム過激派が日本人を敵視することには根拠がある。200191日の米中枢同時テロ事件以降、日本政府は積極的にテロとの戦いに加わっている。…

 今回、犠牲になった人々はJICA(国際協力機構)に関連する事業でバングラデシュに出張していた。…

===== 引用 おわり
佐藤優、「日本人もテロ標的」認識を、世界裏舞台、産経新聞(2016/07/17)

 

以下、私の思ったこと

(1)   バングラデシュのために献身し、何故、バングラデシュの地で殺されなければならないのか。無念の思いは一層強かっただろう

(2)   テロリストたちは、コーランを暗唱している人のみを助けようとしていた。「私は日本人だ」は、テロリストにとっては「私を殺せ」になる。通ずべきものが、通じない世界なのだ

(3)   私も「私は日本人です。撃たないで」と言いそうだ。殺されそうになっている当事者として冷静でおられるわけがない、生あるものとして当然のことなのだが、第三者の視点から冷静に考えれば、日本人以外はどうなってしまうのだろう

(4)   テロの対象にならないように、日本がテロとの戦いに加わらなければよい、という結論は出せない。何もしないということは、ISを含む過激派が、自己の支配下で人々を殺戮し、世界各地でテロを繰り返すことに加担することになる

(5)   不条理なことばかりであるが、それが現実だろう。不条理に立ち向かえば、直ぐに解消できるというものでないだろう。完全に解消することは、時間をかけても無理だろう。だからといって、目を背けていてよいものではない

(6)   悲しい想いも時々思い起こし、時に正面から不条理に向かい合い、少しずつでも、継続的に、不条理に耐え、そして、不条理に立ち向かう姿勢を失ってはいけない

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