2016年6月13日月曜日

(538) 「走れメロス」(太宰治)


6/8 22:00- BS朝日 放映済 「あらすじ名作劇場」

 
「走れメロス」(太宰治)

===== あらすじ はじめ

純朴な羊飼いの青年メロスは、妹の結婚のために必要な品々を買い求めにシラクスの町を訪れたが、町の様子がひどく暗く落ち込んでいることを不審に思い、市民に何が起きているのかを問う。そして、その原因である人間不信のために多くの人を処刑している暴君ディオニス王(ディオニュシオス2世)の話を聞き、激怒する。メロスは王の暗殺を決意して王城に侵入するが、あえなく衛兵に捕らえられ、王のもとに引き出された。人間など私欲の塊だ、信じられぬ、と断言する王にメロスは、人を疑うのは恥ずべきだと真っ向から反論する。当然処刑される事になるが、メロスはシラクスで石工をしている親友のセリヌンティウスを人質として王のもとにとどめおくのを条件に、妹の結婚式をとり行なうため3日後の日没までの猶予を願う。王はメロスを信じず、死ぬために再び戻って来るはずはないと考えるが、セリヌンティウスを処刑して人を信じる事の馬鹿らしさを証明してやる、との思惑でそれを許した。

 
メロスは急いで村に帰り、誰にも真実を言わず妹の結婚式を急ぎ、夫を信じて誠心誠意尽くすように言い含め、式を無事に終えると3日目の朝まだき、王宮に向けて走り出した。難なく夕刻までに到着するつもりが、川の氾濫による橋の流失や山賊の襲来など度重なる不運に出遭う。濁流の川を懸命に泳ぎ切り、山賊を打ち倒して必死に駆けるが、無理を重ねたメロスはそのために心身ともに疲労困憊して倒れ込み、一度は王のもとに戻る事をあきらめかけた。セリヌンティウスを裏切って逃げてやろうかとも思う。しかし近くの岩の隙間から湧き出てきた清水を飲み、疲労回復とともに義務遂行の希望が生まれ、再び走り出す。人間不信の王を見返すために、自分を信じて疑わない友人の命を救うために、そして自分の命を捧げるために。

 
こうしてメロスは全力で、体力の限界まで達するほどに走り続け、日没直前、今まさにセリヌンティウスが磔にされようとするところに到着し、約束を果たす。セリヌンティウスに、ただ1度だけ裏切ろうとした事を告げて詫び、セリヌンティウスも1度だけメロスを疑った事を告げて詫びた。そして、彼らの真の友情を見た王は改心したのである。

===== あらすじ おわり
引用: wikipedia『走れメロス』

 
 国語の教科書にも載っており、話も複雑ではない。知られていると思う。

 
 作者の太宰治がメロスみたいな人だったかというと、全然違ったというのが興味深い。メロスには「走れメロス」を書けない。「メロスでない人」しか書けないストーリーなのだろう。

 
そういえば「エミール」の作者のルソーは、できた5人の子どもを次々と孤児院に入れてしまった。理想の父親とほど遠いからこそ、「理想の教育」を語れたのだろう。

 
作者がどのような人であったかは関係なく、作品のみで評価すべきだろう。

 
===== 引用はじめ

懇意にしていた熱海の村上旅館に太宰が入り浸って、いつまでも戻らないので、妻が「きっと良くない生活をしているのでは……」と心配し、太宰の友人である檀一雄に「様子を見て来て欲しい」と依頼した。

 
往復の交通費と宿代等を持たされ、熱海を訪れた檀を、太宰は大歓迎する。檀を引き止めて連日飲み歩き、とうとう預かってきた金を全て使い切ってしまった。飲み代や宿代も溜まってきたところで太宰は、檀に宿の人質(宿賃のかたに身代わりになって宿にとどまる事)となって待っていてくれと説得し、東京にいる井伏鱒二のところに借金をしに行ってしまう。

 
数日待ってもいっこうに音沙汰もない太宰にしびれを切らした檀が、宿屋と飲み屋に支払いを待ってもらい、井伏のもとに駆けつけると、二人はのん気に将棋を指していた。太宰は今まで散々面倒をかけてきた井伏に、借金の申し出のタイミングがつかめずにいたのであるが、激怒しかけた檀に太宰は「待つ身が辛いかね。待たせる身が辛いかね。」 と言ったという。

===== あらすじ おわり
引用: wikipedia『走れメロス』


この話は、番組でも紹介された。

 
その他、「人間失格」(太宰治)、「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(編集:くさば よしみ。イラスト:中川 学)の紹介もあった。

 
次回「あらすじ名作劇場」は、【615日(水)放送】(通常は、22:00~)

「たけくらべ」「手袋を買いに」


要注意: 「ATPワールドツアー500」が放送・延長の場合、放送時間が変更または休止になる可能性があります。

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