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2018年8月16日木曜日

(1331)  太宰治『走れメロス』(1) / 100分de名著

 
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(K0472)  介護サービスの見える化 <介護><システムの構築>
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第3回  20日放送/ 27日再放送
     (23日午後6:55-7:20にも再放送の予定)
  太宰治『走れメロス』  「主人公」は誰か
  若松英輔(批評家・随筆家)
 
 
A)   あらすじ
B)   このテキストの目次
C)   紹介
 

【展開】

A)   あらすじ

===== 引用はじめ
 純朴な羊飼いの青年メロス(Moerus)は、十六になる妹の結婚のために必要な品々を買い求めにシラクスの町を訪れたが、町の様子がひどく暗く落ち込んでいることを不審に思い、市民に何が起きているのかを問う。そして、その原因である人間不信のために多くの人を処刑している暴君ディオニス王(ディオニュシオス1世)の話を聞き、激怒する。メロスは王の暗殺を決意して王城に侵入するが、あえなく衛兵に捕らえられ、王のもとに引き出された。人間など私欲の塊だ、信じられぬ、と断言する王にメロスは、人を疑うのは恥ずべきだと真っ向から反論する。当然処刑される事になるが、メロスはシラクスで石工をしている親友のセリヌンティウスを人質として王のもとにとどめおくのを条件に、妹の結婚式をとり行なうため3日後の日没までの猶予を願う。王はメロスを信じず、死ぬために再び戻って来るはずはないと考えるが、セリヌンティウスを処刑して人を信じる事の馬鹿らしさを証明してやる、との思惑でそれを許した。
 
 メロスは急いで村に帰り、誰にも真実を言わず妹の結婚式を急ぎ、夫を信じて誠心誠意尽くすように言い含め、式を無事に終えると3日目の朝まだき、王宮に向けて走り出した。難なく夕刻までに到着するつもりが、川の氾濫による橋の流失や山賊の襲来など度重なる不運に出遭う。濁流の川を懸命に泳ぎ切り、山賊を打ち倒して必死に駆けるが、無理を重ねたメロスはそのために心身ともに疲労困憊して倒れ込み、一度は王のもとに戻る事をあきらめかけた。セリヌンティウスを裏切って逃げてやろうかとも思う。しかし近くの岩の隙間から湧き出てきた清水を飲み、疲労回復とともに義務遂行の希望が生まれ、再び走り出す。人間不信の王を見返すために、自分を信じて疑わない友人の命を救うために、そして自分の命を捧げるために。
 
 こうしてメロスは全力で、体力の限界まで達するほどに走り続け、日没直前、今まさにセリヌンティウスが磔にされようとするところに到着し、約束を果たす。セリヌンティウスに、ただ1度だけ裏切ろうとした事を告げて詫び、セリヌンティウスも1度だけメロスを疑った事を告げて詫びた。そして、彼らの真の友情を見た王は改心し、2人を釈放するのであった。
===== 引用おわり
Wikipedia
 

B)   このテキストの目次

(1)  メロスは主人公か?
(2)  王の回心

(3)  物語の舞台はどこ?
(4)  外界の物語、内面の物語
(5)  語らないセリヌンティウス
(6)  偉大なる兄のいる場所
(7)  なぜメロスは走るのか?
(8)  試練と向き合う心
(9)  「走る」と「生きる」
(10)信じること、信じられること、疑うこと
(11)暗闇にもたらされる光
(12)おわりに
 


C)   紹介

(1)  メロスは主人公か?
 この小説を、メロスを中心とした物語として読むこともできるが、王を中心にして読むともう一つ別の物語を味わうことができる。「主人公は、物語の中でもっとも大きな変化を経験する人物」と考えると、主人公は王ということになる。「メロス」や「セリヌンティウスとの友情」よりも大きな変化を経験している。
 
(2)  王の回心
   小説の始まり
 町の老人「王様は人を殺します。 … 乱心ではございませぬ。人を、信じる事が出来ぬ、というのです。…」
   小説の終わり
 王「 … 真実とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、わしも仲間に入れてくれまいか。…」。群衆「万歳、王様万歳」
 


 次回投稿に続く
 

出典
(2018/8)、「for ティーンズ」、100de名著、NHKテキスト(NHK出版)
添付は、この本から


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