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2021年4月24日土曜日

(2314)  渋沢栄一『論語と算盤』(4-3) / 100分de名著

 

◆ 最新投稿情報

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(K1455)  「認知症の語り」(000) <認知症>

http://kagayakiken.blogspot.com/2021/04/k1455-000.html

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『論語と算盤』は、読み手によって、共感する部分や強調したい部分が180度違うということが起こりうる本。どんな立場の人が読んでも、社会を良くするという目標に向かって進む支えになる、懐の深さを持っている

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第4回  26日放送/ 28日再放送

  タイトル: 対極にあるものを両立させる

 

放映は、   月曜日 午後 10:25~10:50

再放送は、  水曜日 午前 05:30~05:55

 及び        午後 00:00~00:25

 

 

【テキストの項目】

(1)   矛盾を超えるために

(2)  「士魂商才」の核は信用

(3)  「論語」の長所と短所

(4)  「算盤」の長所と短所

(5)  『論語』を大胆に読み換える

(6)   男尊女卑を経済合理性でカバー

(7)  「孝行は、親が子にさせるもの」

(8)   弱者をすくう「思いやりの道」

 

(9)   すべては「志」を全うする手段

(10) 陰陽と太極図

(11) 純粋さだけでは世界は回らない

(12) 今こそ求められる「対極を調和させる」力

 

【展開】

(1)   矛盾を超えるために

(2)  「士魂商才」の核は信用

(3)  「論語」の長所と短所

(4)  「算盤」の長所と短所

(5)  『論語』を大胆に読み換える

(6)   男尊女卑を経済合理性でカバー

(7)  「孝行は、親が子にさせるもの」

(8)   弱者をすくう「思いやりの道」

 以上は、既に書きました。

 

(9)   すべては「志」を全うする手段

 渋沢にとっては、実業界を発展させることも、社会事業をすることも、『論語』も、志を実現させるための手段でしかありませんでした。「論語」も「算盤」も手段。つまり目的達成のための道具に過ぎないからこそ、客観的にその強みと弱みを分析することができ、それを組み合わせてうまくバランスさせる方法を見出し得たのです。

 高い志を持つことは、いつまでも自分を成長させ続ける原動力になるのです。

 最初は小さな志でも、時間をかけて育んでいけば、それを大きな志にすることができるのです。まずは身近なことから志を持ち、それが達成できたらもう少し大きな志を立ててみる。それを繰り返していくことでも、やがて大きな志に至れます。

 

(10) 陰陽と太極図

 「対極にあるものを両立させる」という考え方は、その淵源をたどると中国の伝統的な思考法に行き当たります。分かりやすいのが、陰陽という考え方。陰陽では、世界は陰と陽という対立する要素のバランスによって成り立っていると考えます。円の中に白と黒の勾玉のような形が組み合わされた「太極図」は、その象徴にほかなりません。

 ドラッカーの考え方は、渋沢の発想とまさしく軌を一にしています。自らの与えられた責任を果たすためには、リーダーシップは必要な仕事と捉えるべきであり、向き不向きや才能の問題ではない。そして、優しさと厳しさとは、仕事を果たしていくための道具に過ぎない以上、どう使えば良いのか、その長所と短所を見抜き、足りなければ補うのが当たり前、というのです。

 

(11) 純粋さだけでは世界は回らない

 たとえば、真面目に道徳を守っているけれども、貧しい人がいたとします。純粋に「算盤」の価値観だけで評価するなら、この人は「負け組」ということになります。一方で、私利私欲でビジネスをしているけれども、その事業が結果的に社会の役に立っている人がいたとします。この人を「論語」の価値観だけで判断すれば、「金の亡者」となるでしょう。しかし、そうした一元的な評価では、社会は豊かになれません。

 「論語と算盤」は、全く純粋ではありません。対極にある二つの価値観を混ぜ合わせて、ある意味「不純」にしているからこそ、社会でより多くの人を取りこぼすことなく、抱え込むことができるのです。

 

(12) 今こそ求められる「対極を調和させる」力

 最近、ある立場を取ると、反対の立場の人を切り捨てたり、一方的に非難したりする人が増えていると感じることがあります。特にSNSでは、そうした傾向が顕著です。しかし、その人がどれほど「これは社会のためになる」と信じていることだとしても、 一つの価値観だけで世の中を割り切ってしまうと、社会を良くすることはできませんし、世界を救うこともできません。渋沢栄一の生涯は、そんなことをわれわれに教えてくれています。

 渋沢の人生に学び、対極にある価値を両立させる力をつけ、社会を俯瞰する視点を持つことで、私たちは社会をより良くしていくことができるかもしれません。『論語と算盤』という渋沢の思想を、その大いなるヒントにしてほしいと私は思っています。

 

 

<出典>

守屋淳(2021/4)、渋沢栄一『論語と算盤』、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)



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