2016年4月28日木曜日

(491)  金子 みすゞ

 
 童謡集からどれを選ぶかは、その時の心の状態で変わりそうだ。

今、選ぶと(よく知られているのは、あえて外し)次の二つになった。

 

===== はじめ

 積もった雪

 

上の雪

さむかろな。

つめたい月がさしていて。

 

下の雪

重かろな。

何百人ものせていて。

 

中の雪

さみしかろな。

空も地面(ジベタ)もみえないで。

===== おわり

 

===== はじめ

 お日さん、雨さん

 

ほこりのついた

芝草を

雨さん洗って

くれました。

 

洗ってぬれた

芝草を

お日さんほして

くれました。

 

こうして私が

ねころんで

空をみるのに

よいように。

===== おわり

 

私だと「雪が積もっていた」「芝草の上で寝ころんだ」で終わってしまう。

 

「豊かさ」という言葉が浮かんだ

 

転載:
 金子 みすゞ(1998)、「金子 みすゞ 童謡集」、ハルキ文庫

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