2016年5月22日日曜日

(516) 「終わる」と「終える」


 「終わる」と「終える」とは、違う。

 
 自分の力ではどうしようもない、選択できない状態で終わるのが「終わる」である。人がいつかは死ぬのは「終わる」である。自分の意志を割り込ませる余地がない。

 自分がコントロールできる状態で終えるのが「終える」である。定年退職は「終わる」であり、希望しての中途退職は「終える」である。自分の意志で決める。

 
「終わる」に対する基本的な対処法は、「受け入れる」である。不満を言おうが、泣き叫ぼうが、事態は何も変わらない。「受け入れる」ために必要なのは、「精一杯やった」だろう。

 「終える」ためには、「始める」が必要である。「始める」があると、「終える」の意味がついてくる。「始める」がなく終えるのは、「放棄する」になりかねない。

 
 「終わる」を「終える」に変えることは可能である。解雇されるは「終わる」であるが、新しい「始める」を見出したら、気持ちとしては「終える」に変わる。

 「終える」は、積極的な生き方である。「始める」を成功させるには、良き「終える」が必要である。

 
 この「始める」を見つけるのが、なかなか難しい。

 見つかれば、半分成功である。あと半分は、努力と運。

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